ペルーの外国人法 – DECRETO LEGISLATIVO N° 1350

立法政令 第1350号(在留に関する立法政令)

前文

ペルー共和国議会は、法令第30506号「経済再活性化および正規化、治安維持、汚職撲滅、上下水道整備およびペトロペルー社再編成に関する立法権限の行政府への委任法」により、立法の権限を行政府に委任した。

法令第27658号「政府行政手続きに関する近代化関連法」の第4条は、政府行政手続きの近代化プロセスが国家機関効率のさらなる水準向上を根本目標に掲げることを定め、その結果として公的資源の利用を重視・改善しつつ市民へのより良い対応を全うするものである。法令第27658号「政府行政手続きに関する近代化関連法」の第4条は、政府行政手続きの近代化プロセスが、国家機関の効率のさらなる水準向上を根本目標に掲げることを定め、その結果として公的資源の利用を重視・改善しつつ市民へのより良い対応を全うするものである。

法令30506号第2条2項のf)号は、両親の一方の国外追放が未成年者にまでおよぶことのないよう、その権利を尊重しつつ、内外の移民政策や国家在留監督庁、また国境治安の改善のための規準を公布する目的から、治安維持に関する法規制定の権限を行政府に付与するものである。

立法政令第1135号「内務省組織と職務に関する法令」第6条の4項および10項は、一般規準を提起する機能ならびにその管轄に関する正規の権限を定め、内国移民政策の履行を監督するものである。

外務省は、法令第29357号「外務省組織と職務に関する法令」の第4条a)号および第6条第25項、ならびに同部門に対し難民の国際的権利行使への配慮と責任を定める法令27891号第6条に従い、移民政策における当事者組織となる。

国家在留監督庁(MIGRACIONES)を設置する立法政令第1130号の第2条と第6条は、内国移民政策に関する権限の保持および国内と国境の治安に係る政策への参画を規定する。国家在留監督庁は、出入国管理を適切に機能させるため、出入国管理施設または国境管理施設に設けられた複数の政府機関と連携し、その権限はペルー全土におよぶ。

第6条b)号は、国家在留監督庁の機能につき、その権限の範囲において、国際的な規制や条約に基づき内国移民政策を実行し、ペルー社会への移民の統合を促進することと定めている。

ペルー共和国憲法第104条および法令第29158号「行政組織法」の定めるところに従い、内閣の可決承認をもって、ペルー共和国議会への通知の任とともに、次の立法政令を発布する。

在留に関する立法政令

序章 – 原則

第1条 – 基本的権利尊重の原則

ペルー国家は、ペルー共和国憲法に定めるすべての人々の尊厳の尊重に基づき、現行法の枠組みに従い、外国人に対しその基本的権利の尊重を保証する。

第2条 – 主権の原則

ペルー国家は、自国領土の完全性および、当該領土内の国民と外国人に関し、主権を行使する。

第3条 – 国家発展における移民の貢献の是認、および自由通行の原則

ペルー国家は、国家の発展に関する文化、経済、科学、および多様な側面への移民の貢献を是認する。また、安全な移住を促進し、国際的な通行の自由を堅持する。

第4条 – 移民同化の原則

ペルー国家は、外国人およびその家族の、ペルー社会と文化への統合を促進する。

第5条 – 在留家族一体性の原則

ペルー国家は、外国人、およびペルー人の家族の一体性を保証し、これに配慮する。

第6条 – 児童・青少年の利益優先の原則

国のあらゆる機関を通じて採用される、児童や青少年に関するすべての措置、ならびに社会におけるその実施については、児童および青少年の利益優先の原則、およびそれらの権利の尊重が考慮されるものとする。

第7条 – 非正規移民非犯罪者化の原則

ペルー国家は、非正規移民非犯罪者化の原則に基づき、移民政策を策定・実施する。

第8条 – 非差別の原則

ペルー国家は、移民に関するあらゆる形の差別の撤廃、および、あらゆる形の偏見の排除を推進し、特に外国人排斥と人種差別を拒絶する。

第9条 – 包括性の原則

ペルー国家は、在留事象の複雑性および横断的な影響を考慮し、包括的な取り組みを促進する。そのためには、部門を越えた広い範囲で互いの責任による対応が求められる。

第10条 – 行動統一性の原則

ペルー国家は、査証付与、ペルー領土への入国、国外追放、在留資格および他の関連手続きにおいて、行政行為の統一性の原則に則り行動する。

第11条 – 互恵主義の原則

ペルー国家は、国際的に広く受け入れられた権利原則である互恵主義を推進する。互恵主義とは、国際関係における他国との待遇の対応を意味し、その達成において真に同一であるべき必要はなく、均衡のとれた形で適用される。

第12条 – 在留正規化の原則

ペルー国家は、ペルー国領土への入国および滞留を希望する外国人移民の正規化にあたり必要な措置を促進する。対象者の保護に便宜を図るとともに、違反行為もしくは人間の尊厳、権利、自由を侵害またはそれらに影響を及ぼす状況を是正または未然に防ぐ恒久的な行動として、移民の正規化を支援する。

第1章 – 一般条項

第1条 – 法令の目的

本立法政令は、ペルー領土におけるペルー国民および外国人の出入国、外国人の滞留および居住、在留に関する行政手続きについて規定するものである。また、ペルー国民および外国人の旅券、ならびに外国人の身分証明書の発行について規定する。

第2条 – 適用範囲

本立法政令は、ペルー共和国憲法、ペルーが加盟する国際条約や国際協定、国内法およびその他の内部規則に従い、ペルー領土内および在外ペルー公館において適用される。

第3条 – 目的

本立法政令は、移民の統合に貢献するとともに、現行の法制度に基づき、ペルー領土内のすべてのペルー国民および外国人の権利を保証する目的を有す。

第4条 – 移民政策

4.1 行政府は、国家政策の一部として内外の領域における移民政策を指示する。

4.2 内的には、自国民と外国人のペルー入国に際し、ペルー国家との関係性を適切に決定することを目的とし、外的には、国際関係の枠組みにおいて、在外ペルー人および他国の国民に対する保護および支援に関連する目的を有す。

4.3 国家の移民政策では、特に技術、人材、産業の発展、観光、人口政策や他の知識活動における国家の必要性が考慮される。

第5条 – 在留管轄当局

国家在留監督庁(MIGRACIONES)は、内務省(MININTER)管轄の専門技術機関として、国内の在留に関する権限を有す。外務省(RR.EE.)は、現行規準に従い国内の在留に関する権限を行使することに加え、本立法政令の定めに基づく国外の在留に関する権限を有す。

第6条 – 在留の規制

国家在留監督庁および外務省は、ペルーが締結した国際合意や内国規範に従い、それぞれの枠組みにおいて、移民の運用を規制する一連の規則や技術的な手続き、手段を制定する。

第7条 – 組織間の関係

移民政策の実施に関連する公的機関は、その権限と機能が及ぶ範囲において、それぞれが展開する機能を補完しつつ、または協力しながら互いに関連・関係するとともに、サービスの向上や一般的な利益の保護に向け、自然人または法人、あるいは社会的団体と機構的な関係を構築することができる。

