COVID-19 ペルーで初の死者

国家緊急事態宣言から4日目。食糧品などの供給は通常通りに行われているが、夜間外出禁止令の影響でスーパーの営業時間が大幅に短縮された。過度な接触を避けるため入店者数を50%に制限するなど、何かと不便になってきている。案の定、今朝は開店前に到着したにもかかわらず、スーパーの外にまで行列が続いていた。

警備員に手を消毒してもらってから入店。店内のマスク着用率は6~7割。自家用車の通行禁止で重い荷物を運ぶのが大変だからだろう、半数以上は男性客で、妻から手渡されたメモを片手に一生懸命買い物しているのが微笑ましい。35ソレス以下のお手頃価格ワインは品薄、プリングルスのサワークリーム&オニオンは残っているのにオリジナルだけが完売。ペルー人のコンサバ度を見事に表していた。

実は先週の日曜に“今夜8時に大統領から重大な発表がある ” と聞いた私は「この先ややこしそうだから、その前に炭酸水やUHT牛乳など日持ちするモノを買っておこう」とスーパーの宅配を注文しておいた。ただいつもなら遅くとも翌々日には配達可能なのに、この時は4日後以降のお届けになるという。きっと注文が殺到しているのだろうと、一番早かった木曜の午前中を指定した。

その日の夜に出たのが、国家緊急事態宣言である。この時「ふふふ、でも私は安心だもんね」などとほくそ笑んでいたのだが。

通常オンライン配達の場合、注文依頼から配達終了まで4つのステップがあり、ステップが進む度に確認メールが来ることになっている。ところがいつまで経っても連絡がなく、水曜夜の時点でもまだ放置されたままだった。依頼が受理されたのか、実は宅配も禁止になっているのかさえ分からない。とりあえず「この注文はどうなってるのよー!」というクレームメールだけは送っておいたが、もう無理だろうとすっかり諦めていたのだ。

さて、朝一スーパーで無事買い物を済ませ、帰宅してからまず手洗いうがい。髪や身体にもウイルスがついているかもしれないので、そのままシャワーに直行して汗とともにさっぱり洗い流した。服もサンダルも即洗濯。ここまですりゃもう完璧!

なんてほっとしたのもつかの間、突然スーパーの宅配がやってきたのだ。そりゃ木曜の午前中って指定したけど、連絡なしってのは止めてくれ!慌てて新しいマスクを着け、消毒用アルコールを手にドアを開けた。マスク着用の配達員に「消毒する?」と聞いたら、進んで両手を出してきたのが可愛らしくもあり、悲しくもあり。重たい商品ばっかりなのに、うちの玄関から1m以上離れたところに放置されたものだから、運び入れるのも一苦労だ。でも文句は言っていられない。彼の目の前で用意しておいたチップ用の小銭にアルコールをたっぷり振り掛け、安心させてから渡した。先日ミラフローレス区の別のスーパーで従業員が感染したため、店舗閉鎖で同店の従業員は全員自宅隔離になっている。医者や看護婦、軍、警察など最前線で戦う人たちと同じように、食糧品や医薬品販売の店員たちも危険な中で頑張っている。彼らには感謝してもしきれない。

保健省発表による3月19日12時00分現在の国内感染者数は234人(前日+89人)。内訳はリマ194人(+83)、カリャオ5人(±0)、アンカシュ3人(+1)、アレキパ3人(+1)、クスコ4人(+3)、ワヌコ2人(±0)、イカ1人(±0)、ラ・リベルタ2人(±0)、ランバイエケ6人(±0)、ピウラ2人(±0)、ロレト11人(+1)、マードレデディオス1人(±0)。既検査数は3841件、陽性判定率は6.09%。

保健省は本日19日15時、ペルー初となる新型コロナウイルス感染者1名の死亡を発表。この患者は高血圧の既往症をもつ78歳の男性で、3月17日から国軍病院に入院していたとされる。

(ソース: MINSA 19/03/20)