Patita con Mani パティータ・コン・マニ

ペルーのお袋の味、Patita con Maní(パティータ・コン・マニ)。牛足、または豚足を煮込んだコラーゲンたっぷりの一品で、植民地時代にアフリカから連れてこられた黒人たちの知恵と工夫が生んだペルーの伝統料理です。

16世紀から19世紀にかけて奴隷としてペルーに連れてこられたアフリカ大陸の黒人たちは、辛く過酷な暮らしの中にも喜びや楽しみを忘れない人々でした。音楽(ムシカ・アフロペルアーナ)しかり、料理しかり。主人らが食べ残した料理や廃棄した動物の内臓、または皮を利用し、創意工夫をこらして作ったソウルフードは、ペルーの食文化に大きな影響を与えています(Wikiには“アメリカ合衆国南部”と限定的に書かれていますが、中南米も同じ)。

これまでカラプルクラソパセカカウカウタクタクなど、黒人由来の料理をいくつかご紹介してきましたが、今回はパタ(四つ足動物の足)を使ったパティータ・コン・マニ(豚足、または牛足のピーナツ煮)を作ってみましょう。食の国ペルーのメルカド(伝統的市場)には、赤身肉やホルモンだけでなく、足もちゃんと売られています。

日本でもお馴染みの豚足
こちらは牛足。身体が大きいだけに、やっぱり迫力が違いますね!(冷蔵ケースのガラスが曇っててすみません)
下処理済みの牛足も売られているので、思い立った時にすぐ作れます。(なぜ赤味が差しているのかは謎。臭み消しにアチョーテでも入れているのでしょうか?)

パティータに豚足を使うか牛足を使うかはお好みで。ガストン・アクリオは牛足派のようですが、「豚足のほうが美味しい」という声も耳にします。今回は下処理済みのものが牛だったので、牛足を使用。どちらでも美味しく作れますよ。

【材料】2人分

  • パタ(牛足、または豚足) 250g(今回は下処理済みの牛足を使用)
  • ジャガイモ 中2個
  • タマネギのみじん切り 1/2個
  • すりおろしニンニク 大1/2
  • アヒ・パンカペースト 大1
  • アヒ・アマリージョペースト 大1/2
  • マニ(ピーナッツ) 50~60g
  • カルド・デ・パタ、またはカルド・デ・レス(ビーフブイヨン) 200~300ml
  • イエルバブエナ(スペアミント)3~4枝
  • 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量

【作り方】

1、軽く炒ったマニをミキサーにかけ、粉状にしておく。

2、丸ごとの牛足、または豚足を使う場合:鍋に足と、足が十分浸かるくらいの水、イエルバブエナを1~2枝入れて2時間茹でる。柔らかくなったら取り出し、骨を取って皮を1.5cm角程度の角切りにする。茹で汁(カルド・デ・パタ)を300mlほど取っておく。下処理済みのものは再度茹でる必要はないがよく洗って、食べやすいよう角切りにしておく。

3、アデレソを作る。鍋に油を敷き、タマネギのみじん切りとタマネギの水分を引き出すための塩ひとつまみを入れて炒める。タマネギが透き通ってきたらニンニクを加え、次にアヒ・アマリージョペーストとアヒ・パンカペーストを入れてよく炒め合わせる。軽く塩コショウとクミン、オレガノを加えて炒めたらアデレソのできあがり。

4、3の鍋に角切りにしたパタを入れて、炒めながらアデレソと混ぜ合わせる。そこにカルド200mlとイエルバブエナを1~2枝入れて蓋をし、ひと煮たちさせる。

5、皮をむいたジャガイモをパタと同じくらいの角切りにし、水にさっと晒す。4の鍋にカットしたジャガイモと塩少々を加え、蓋をしてジャガイモに火が通るまで15分ほど煮る。水分が足りないようなら4で残しておいたカルド、または水を適宜足し、好みの濃度にしあげよう。

6、ジャガイモに火が通ったらイエルバブエナを取りだし、1のマニを加えてよく混ぜ合わせる。マニがダマにならないよう鍋に加える前に少量の水で溶いておいてもいい。最後に塩で味を調え、別途刻んでおいたイエルバブエナを散らしてできあがり。

【keikoからひとこと】

下処理済みのパティータさえあれば作り方はとっても簡単、カウカウとほぼ同じと思って頂ければ大丈夫です。お財布にも優しいパティータは、節約主婦の味方です。

注意点は特にありませんが、臭い消しのイエルバブエナは忘れずに!これでパタの臭いも消えるし、フレッシュなイエルバの香りが食欲を掻き立ててくれること間違いなしです。