第8条 – 用語定義

本法令の適用にあたっては、次の定義が考慮される。

  • 無国籍者(Apátrida): 国籍がいずれの国とも見なされない者
  • 輸送企業(Empresas de transporte): 出入国管理施設あるいは海路、河川、湖、空路もしくは陸路において認可された国境管理施設を通り、ペルー国民および外国人の輸送にあたり認可済みの法人
  • 外国人(Extranjero): ペルー国籍を持たないすべての者
  • 通行券(Salvoconducto):  旅券の機能を有し例外的に発行される、法的効力を持つ渡航書類
  • 多重国籍(Múltiple Nacionalidad): 外国人あるいはペルー国民が、国家の管轄当局により承認された二つ以上の国籍を有す状態
  • オペレーター(Operadores): 海路、河川、湖、空路あるいは陸路の境界において人および/または財を積み降ろすため法的に承認された地点の使用権を有す事業体
  • 在留秩序(Orden migratorio): 公序良俗または国家の安全に影響を及ぼすことなく、ある特定の領土を対象とした移民の流動を統制するために必要な規定や政策で構成され広められた法的な財
  • 滞留(Permanencia): 外国人のペルー滞在にあたり在留管轄当局により付与される許可
  • 非正規在留状態(Situación migratoria irregular): 外国人が許可なくペルー国領土内に侵入しているか、または現行規範に基づき付与された在留期間を超過した状態

第9条 – 外国人の権利

9.1 国家は、現行規範に定められた禁止・制限事項を除き、外国人がペルー人と同等の条件で、保健衛生、教育、労働へのアクセスのように、ペルー共和国憲法に定める基本的権利を享受・行使することを認めている。

9.2 国家は、外国人に対し、入国や滞留、居住、出国のための要件に関する情報、および、必要とされる他のあらゆる情報を提供する。

第10条 – 外国人の義務

10.1 国家在留監督庁、ペルー国家警察、およびその他のペルー当局からその権限の範囲において要請を受けた場合、現在の在留状況を証明する身分証明書または旅券を提示すること。

10.2 定められた出入国管理地点および/または国境管理地点を経由して出入国すること。

10.3 ペルー国内における滞在または居住にあたり正規の在留資格を維持し、該当する賦課金を適宜支払うこと。

10.4 在留情報登録台帳を最新の状況に保つため、国家在留監督庁に対し、該当する情報を適宜提供すること。

10.5 付与された査証または在留資格で許可された活動のみ実施すること。

10.6 現行規制の枠組み、特にペルーの歴史・文化遺産に関するものを遵守すること。(2023年2月15日公布の法令第31689号にて次のように改定)

10.6 特にペルー国家の歴史・文化遺産、公序良俗、国内秩序、国家の安全、市民の安全、および衛生・環境に関する規定について、現行規準の枠組みを遵守すること。

第11条 – 弱い立場にある外国人

11.1 国家在留監督庁および外務省は、特に子供や青少年、成人、障がい者、先住民、人身売買や不法入獄手引きの被害者、家庭内暴力および性的暴力の被害者、基本的権利に対する深刻な脅威や影響により保護が必要な者については、その権利の保護にあたり該当する行政または司法措置を採用するため、当該移民が置かれている弱い立場を管轄当局に通告する。

11.2 国家在留監督庁および外務省は、その権限の範囲において、弱い立場にあるこれらの者に対応するための基準を適用し、関連する文書および/あるいは一時的な滞留または居住に係る許可を発出することができる。

11.3 国家在留監督庁および外務省は、家庭内暴力や性的暴力、人身売買、不法入国手引きの被害者である、立場の弱い子連れの女性に対し、自らの権限を行使してペルー領土から追放したり強制的に退去させてはならない。
(※11.3項は2023年2月15日公布の法令第31685号にて追加)

第2章 – イミグレーションドキュメント

第1節 総論

第12条 – イミグレーションドキュメント

イミグレーションドキュメントとは、身分証明書または渡航書類である

第13条 – 身分証明書

ペルー国家を当事者とする国際的な規則または手段に従い、ペルー領土に滞留している間、外国人は身分証明書によりその身元が証明できる。

第14条 – 渡航書類

渡航書類とは、国際法により権限を付与された国家または国際機関の管轄当局が発行し、所持者の身元や国籍を判断するために十分な情報を含むとともに、所持者に対し国際的な通行の自由を行使する権利を与えるものである。

第2節 身分証明書

第15条 – ペルー国内における外国人の身元証明

15.1 居住者(residente)の在留資格を有す外国人は、外国人登録証(Carné de Extranjería)または、ペルー外務省が発行する文書により、適宜身元が証明される。

15.2 一時的な在留資格を有す外国人は、旅券、または国家在留監督庁が発行する文書により、適宜身元が証明される。

15.3 外国人の所持する身分証明書またはそれに類似する文書についても、ペルー国家を当事者とする国際的な規則または手段に従い、身分証明書として認識される。

15.4 令状により通行の自由が制限されている外国人の身元証明については、ペルー国内で最後に使用された旅券または身分証明書、あるいはそれぞれの国家が提供する情報により行われる。

15.5 前述の各項目に含まれる身元証明の規定は、未成年者にも適用される。

第16条 – 外務省が付与する査証を有す外国人の身分証明書

ペルー外務省により付与された在留資格を有す外国人は、同省が特別な規定に基づき発出する公文書で身元が証明される。

第17条 – 外国人登録証

外国人登録証(Carné de Extranjería)とは、ペルーにおける外国人の身元と居住資格の証明にあたり国家在留監督庁が発行する「居住者の在留資格」を付与された、ペルー国内の外国人のための公式な身分証明書である。外国人登録証を交付する条件については、国家在留監督庁が発出する運用規則の条項で規定される。

第3節 渡航書類

第18条 – 渡航書類の種類

渡航書類とは、旅券(パスポート)、通行券、人道的理由による渡航文書またはレッセ・パッセ、他国の身分証明書(渡航目的で利用する場合に限る)、ペルー国家を当事者とする国際的な規則または手段に基づくその他の文書を指す。

第19条 – 旅券取得の権利

すべてのペルー国民は、領土の内外を問わず、管轄の在留当局が発給する自身の旅券を取得する権利を有す。

第20条 – 旅券の種類

ペルー国家は、以下の種類の旅券を発給する。

a. 一般旅券
b. 特別旅券
c. 公用旅券
d. その他国際条約や協定で定めれたもの

一般旅券については、ペルー国内では国家在留監督庁が、国外においてはペルー外務省がその在外公館を通じて発給する。一般旅券の仕様、意匠、安全上の対策は国家在留監督庁が定める。外務省は、国際条約や協定により定められた特別旅券、公用旅券、その他の旅券の仕様、意匠、安全上の対策を決定し、それらを発給する。

第21条 – ペルー国民に対する通行券の発行

在外ペルー公館は、当件に関する規範で定める事例において、ペルー国領土への帰国、または居住国への帰国に際し、自国民に対して通行券を発行する。

第22条 – 未成年者の通行券

22.1 ペルー国外で生まれ、ペルー人の父または母の子供である未成年者で、在外ペルー公館に登録されていない者に対しては、ペルー領土への渡航に際し、例外的に通行券を発行できるものとする。

