ペルーを象徴する5つの花

その印象的な色や外見、香りなどから、花はペルーの生物多様性を構成する最適な要素と言えます。この国には2万5千種以上におよぶ花があり、その多くはペルー原産の非常に特徴的な種類です。

それぞれが秀でた主役として風景を彩り、各家庭でも様々な役を演じるペルーの花。これらの中から特に象徴的な5つの花を、ペルー貿易観光促進庁(Promperú)が次のように紹介しています。

Flor de la papa(ジャガイモの花)

薄紫や黄色などの色調が美しいこの花の主は、ペルーのみならず世界でも特に大切な塊茎であるジャガイモ。それぞれの花茎には多いもので30の花から成る花房が付き、5枚の花弁を持つそれぞれの花の直径は平均で3~4cmになります。標高3000mを超える土地でも育ち、ルイス・アバント・モラレスが作詞作曲した民謡「La flor de papa(ジャガイモの花)」でも有名です。

Azucena peruana(Alstroemeria aurantiaca / インカの百合)

淡い紫色や明るい黄色に茶色や黄土色の線が入った様々な色の花弁を持ち、人目をひく美しい花。「インカの百合」の名で知られ、アンデスの温暖な地域で育ちます。

Flor de la Cantuta(カントゥータ)

白や黄色、紫、赤などのバリエーションがある美しい花。特に香りはなく、密生した花房を作り、高さはおよそ3mにもなります。ペルーの国花であり、またインカ帝国の征服と覇権の象徴として扱われていたことから、インカの聖なる花とされています。

アンカシュ、アプリマック、カハマルカ、クスコ、プーノ、リマ、パスコを始めとするペルーの各地で育つ花で、アンデス地方では咳や眼の炎症、下痢の症状を緩和するために用いる人もいます。またその枝は籠の材料に使われ、カラフルなだけでなくとても便利な花と言えます。

Orquídeas(蘭)

ペルーに存在するおよそ3000種の蘭は、この国の花の多様性を象徴しています。アマソナスやクスコ、ワヌコ、フニン、パスコ、ピウラ、サンマルティンなどの森林に自生し、その多くには2~3色で構成される3枚の花弁があり、強い香りが昆虫の受粉を促します。その美しさからとりわけ観賞用に好まれ、社交行事や贈答目的の需要が絶えません。

Flor de Amancaes(アマンカエス)

濃い黄色の花弁と中心部の緑色が特徴の花。リマの高い湿度の影響で特に冬に成長・開花するため、スペイン植民地時代からリマを象徴する花とされてきました。リマ市のインデペンデンシア区やサンフアンデルリガンチョ区、リマック区などにあるロマス(※注釈参照)や、ワウラ郡のラチャイ国立自然保護区のような場所でたくさん見ることができます。

お気に入りの花はありましたか?これらの花はペルーにおける生物多様性の一部です。大切にしてあげてくださいね。

(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú)

※ロマス(Lomas)

ラチャイを含むペルー海岸部は、一年を通してほとんど雨が降らない砂漠性気候。しかし、冬になるとガルーアと呼ばれる濃い霧が海から流れ込み、岩山にぶつかって停滞する。湿度はほぼ100%。雨のように地面に降り注ぎはしないが、立っているだけでじっとり濡れてしまう。まるで天然のミストサウナのような状態になるのだ。その水分が砂の大地を湿らせ、夏の間、地表近くでひっそりと眠っていた植物たちを一斉に芽吹かせる。このガルーアが発生し始めるのがペルーの冬、6月ごろなのである。

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