レハを取り付けました

ペルーで修理 or 工事を依頼すると、とにかく時間がかかる。1週間といえば2週間、1か月といえば2か月。すべてにおいて効率が悪いし、とにかく無責任だ。“終わりよければすべてよし”の精神で暮らしてはいるが、それでも本当にイライラする。

アパートの扉にレハ(鉄門)を取り付けることにした。すでにレハを取り付けている隣人に職人を紹介してと頼んだら、「あんまりいい職人じゃなかったのよね・・・。まずは自分で探したら?」と。近所の工房に尋ねてみると、足元を見られたのかびっくりな値段。そこで以前利用したfacebookの某非公開グループに、「レハの作製&取り付けできる人?」と投稿してみた。たくさんの返事があったが、一番に名乗りを上げたのが、鉄工職人のアレキスだった。 ・・・それが金曜日。

土:アレキスとメッセンジャーでやりとり。値段も良心的だし、写真をたくさん送ってきてくれるのもいい。ただ彼の作業場はセントロだという。「ちょっと遠いね。トラブルがあった時、あんたの作業場まで行けないわ」と言うと、「大丈夫!もし問題があったら、あなたはあの非公開グループにクレームを書けるじゃないですか。そうなるとボクはとても困るから、ちゃんとやりますよ」と。確かにねってことで、週明けに来てもらう事にした。

日曜日

月:アレキスが採寸にやってきた。「作製に2日、取り付けは3日目。3時間で設置できますよ」とのこと。木曜の午前中に来るそうだ。
・・・
木:午前中と言ったのに来ず、午後になって「今から行きます」という連絡があった。でも遅すぎるので延期。騒音規制で17時までしか工事できないって、最初から言ってあるのに!
金:「他の仕事があるから」と来ず。
土:8時半に来ると言ったのに10時に来た。ドリルで壁に穴を開けようとしたが、壁が固すぎるのかドリルが悪いのか、穴が開かない。「来週、もっと大きなドリル(の歯)を持ってきます!」と帰ってしまった。あっという間に1週間が終了。これくらいは想定内だが、ここからが長かった。

日曜日

月:「他の仕事があるから」と来ず。
火:「子供が階段から落ちたから病院に行きます」と来ず。
水:なぜか大きなドリルを持ってこず、タガネと金槌という力業で穴をあけた。これなら土曜日だってできたのに!。穴に鉄棒を差し込み、コンクリートを埋めて終了。
木:来ると言ったのに来ないので電話。「コンクリートが完全に乾くまで、もう1日待ったほうがいいと思うんですよね~」うだうだ・・・で来ず。
金:この日も来ないから何度も催促。ところが電話にも出ないし、メッセージを開封した形跡もない。もしかしてあいつの携帯、盗られた?
土:アレキス応答なし、契約書に記載されている他の番号も応答なし。やーっとつながったと思ったら、「はい、私がアレキスのパパです」という穏やかな声が。「あなたの息子と連絡が取れないんだけど、どうなってるの?彼の携帯盗られたの?事故?生きてる?」「大丈夫ですよ、セニョーラ。息子は生きています」いい人なのに、なんかイラ~ッ!

日曜日:夜、パパにメッセージしたら、「大丈夫ですよ、セニョーラ。ご心配なく」って。いや、だから心配だってば・・・(涙)

月:知らない番号から電話、アレキスだ。「携帯を盗まれて、けがをしました。でも明日は必ず行きます」よかった、生きてた!
火:午前中に来ると言いつつ、午後に来た。木曜の夜セントロで襲われたらしい。気の毒だと思うが、待たされた私も気の毒だ。なんだかんだでやっとレハを設置。やったー!でも壁に開けた穴を塞がないといけないし、工事が雑で塗装も何か所か剥げてしまった。「明日ちゃんと修理します。明日で完全に終わります!」
水:「今日はちゃんと来てね!」と朝から念を押し、彼も了承。ところが午後になっても来ない。電話にも出ない。メッセージは既読になっているのに・・・ムカーッ!15時を過ぎても連絡がないので、「今日来なかったらあんたの工具捨てるから!」とメッセージ。すると「セニョーラ、なんでボクの工具捨てるんですか?!」と抗議の電話がかかってきた。こっちが怒りたいわ!16時。すっかりやる気をなくしているのだろう、彼はとても雑な仕事をしていった。fbにクレームを書かれてもいいのだろうか?少なくとも知人には紹介できないわ。
木:うちの門番くんに、アレキスが汚した壁のペンキ塗りを依頼。「セニョーラ、あいつはダメでしたねー」もう、分かってるって、ダメだししないでよ(涙)

3日で完成、3時間で設置が3週間。この間、私は何度予定を変更しただろう。私のように自宅で仕事できる人はまだいいけれど、会社勤めの人はもうお手上げだ。彼だって3日で稼げるものを、3週間かかって回収じゃ割に合わないだろうに?

「ペルーってなぜそんなに時間がかかるの?」と疑問をお持ちの日本の皆さん、まぁだいたいこんな感じです。終わりよければすべてよし。そう思えなきゃ、ほんとここでは暮らせない。