22.2 外国人の未成年者に対する通行券の発行は、ペルー国籍の取得を意味するものではない。

第23条 – 外国人に対する通行券

ペルー国家は、ペルー領土内にいるか、または人道的な事情のある外国人で、ペルー国内における自国の外交上の代表者や在外公館の存在またはそれらの庇護がない者に対し、ペルー国家を当事者とする国際的な規則または手段に基づく通行券を発行する権限を有す。当該通行券は国家在留監督庁が発行する。

第3章 – 在留情報台帳

第24条 – 在留情報台帳

国家在留監督庁が管轄する在留情報台帳(RIM)は、以下の情報を一元的に管理する。

a. ペルー人と外国人のペルー領土への出入国に関する情報
b. 国家在留監督庁による、在留資格および在留許可の付与、取消、拒否
c. 外務省による査証の付与、取消、拒否
d. 国際的な通行の制限ならびに禁止
e. 本立法政令に基づき課される制裁
f. 渡航書類の発行または取消
g. 身分証明書や関連する他の情報の提示に基づく外国人の登録
h. 犯罪または軽犯罪を犯し有罪判決を受けた外国人に関するデータ、および刑事施設への入所情報
i. 帰化に関する記録
J. 外国人の生体情報
k. 本立法政令の運用規則で規定するその他の情報

第25条 – 在留情報の集約

25.1 他の機関により発出された情報については、安全性のある情報技術を利用した送信サービスや手続きを使用し、管轄の行政当局による規則に応じて送信されなければならない。

25.2 ペルー外務省は、在留情報台帳(RIM)の更新のため同台帳にアクセスし、その権限の範囲において、関連する情報および文書を提供する。

25.3 本立法政令の運用規則の規定に基づき、ペルー国家警察は、その権限の範囲において、在留情報台帳にアクセスすることができる。

第4章 – 在留に関する行政手続き

第1節 査証と在留資格

第26条 – 行政上の不服申し立て

在留事項に関する行政上の行為およびその処理において、本立法政令が認めるものについては、法令第27444号「一般行政手続法」の定めに従い、不服申し立ての対象になり得る。

第27条 – 査証の発行

27.1 査証とは、外務省により在外ペルー公館を通じて付与されるところの、特定の在留資格に関する認可であり、その所持者である外国人が、定められた滞留期間および活動のため、出入国管理施設または国境管理施設を通じ、ペルー領土内への入国許可要件を満たしていることを証明するものである。

27.2 在外ペルー公館は、適切な旅券または渡航書類上に査証を発行するとともに、在留資格および許可する滞留期間を表示する。

27.3 査証の有効期限は、発行日から6か月経過してもペルー領土への入国に使用されなかった場合、または認められた滞留期間が満了した場合に終了する。

27.4 査証の承認または拒否については、ペルー外務省から国家在留監督庁に通知されなければならない。

27.5 査証発行の拒否は最終決定であり、不服申し立てはできない。査証の取消については、外国人がペルー領土へ入国する前に外務省が職権で行うか、または国家在留監督庁の正当な要請により実施することができる。

第28条 – 在留資格

28.1 在留資格の付与はペルー国家の権限による。

28.2 在留資格とは、外国人に対し、個人的状況やペルー領土内で行おうとする活動に応じ、ペルー国家が付与する資格である。

28.3 国家在留監督庁および外務省は、その権限の範囲において、認められた在留資格と滞留期間、さらに、本立法政令およびその運用規則に定めるその他の関連情報を示した上で、行政行為を通じて在留資格を付与する。

28.4 在留資格は、本立法政令の運用規則に定める特定の活動、およびその他の互換性のない活動の実施を可能にするものであり、付与された有効期限をもって失効する。

28.5 国家在留監督庁が管轄する在留資格は、同庁のオンラインサービスを通じて手続きされる。

28.6 国家在留監督庁により承認された在留資格は、対応する査証を管轄の在外公館で付与するため、外務省に対し通知される。

第28-A条 – 在留資格へのアクセス

国家在留監督庁およびペルー外務省は、事前審査を経た後、ペルーで生まれた子供、あるいはペルー人の配偶者または同居するパートナーを有すDV被害者の外国人に対し、在留資格を付与する。

(※第28-A条は2023年4月27日公布の法令第31732号にて加筆挿入された条項)

第29条 – 在留資格の種類

在留資格の種類は次のとおり。

29.1 一時在留資格(Temporal): 居住目的でない外国人のペルー領土への入国および滞留を許可する。一時在留資格は次のとおり。

a. 国際協定【Acuerdos internacionales】

  • ペルーを当事者とする国際条約や協定の内容に基づき、外国人に対して入国や滞留を認める。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 申請の適用範囲や滞在地、延長可能性、その他の特徴については、ペルーを当事者とする当該国際条約や協定の定めに従う。

b. 芸術またはスポーツ【Artística o Deportiva】

  • 外国人に対し、芸術や文化、スポーツ、またはこれらに類似する他の興行に関連し、現行規範に基づく契約により、報酬または利益を得る活動の実施を許可する。
  • 国家在留監督庁により、入国前に付与される。
  • 数次入国不可(入国は1回限り)。
  • 滞留期間は90日、延長不可。

c. 特例【Especial】

  • 本立法政令の在留資格に規定されていない状況における入国および滞留を許可する、例外的、補助的、補完的な資格。
  • 外務省は、公式行事や非営利スポーツ大会の公式代表団、非営利または慈善活動を目的とする芸術家やスポーツ選手、タレント、およびペルー領土における滞留が国家に利益をもたらす外国人に対し、この査証を付与する。
  • その他の場合は、国家在留監督庁により、同庁の出入国管理施設および/または国境管理施設、あるいは全国の事務所において付与される。
  • 数次入国不可(入国は1回限り)。
  • 滞留期間は183日、延長可能(1回限り)。

d. 研修・研究(一時)【Formación/Investigación Temporal】

  • 居住を目的とせず、研修・研究(居住)在留資格と同等の活動の実施を希望する外国人の入国および滞留を許可する。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は90日、同一期間による延長が可能。

e. 商用(一時)【Negocios】

  • 居住を目的としない外国人が、ビジネスや法律、契約、専門的な技術補助、またはこれらと同等の性質の活動を行うことを許可する。
  • 外務省により付与される。ペルーとの間で商用査証免除に関する国際合意または協定を締結している国家の場合は、出入国管理施設および/または国境管理施設において、国家在留監督庁が在留資格を付与する。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間は累積で183日(365日が経過する間)。

f. 労働者・受任者(一時)【Trabajador/Designado Temporal】

  • 居住を目的とせず、労働者(居住)在留資格および受任者(居住)在留資格と同等の活動の実施を希望する外国人の入国および滞留を許可する。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間は累積で183日(365日が経過する間)、同一期間による延長が可能。

g. 報道【Periodismo

  • 特別規範に定める条件に基づき、外国人ジャーナリストのペルー入国を許可する。
  • 外務省により付与される。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間および延長の可否についてはペルー国家が決定する。

h. 観光【Turista】

  • 観光、レジャー、リフレッシュ、またはこれらに類似する活動の実施のみを許可する。就労および報酬・利益を得る活動は許可されない。
  • 外務省により付与される。ペルーとの間で観光査証免除に関する国際合意または協定を締結している国家の場合は、出入国管理施設および/または国境管理施設において、国家在留監督庁が在留資格を付与する。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間は累積で183日(365日が経過する間)、延長不可。

i. 乗務員・クルー【Tripulante】

  • 国際輸送手段の外国人乗務員のペルー入国を許可する。
  • 出入国管理施設および/または国境管理施設において、国家在留監督庁が付与する。
  • 数次入国不可(入国は1回限り)。
  • 滞留期間は30日、延長不可。

