ペルー国家緊急事態宣言の発令

3月15日(日)20時、ビスカラ大統領によって国家緊急事態宣言が出された。ペルーの陸・海・空の国境はすべて閉鎖され、憲法上の権利は制限される。市民の外出は15日間禁止、外食や集会等はもちろん禁止だ。とはいえ生活必需品の買い出しや通院、高齢者など弱者に対するケアや保護活動等は認められている。金融・保健機関、交通・上記に関わる供給販売のための移動、通信メディア、コールセンターなどは通常通り。

昨夜の市民の反応はおおむね歓迎で、政府の政策に対する批判も特に目にはしなかった。もちろん商売をどうするかなど個々の問題は大きいが、それでもみなが緊張感を持って協力していこうという姿勢が垣間見られ、安心感と同時に心地よささえ感じていた。

なのに今朝のリマは・・・わりと普通だ。もっと閑散としているかと思ったけれど、食糧等の買い物は許可されているからだろう、思ったよりも人出がある。バスの本数は減っており、ぱっとみたところ乗客も少な目。それでも一定数は乗っているし、乗用車も普通に走っていた。ショッピングモール周辺に配置された銃を携えた兵士の存在を除けば、国家緊急事態宣言下にあるようには思えない。いいのか?こんなに緩くて?

昨日市内のスーパーはどこも入場制限されるほどの混雑だったらしく、今朝も多くの棚はからっぽのままだった。店員はマスク着用、レジ係は会計の度にアルコールで手を消毒。ただ間違ったマスクの着用法の人も多く、その辺りの基本的教育の欠如は明らかだ。感染リスクを下げるため買い物は一人でと言われているにもかかわらず、夫婦で来るペルー人も多い。路上には新聞や軽食を販売する露天商が、兵士の視線を避けながら商売に励んでいた。

外出制限適用初日の今日は柔軟に対応するというが、国防相は「運行許可のない運転手の免許証を取り上げ、15日後に返却」とアナウンス、アプリタクシーの利用も禁止だ。また運輸通信相も「救急センターの業務を妨害する迷惑電話の回線を30日間停止する」とあらゆる方面からCOVID-19に対峙する構えだ。それでもまだ今のところは、政府と市民との緊張感に大きな開きがあるらしい。保健省発表による3月16日8時46分現在の国内感染者数は86人、既検査数は 2315 件。