盗難スマホの電話帳を利用した詐欺の手口とその対策

盗まれた携帯電話の電話帳が詐欺に悪用されている。ペルー国家警察(PNP)は犯罪組織「ネットのペテン師」のメンバー2人を逮捕し、新たなサイバー犯罪の手口が明らかになった。

PNP欺騙捜査課を率いるホセ・マヌエル・クルス・チャンバ大佐は、スマートフォンに登録されている電話帳などの情報をサイバー犯罪者がチェックし、盗難被害者をプロファイリングしていると説明した。

大佐は記者会見で「盗難被害者の友人を装い、新しい電話番号を登録するよう伝えてきます」と報告。犯人グループは、銀行送金を受け取るために様々な詐欺の手口を用いるという。「ネットのペテン師」の場合は、35人以上の被害者から合計5万4000ソレスをだまし取っていた。

この事件では、ベネズエラ国籍のジェニファー・オリアナ・セケラ・アギラール(40)とロースマリー・デル・カルメン・ブスタマンテ・サラザール(28)が、それぞれインデペンデンシア区とロス・オリーボス区で逮捕され、銀行の振込証憑やスマートフォン2台、銀行のカード2枚が押収された。

スマートフォンの盗難による詐欺の手口

今回明らかになった「ネットのペテン師」グループによるサイバー詐欺の手口は次のとおり。

市場相場よりも安価でドルを交換する

盗難電話のWhatsApp(※日本のLINEのようなアプリ)の連絡先に登録されている友人になりすまし、「またとない取引」を持ちかけてくる。サイバー犯罪者は市場相場よりもはるかに安い価格でのドル売りをオファーし、連絡相手の銀行口座への振り込みを約束する。

安い為替レートにとびついた被害者は、友人を語る犯罪者が指定した銀行口座にソレス(※ペルーの現地貨)を送金する。その直後、犯罪者にWhatsAppの連絡先をブロックされた。

WhatsAppや Facebookを通じたバイク販売詐欺

SNS上で、1台1万5000ソレス以上するバイクを扱う有名ブランドのディーラーになりすます。被害者が相場より安い頭金で分割払いを申し込むとWhatsAppのアカウントに誘導され、2400ソレスを送金し振込証憑を送信した後にWhatsAppをブロックされ、コンタクト不能になた。

借金詐欺

ネット上に公開されている写真や情報を用い、スマートフォンを盗まれた被害者の友人になりすまし、SNSを通じてその友人に借金を申し込む。

「盗難後のスマートフォンは、機器の価値のみならず、登録済の銀行情報を始め、格納されている私的な写真や動画も闇取引の対象にります」と大佐は述べた。

犯罪組織「ネットのペテン師」のメンバーはまた、仮想通貨を使ったマネーロンダリングの疑いでも取り調べを受けている。昨年10月以降、出所不明の送金が確認されており、彼らが追跡を逃れるために詐欺で得た資金をビットコインに換金したと捜査関係者は見ている。

警察発表によると、ペルーでは、携帯電話の盗難に次いて発生率の高い犯罪がネット詐欺などのサイバー犯罪だという。大佐は「全国のサイバー犯罪は約5倍に増加しており、PNPでは一般犯罪捜査局(DIRINCRI)を通じて犯罪の無力化に取り組んでいますが、市民が自身で警戒することが最も重要です」と指摘する。

DIRINCRIは、現在までに93件のネット詐欺でおよそ100万ソレスの被害があったと報告している。

ネット詐欺にあわないための心得

  1. Facebookの場合、情報セクションの「透明性」タブからページの古さを確認すること。詐欺ページは開設日が新しいことが多い。
  2. 盗難後、SIMカードを他の携帯電話に挿入して情報を盗まれる可能性があるため、SIMカートのパスワードを変更すること。
  3. 私的な写真や動画を使ったなりすまし行為を防ぐため、SNSプロフィールのプライバシー設定を再確認すること。

サイバー犯罪に遭遇した場合は、最寄りの警察署か、またはリマセントロのエスパーニャ通りにあるDIRINCRIのオフィスに通報すること。

(ソース: Andina 05/06/23)

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