29.2 居住在留資格(Residencia): ペルー領土への入国および/または居住を許可する。これらの在留資格は延長および数次入国が可能。居住在留資格は次のとおり。

a. 国際協力【Cooperante】

  • 政府または非政府団体の協力に関連し、ペルー国家を当事者とする国際条約や協定により、ペルー国家がその身分を認める専門家やボランティアのような外国人、あるいは、外国で設立され、ペルー国際協力庁(APCI)に登録された国際技術協力に関する機関や組織の一員で、前述の国際合意および特別条項に規定されている外国人、さらに、外国政府、国際機関、または国家防災管理システム(SINAGERD)を構成する組織からの要請に基づく社会支援、人道支援、または自然災害の枠組みにおける援助的性格の活動を行うためペルー領土に入国する外国人が対象となる。
  • ペルー外務省により付与される。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間および延長の可否についてはペルー国家が決定する。

b. 受任者【Designado】

  • 外国人雇用主により派遣された、専門的知識、商業的知識、または特殊な技術的知識が必要な任務または特別な職務、あるいは職業の遂行を内容とする労働活動を、外国人に対しペルー国領土内で行うことを許可する。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間は365日。

c. 研修【Formación】

  • 外国人に対し、ペルー国家により承認された機関において、高等教育、基礎教育、芸術、または職業に関する正規の教育を受けることを許可する。これには、現行法の規定による交換留学や職業インターンシップ、文化研修、その他ペルー国家が承認する研修に参加する外国人も含まれる。国家在留監督庁が事前に特別労働許可証を発行した場合を除き、就労、または報酬や利益を得る活動は許可されない。
  • この在留資格は、国家在留監督庁により全国の事務所を通じて付与され、希望者はペルー領土内において、またはペルー入国前に認定された代理人を通じて申請することができる。
  • 滞留期間は365日。

d. 宗教家【Religioso】

  • 法務人権省により承認された組織または修道会において、宗教的な性格の、または牧師の活動を展開することを許可する。牧師の活動を補完する、教育や健康などに関するような活動を行うことができるが、国家在留監督庁が事前に特別労働許可証を発行した場合を除き、就労、または報酬や利益を得る活動は許可されない。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は365日。

e. 交流【Intercambio】

  • 条約や文化交流協定、研究協定などによりペルー国家がその資格を認め、かかる国際的合意や特別規則の効力を受ける外国人が対象となる。この在留資格は、研究、労働形態での活動、講習やセミナーの開催、または教育、科学、文化やこれらに類する分野におけるその他の教育・学究的な活動の実施にあたりペルー領土に入国する外国人にも適用される。
  • ペルー外務省により付与される。
  • 数次入国が可能。
  • 滞留期間および延長の可否についてはペルー国家が決定する。

f. 投資家【Inversionista】

  • 外国人に対し、ペルーの法令の枠組みにおいて、ひとつまたは複数の適法な投資の実施、展開、運用を許可する。投資の額やその他の条件については、本立法政令の運用規則において定めるものとする。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は365日。

g. 研究(居住)【Investigación】

  • 科学、技術、イノベーションの分野で認められた知識や経験を有す外国人、または高度な専門教育プロジェクト、国家の科学・技術当局によるプロジェクトに参加する外国人を対象とする在留資格で、官民セクターにおける従属的または非従属的なあらゆる営利活動の実施が許可される。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は365日。

h. 労働者【Trabajador】

  • 外国人に対し、雇用契約、行政法上の関係、または役務提供に関する契約に基づく、官民セクターにおける従属的または非従属的な形での営利活動の実施を許可する。国境地域の労働者の場合は、関連する国際協定で規定された恩恵が与えられる。この在留資格は、労働雇用促進省により事前に承認された雇用契約に基づき付与され、多国籍企業や国際企業の従業員で、同一の経済グループ、または持株会社に所属する企業で働くためペルーへ渡航し、上級管理職や参謀役、あるいは専門家や特殊な人材として勤務する従業員も含まれる。ただし、個人的に報酬や利益を得る活動を行うことはできない。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は365日。

i. 居住者の家族【Familiar de residente】

  • ペルー人、または外国人居住者に従属する在留家族単位の一員である外国人に対し、ペルーでの居住を許可する。この在留資格では、従属的または非従属的な形で営利活動を行うことができる。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は最長2年。

j. 拘留【Suspendida】

  • 刑法に違反し、拘留または自由を拘束された外国人を対象とする在留資格で、予備捜査や刑事訴訟、刑の執行の段階を含むとともに、当該外国人が何らかの刑罰上の恩恵(外出許可や刑期短縮、仮釈放など)を享受する期間、および出国が可能になるまでの国内待期期間にも及ぶ。ただし、在留手続き違反による外国人への罰金の対象とはならない。当該外国人は、純属的または非従属的な形で報酬を伴う活動を行うことができる。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間についてはペルー国家が決定する。

k. 人道【Humanitaria】

  • ペルー領土内にありながら亡命または難民の要件を満たさず、ペルー領土を離れた場合は、極めて脆弱な、または生命の危機に瀕した状況になる外国人、あるいは深刻な脅威や暴力行為、基本的権利の侵害に配慮した庇護が必要な外国人が対象となる。同様に、難民や亡命の申請者、自然災害や環境問題による移住者、人身売買や密入国手引きの被害者、同伴者のいない子供や青少年または無国籍者、さらに、国際的に認められた人道的危機に関する例外的な状況下で、ペルーに入国し庇護を受けようと願う国外の者にも適用される。この在留資格では、従属的、自律的または非従属的な形で営利活動を行うことができる。
  • ペルー外務省により付与される。
  • 滞留期間は183日。
  • 当該在留資格は、その付与に際しての脆弱な状況が続く限り維持される。

l. 年金生活者【Rentista】

  • 退職年金、あるいは、ペルーまたは外国を源泉とする永続的な所得を享受する外国人に対し、ペルーへの居住を許可する。当該所得の金額およびその他の条件については、本立法政令の運用規則で規定する。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は無期限。

m. 永住者【Permanente】

  • 外国人に対し、合法的な居住者として3年後に無期限で居住することを認める。
  • 国家在留監督庁により付与される。
  • 滞留期間は無期限。

n. 国際協定【Convenios internacionales】

  • ペルー国家が有効な国際条約や協定を締結し、居住の可能性が確立されている国の国民に対し、ペルーでの居住を許可するもので、政治亡命や難民に関する法令が含まれる。
  • 国家在留監督庁により付与される。ただし、政治亡命と難民の場合はペルー外務省が付与する。
  • 滞留期間および条件については、適用される国際条約および協定に従う。ただし、政治亡命および難民の場合、滞留期間は1年。

o. 領事【Consular】

  • ペルー国家により信任状を付与された領事の資格を有すとペルー外務省が認める外国人が対象。
  • ペルー外務省が付与する。
  • 滞留期間はペルー外務省が定める。

p. 外交官【Diplamatico】

  • ペルー国家に認証された外交官の資格を有すとペルー外務省が認める外国人が対象。
  • ペルー外務省が付与する。
  • 滞留期間はペルー外務省が定める。

q. 公務員【Oficial】

  • 特別規範に定める条件に基づき、ペルー外務省が職員の資格を認める外国人が対象。
  • ペルー外務省が付与する。
  • 滞留期間は365日。

r. 公務員の家族【Familiar de Oficial】

  • ペルー国外における外交や領事の職務、または公務の終了に伴いペルーに帰国するペルー国民の、あるいは、ペルー国外における職務の遂行中に死去したペルー人公務員の、在留家族単位の一員に対してペルーでの居住を許可する。この在留資格では、従属的、自律的または非従属的な形で営利活動をを行うことができる。
  • ペルー外務省が付与する。
  • 滞留期間はペルー外務省が定める。

第30条 – 在留資格の変更

30.1 外国人は、在留資格を変更することができる。当該変更については、本立法政令の運用規則に定める条件および要件に従い、国家在留監督庁で手続きされなければならない。

30.2 外国人は、同時に複数の在留資格を持つことができない。

第31条 – 手続きに伴う有効期間の延長

定められた期間内に、在留資格の延長または在留資格の変更手続きを申請した外国人は、その資格の有効期限を超過しても、当該延長または変更前に取得した在留資格が維持される。この有効期限の延長は自動的に行われ、国家在留監督庁または外務省が当該処理を終え申請者に通知するまで、あるいは行政手続きに定める事前審査の最長期間が経過するまで有効となる。

第32条 – 在留資格の取消

32.1 国家在留監督庁は、その権限の範囲において、次の場合に在留資格の取消を命じることができる。

a. 当事者からの申請
b. 死去、あるいは死亡・失踪の法的宣告
c. 帰化
d. 強制退去および国外追放の制裁適用(対応する制裁手続きの後)
e. 在留資格の変更

32.2 ペルー外務省は、前記32.1項のa)、b)、c)各号において、付与された在留資格をその権限の範囲で取り消すことができる。

第33条 – 国内不在による居住在留資格の喪失

33.1 永住者(Permanente)を除き、いずれかの居住在留資格を有す外国人は、ペルー領土内の不在期間が365日の間に連続して183日を超過した場合、その資格を喪失する。

33.2 永住者(Permanente)の居住在留資格を有す外国人は、ペルー領土内の不在期間が連続で365日を超過した場合、その資格を喪失する。

33.3 正当な理由によりペルー領土を不在にするペルー居住者の外国人については、例外として、対応する不在許可を国家在留監督庁で申請・取得すれば、その不在期間を延長することができる。

第34条 – 在留許可および/または在留証明

34.1 国家在留監督庁は、外国人に対し、許可されたものとは異なる活動の実施、あるいは、適切な在留管理に貢献しうる出国、不在、滞留、居住を特別に認める場合がある。

34.2 国家在留監督庁が発行する在留証明は、在留情報台帳(RIM)に記録された情報に基づき付与される。

34.3 在留許可および在留証明の発行に伴う条件、要件、費用については、現行規範に従い制定される。

第35条 – 非正規在留状態

非正規在留状態とは、外国人が以下の状況にある状態をいう。

a. 在留当局が指定した在留資格に対応する滞留期間が終了し、さらにペルー領土に留まる場合。
b. 入国審査を受けることなくペルー領土に入国した場合。

第36条 – 在留の正規化

非正規在留状態にある外国人は、本立法政令の運用規則に記す条項に従い、自身の入国制限の解除および/または在留状況の正規化を申請することができる。

第37条 – 家族の再統合

37.1 外国人の男性または女性と家族関係にあるペルー国民は、国家在留監督庁およびペルー外務省に対し、適宜、その核家族(núcleo familiar)に属すいずれかの一員の居住在留資格を申請することができる。この規定はまた、運用規則に定める状況において家族の再統合を申請する外国人にも適用される。

37.2 90日を超える滞留期間を伴う一時在留資格を有す外国人の家族は、家族の再統合により、当該外国人と同じ在留資格を付与される。すなわち、当該外国人の在留資格はその家族にも適用される。

37.3 居住者の在留資格を有す外国人の家族は、規則の求める要件を満たしていれば、居住在留資格または、適用可能なその他の移住資格を選択することができる。すなわち、外国人居住者の在留資格は、その家族とは異なる場合がある。

第38条 – 在留家族単位

在留家族単位の適用にあたり、家族の再統合を申請するペルー国民または外国人の核家族は、以下の者で構成される。

a. 男性または女性の配偶者、あるいは、民法の規定に従い事実婚によるパートナーとなる者
b. 未成年の子
c. 28歳までの成人かつ独身の子で、現在専門教育または高等教育を受けている者
d. 成人かつ独身の子で、正式に証明された身体または精神の障害により自活できない者
e. 男性または女性の配偶者、または国外にいる事実婚によるパートナーの、未成年の子
f. 配偶者の成人かつ独身の子または事実婚によるパートナーで、正式に証明された身体または精神の障害により自活できない者
g. 一親等の直系尊属
h. 配偶者または事実婚によるパートナーの、一親等の直系尊属

第2節 亡命と難民

第39条 – 亡命および難民

39.1 亡命および難民は、該当者の保護にあたりペルー国家が付与する法的な地位である。これらの法的地位を申請する者は、ペルー領土への入国および滞留に際し、査証も在留資格も必要としない。

39.2 在留資格に関し、亡命者および難民に対しては、ペルーを当事者とする国際的な規準や手段に含まれる規則、あるいは現行の特別規範が適用される。

第40条 – 亡命および難民の管轄

ペルー外務省は、事前審査ならびに、ペルー共和国憲法や諸法令、ペルーを当事者とする国際国際条約および協定に基づき、希望する外国人に対し亡命および難民の地位を付与し、またそれらの資格の喪失を決定することができるものとする。

第41条 – 亡命者および難民の出国

ペルー外務省は、亡命者および難民に対し、現行の特別規範に基づく渡航書類を発行し、その地位を喪失させることなく、一時的な出国を承認することができる。

第42条 – 在留情報台帳への登録および外国人登録証の発行

外国人は、いったん亡命または難民の地位が付与されれば、国家在留監督庁へ赴き、在留情報台帳への登録および、該当する外国人登録証の発行を受けなければならない。

第43条 – 保護義務

ペルー外務省の要請により、ペルー内務省は、現行の特別規範に従い、ペルー領土における亡命者および難民の安全を保障するため、必要な保護に関する措置を講じなければならない。

第44条 – 地位の拒否の確定

44.2 政治亡命または難民の地位の拒否が確定した外国人は、ペルーからの出国に際し、当該地位に関する申請手続きの期間の滞留超過による罰金の支払が免除される。

44.2 政治亡命または難民の地位の拒否が確定し、その後ペルー領土に非正規な方法で入国した外国人は、本立法政令のの運用規則に定める条項を除き、対応する制裁措置に従うものとする。 

第45条 – 出入国管理に関する一般事項

45.1 すべてのペルー国民または外国人は、旅客が乗務員の別を問わず、対応する身分証明書または渡航書類を備え、出入国管理施設および/または国境管理施設を通じて出入国しなければならない。

45.2 国家在留監督庁は、出入国するすべてのペルー国民または外国人の登録を確実なものとするため、出入国管理施設および/または国境管理を設置する。

45.3 欠番(2023年2月15日公布の法令第31689号にて次のように改定)

45.3 国家安全保障、公衆衛生、国内秩序、公序良俗、および市民の安全のため、外国人の入国および通過については、比例原則ならびに主権の原則に従い制限されることがある。

45.4 国家安全保障、公衆衛生、国内秩序、公序良俗の見地から、比例原則に従い、外国人の入国および通過を制限することがある。

第46条 – 二重国籍または多重国籍を持つペルー国民の、ペルー領土の出入国について

二重国籍または多重国籍を有すペルー国民は、ペルー領土からの出国に際し、入国時と同一の書類による手続きが義務付けられる。

第47条 – 人の国際的通行の遮断

人の国際的な通行にあたり、ペルーの入国施設は、国家在留監督庁の裁量により、客観的に必要とされる場合において、国家安全保障関連当局と調整の上、一時的または無期限に閉鎖されることがある。

第48条 – 入国の阻止と保護的措置

48.1 国家在留監督庁は外国人に対し、以下の状況においてペルー領土への入国を阻止する。

a. 強制退去または国外追放の制裁を受け、その制裁の期間が終了していない場合。
b. この件に関し締結された国際的な義務に基づき、国家安全保障、公序良俗、国内秩序、他人の権利と自由の保護、犯罪の防止、あるいはペルー国家または他国の国際関係に対して危機または脅威をもたらすと思われる場合。
c. 国連安全保障理事会の決議に基づき作成された制裁リスト、特に国連加盟国の領土への入国および通過を禁止するリストに含まれている場合。
d. 通常の犯罪および、麻薬取引、人身売買、違法伐採、資金洗浄、テロおよびテロ資金調達m汚職、組織犯罪、またはペルーの法令に関連する犯罪のような重大な犯罪により、他国の司法から逃れている者。
e. 虚偽の情報、または模造、偽造、または改竄された文書により入国しようとする場合。
f. 出入国管理を回避しようとしたり、許可されている場所以外から入国していることが発覚した場合。
g. 入国審査時に、自身のペルーでの活動を正当化することなく入国したことが発覚した場合。
h. 帰路の航空券を所持していない者(該当する場合)。
i. 入国に際し、必要な査証を所持していない者(該当する場合)。

48.2 国家在留監督庁は、次の状況にある外国人に対し、ペルー領土への入国を阻止することができる。

a. 現行の法令で要請される入国条件を充足しない場合。
b. ペルーの保健衛生当局により、その者のペルー領土への入国が国家の公衆衛生を危機にさらす可能性があると判断される場合。
c. ペルー国家または外国の情報機関から、国家の安全保障に対する危険人物とみなす報告を受けている場合。

第49条 – 出国の阻止

ペルー国民ならびに外国人は、次の理由によりペルー領土からの出国を阻止されることがある。

49.1 本立法政令の運用規則に定める状況を除き、自身の渡航書類を所持していないか、または入国時と異なる書類で出国しようとしている。

49.2 出国の差し止め、および、管轄の司法当局による逮捕命令が出ている。

49.3 衛生上の理由。

49.4 本立法政令およびその運用規則の定めに従わない。

第50条 – 国外追放および/または本国送還者に関する出入国管理

国外追放および/または本国送還されたペルー国民または外国人の出入国在管理にあたっては、在留関連書類の見直しが実施され、該当する場合は、当該事項の規範に従い、在留情報台帳に所見事項が記録される。

第51条 – 国際輸送の出入国管理

51.1 国家在留監督庁は、国際的な海上、航空、陸上、湖沼または河川輸送の旅客および乗務員に対し、入国管理事務所や空港、港湾のような、権限のある出入国管理施設および/または国境管理施設において出入国管理を行う。

51.2 国際的な運送手段の旅客および乗務員の出入国管理は、渡航が継続していると見なされる輸送中には実施されない。したがい、国家在留監督庁による出入国管理が実際に行われるまで、当該旅客および乗務員は、出入国につき承認も拒否もされていない状態となる。

第52条 – 未成年および公民権停止被宣告者の渡航

52.1 未成年および、公民権停止の司法宣告を受けた者の国外への渡航は、関連法令により規制される。

52.2 居住在留資格を有す未成年の外国人は、未成年のペルー国民と同じ規則に従わなければならない。ただし、ペルー国家に認可された外交官である外国人の未成年の子供が、両親のいずれかを同伴して渡航する場合は、未成年渡航許可の提示義務が免除される。

52.3 一時在留資格を有す未成年の外国人は、ペルーからの出国に際し渡航許可を必要としないものとする。この規定は、外国に居住する未成年のペルー国民にも適用されるが、その場合はペルー領土での滞在が183日を超えないことが条件となる。 いずれの場合も、ペルーからの出国については、運用規則に定める例外を除き、入国時と同一の条件下で行われることが要求される。

52.4 非正規移住状態にある未成年の外国人の場合、出国の条件については本立法政令の運用規則で規定する。

第5章 – 在留に関する制裁手続き

第1節 一般条項

第53条 – 国家在留監督庁の制裁権限

53.1 国家在留監督庁は制裁権限を有し、制裁手続きにおける適正処理の原則の適用を保証する。 以下は制裁の対象となる。

a. 本立法政令に定める義務を侵害する、ペルー国民および外国人、輸送企業、オペレーター業者、コンセッション企業、ペルーの居住者である法人。
b. 本規準の定めに違反した国家在留監督庁の職員には、対応する規定に従い、懲戒の行政処分手続きが取られる。

53.2 いかなる場合でも、国家在留監督庁は、子供や青少年に制裁を適用しないものとする。

53.3 国家在留監督庁は、例外的に、職権または当事者の要請で、根拠のある裁定により、ペルーへの入国の阻止を免除することができる。 

第54条 – 対象者に適用される制裁

国家在留監督庁が課すことのできる行政処分は次のとおり。

a. 罰金: 金銭的な制裁であり、その金額については、それぞれの制裁の種類に対して定める上限と下限の範囲内において、課税単位(UIT)を基に運用規則で規定する。この罰金は遡及せず、かつ利息も生じない。
b. 強制退去: 外国人をペルー領土から出国させる決定で、当該出国日から起算し最長5年の間、ペルーへの再入国が禁止される可能性がある。再入国にあたっては、対応する罰金の支払が条件となる。
d. 国外追放: 外国人をペルー領土から追放する決定で、当該出国日から起算し最長15年の間、ペルーへの再入国が禁止される。再入国にあたっては、対応する罰金の支払が条件となる。

第2節 ペルー国民および外国人に対する制裁行為

第55条 – ペルー国民に対する罰金

ペルー国民は、入国時と同一の書類でペルーからの出国手続きを行わなかった場合、罰金の対象となる。

第56条 – 外国人に対する罰金

外国人が罰金の対象となる違反行為は次のとおり。

a. ペルー出国時点の滞留期間超過
b. ペルー領土への入国、滞留、出国にあたり、複数の国籍を別々に使用した場合。
c. 外国人登録証に含まれる情報を更新していない場合。
d. 対応する賦課金を支払っていない場合。
e. 有効期間内に査証の延長手続きを行わなかった場合。
e. 有効期間内に在留資格の延長を申請しなかった場合。(※2023年4月27日公布の法令第31732号にて改定)
f. 在留資格、査証、与えられた許可に対応しない活動を行ったか、あるいはそれらを偽造した場合。

第57条 – ペルーからの強制退去

57.1 次のような場合は、外国人に対しペルーからの強制退去が命じられる。

a. 出入国管理手続きを行わずに入国し、かつ在留の正規化を申請せず非正規在留状態にある場合。
b. 付与された滞留期間を超過し、かつ規則に定められた期間内にその正規化を申請しなかった場合。
c. 公衆衛生に関する必然的な規準に従わないか、または違反した場合。
d. 環境に関する重大または極めて深刻な違反行為により、管轄当局から制裁を受けた場合。

57.2 国家在留監督庁は、ペルーへの再入国の阻止の適用およびその期間の決定にあたり、対象者の日々の糧を確実なものとする生活手段またはリソース、ペルー人との姻戚関係、強制退去の原因となった状況につき、分け隔てなく考慮する。

第58条 – 国外追放

58.1 次の項目に該当する外国人は、国外追放の対象となる。

a. 虚偽の情報の提出、または虚偽のデータや情報により在留手続きを行った場合。
b. 本立法政令第57条に定める強制退去の事例における再犯の場合。
c. 本立法政令に基づき課された強制退去に従わない場合。
d. 強制退去処分を受けペルーへの入国を阻止されているにもかかわらず、入国管理手続きを行わず入国したことにより、非正規在留状態にある場合。
e. 国家文化遺産に危害を加えた場合。
f. 公序良俗、国内秩序、国家安全保障を脅かす活動を行った場合。
g. 司法当局の命令による場合。
h. ペルーの裁判者により命じられた刑期を終え、釈放された場合。

58.2 亡命および難民の場合は、該当する規範が適用される。

第3節 国際輸送、オペレーター、宿泊サービスの責務

第59条 – 国際運送手段の責務

国際運送企業、その所有者および/またはその国際運送手段のオペレーターは、以下の責務を負う。

a. 乗務員および、輸送する旅客の登録と管理に関し、国家在留監督庁が発出する規定を遵守すること。この義務は、電子的な手段や技術を用いた通信および手段にもおよぶ。
b. 輸送する旅客が、正当かつ有効な身分証明書および/または渡航書類を所持し、ペルー領土の出入国にあたり必要な条件を満たしているか確認すること。
c. 本立法政令第48条における該当基準に基づき入国を認められなかった旅客または乗務員につき、その責任と費用を負担し、国家在留監督庁が定める期間内に再搭乗させること。
d. 国際海上輸送手段は、国家在留監督庁の職員が航行中に出入国管理手続きを行う場合、その費用を負担する義務を負う。

第60条 – オペレーターの責務

60.1 海上、湖上、河川上の国際港湾、国際空港、国際陸上ターミナルのオペレーターは、国家在留監督庁に対し、同庁がその職務を確実に遂行するための適切なスペースを提供する義務を負う。これには、国家在留監督庁および管轄の当局または事業体と連携し、旅客と乗務員の出入国管理手続きに必要な機能や技術、安全設備を備えた施設の設置に便宜を図る義務も含まれる。

60.2 オペレーターは、出入国管理、在留秩序および国家の安全に関する現行規範の確実な遵守にあたり、国家在留監督庁に協力するとともに、自己の施設内における同庁職員の通過を認める。

第61条 – 宿泊サービスの責務

61.1 宿泊サービスは、情報の登録およびサービス提供のため、外国人に対し、渡航書類または身分証明書の提示を求める義務を負う。

61.2 国家在留監督庁は、観光当局と連携の上、該当案件に関する情報の入手および伝達にあたり、規則で定められた措置を講じる。

61.3 不動産の賃貸人は、その性質や目的に関わらず、賃貸契約を締結する外国人、および、同一の不動産に居住し賃借人グループ の一部を構成する他の外国人に対し、在留状況を証明する文書の提出を定期的に要請しなければならない。

さらに、当該賃貸契約の責任者たる賃貸人は、国家在留監督庁(MIGRACIONES)に対し、同庁のデジタルプラットフォームを通じて報告する義務を負う。

(※61.3項は2023年2月15日公布の法令第31689号にて追加)

第4節 オペレーターおよび宿泊サービスの違反行為と制裁

第62条 – オペレーターの違反行為と制裁

以下の行為は罰金を伴う制裁の対象となる。

a. 本立法政令に定める義務の不履行。
b. 国際輸送手段が、国家在留監督庁により発出される規定を遵守していない場合。
c. 海上、湖上、河川上の国際港湾またはターミナル、国際空港、あるいは国内・国外からの到着施設のオペレーターが、国家在留監督庁の職務遂行にあたり便宜を図らない場合。
d. 国際旅客輸送サービスのオペレーター企業が、自社の乗務員として乗せる人員に関する情報を提供しない場合。

第63条 – 宿泊サービス所有者の違反行為と制裁

以下の行為は罰金を伴う制裁の対象となる。

a. 外国人に対し、その入国を許可する出入国管理文書を要請しない場合。
b. 国籍、生年月日、フルネームを記録せず宿泊施設を提供すること。
(2023年2月15日公布の法令第31689号にて次のように改定)
b. 国籍、生年月日、フルネーム、身分証明書番号または旅券番号を記録することなく宿泊施設を提供すること。
c. 前号に述べる記録または情報を国家在留監督庁に提出しないこと。(2023年2月15日公布の法令第31689号にて次のように改定)
c. 前号に述べる記録またはその情報を国家在留監督庁に提出しないこと。

第5節 制裁の執行について

第64条 – 在留に関する制裁の決定および執行

a. 強制退去および国外追放に関する制裁については、本立法政令の運用規則の規定に従い、国家在留監督庁の行政決議により正式に決定され、直ちに執行される。
b. 運用規則に定める条件および手続きに従い、家族の統一性、ならびに子供と青少年の最善の利益に関する原則を適用して、違反行為による明白で切迫した危機が認められる場合、国家在留監督庁は強制退去の執行停止を検討するものとする。
c. 外国人がペルー領土からの出国に応じない場合、国家在留監督庁は、当該外国人をペルー領土外に連れ出す輸送手段に関する適切な対策を講じつつ、警察当局を通じて、あるいは最寄りの出入国管理施設および/または国境管理施設により、強制的な出国を命じることができる。

第65条 – 強制執行

国家在留監督庁は、正規の規範に従い、課された制裁の履行を確実なものとするため、合理性の原則を適用する。この目的のため、国家在留監督庁は下記の手段を講じる権限を有す。

a. 強制執行
b. 補助的な執行
c. 強制的な罰金
d. 個人に対する強制

第66条 – 制裁権限行使の例外

未成年者、および絶対的無能力者は、出入国管理違反による制裁手続きや行政処分の対象とはならない。

末尾補足条項

その1 – 発効

本立法政令およびその規則は、公布の翌日に発効する序章と第1章を除き、2017年3月1日に発効する。

その2 – 立法政令の運用規則制定

内閣は、内務相と外務相の副署により、2017年3月1日までに対応する運用規則を公布する。

その3 – 電子外国人登録証

電子外国人登録証の導入および、その運用をサポートする技術的・機能的なインフラの構築を国益と宣言すること。

その4 – 協力の義務

ペルー国家警察(PNP)、国際港湾公社(APN)、民間航空総局(DGAN)は、国家在留監督庁の要請に応じ、本立法政令およびその運用規則の規定に従わない者が搭乗する輸送手段による出入国を阻止し、現行の国内法で定める期間、その者をペルー国内において拘束することができる。

その5 – 国家在留監督庁の組織と機能に関する規則の改定

国家在留監督庁は、同庁の組織および機能に関する規則を承認した大統領令第005-2013-INとその変更につき、本立法政令に定める条項に適合させた上で、歴日60日以内にその改定案を提出するものとする。

その6 – 賦課金の変更

内務省は、国家在留監督庁の提案を受け、歴日60日以内に、出入国に関する賦課金(外国人在留賦課およびパスポート料金)を本立法政令に含まれる規定に適合させる。この改定は、内務相および経済財政相が副署する大統領令により承認される。

その7 – 国家の安全保障

国家在留監督庁は、本規準に定める義務の遵守を確認する目的で、監査や統制を行うことがあり、そのために国家警察の支援を受ける。在留情報台帳(RIM)に含まれる情報については、現行規則の範囲において、国家安全保障または控除両側を脅かす可能性のある者の国際的な通行の探知および阻止、ならびに不正入国の手引きや人身売買、国際的な組織犯罪に関連する犯罪、テロやその他の関連活動に対する措置の実施の支援にあたり、在留情報台帳(RIM)に含まれる情報は、現行規則の範囲において、処理や分析の対象となることがある。

その8 – 資金調達

本規準の適用にあたっては、経済財政省による追加予算措置を必要とせず、年次予算法の枠内で、国家在留監督庁の組織予算により賄われる。

その9 – 賦課金の免除

国家在留監督庁は、弱い立場にある移民に対して賦課金を免除する。

その10 – 国家在留監督庁の公務員による犯罪

国家在留監督庁の公務員は、職務の遂行において犯罪を構成すると思しき事実を察知した場合、責任上、その事実の存在につき、上司に書面で報告する義務がある。国家在留監督庁の職員が、何らかの犯罪行為の遂行に加担した場合は、当該部門の検察官を通じて検察庁に報告するものとする。かかる刑事責任は、国家在留監督庁の公務員に対し、適用される可能性のある行政責任および/または民事責任を免除するものではない。

その11 – 移民問題に関する条約や協定への関与

ペルー外務省が管掌する、移民問題を取り扱う国際的な合意や条約において、国家在留監督庁は、在留当局としてそれらの交渉に参加する。

その12 – 新たな在留資格

内務相と外務相により副署された大統領令により、特定の活動を推進する目的において、新たな在留資格を制定することができる。

その13 – 在留の正規化

本規準の施行以前に制裁を受け、その制裁の発効から5年を経過した外国人は、その制裁の根拠が、滞留期間超過、入国手続きを経ない入国または経済力の欠如による非正規在留状態に起因する場合に限り、国家在留監督庁に対してペルーへの入国阻止の解除を申請することができる。この目的のための要件や手続きについては、内務相が副署する大統領令によって承認されるものとする。

単項 – 運用規則

行政府は、当令の定めに基づき、その公布日から起算し歴日30日を超えない期間において、立法政令第1350号「在留に関する立法政令」の運用規則を取り決めるものとする。
(※当項目は2023年2月15日公布の法令第31689号にて追加)

附則 – 経過措置

その1 – 在留資格または査証の種類の変更に関する手続きの調整

従来の法令に基づく在留資格または査証の種類または査証の変更に関し申請手続き中の外国人については、本立法政令に定める条項およびその運用規則に従い、国家在留監督庁が職権により、対応する種類の在留資格に適合させるものとする。ただし、本規準の発効前に承認を受けた移民の在留資格(inmigrante)を有す外国人は、本立法政令に基づき、永住者の居住在留資格(Residente Permanent)を獲得し、第32条32.2項の規定の適用を受けないものとする。

その2 – 外国人零細漁民に対する入国阻止の不適用

チリ共和国およびエクアドル共和国との海洋境界が画定される以前に、許可なくペルーの領海に侵入したために追放の制裁を課された零細漁民に対しては、互恵性の原則および国家在留監督庁の事前審査の適用により、必要に応じて実施される通達と内部手続きを通じ、入国の阻止を適用しないものとする。

その3 – 在留資格発行に関するオンラインシステムの稼働

国家在留監督庁は、在留資格に関するオンラインシステムを稼働させる間、現行手続きを適用するものとする。

附則 – 改定

公証人法の改定

立法政令第1049号「公証人法」第16条d)項および第54条d)項につき、以下のとおり改定する。

第16条 – 公証人の義務

公証人は下記の義務を負う。

a) 公証人が所在する地区において義務的に事務所を開設し、月曜から金曜まで少なくとも1日7時間窓口対応を行う。

b) 事務所外で職務を遂行しなければならない場合を除き、規定の営業時間内は自分の事務所に居ること。

c) 本法令、その運用規則および倫理規定に定める例外を除き、専門的なサービスを必要とするすべての者に対し、そのサービスを提供すること。

d) 関係者に対し、国民身分登録証(DNI)や在留関連規範に基づくそれぞれの有効な在留資格に加え、ペルー領土内で外国人の身元を証明する身分証明書または特定の渡航書類、ならびに、定型・定型外公正証書の発行および承認に必要な文書の提示を要請すること。

e) 職務上の秘密を守ること。

f) 本法令およびその運用規則を遵守すること。同様に、公証人委員会および公証人協会により与えられた通達、決議、要請、手数料、および責任を全うすること。

g) 遂行する職務内容に応じた永続的な資格を、所属する公証人協会に対して証明すること。

h) 公正証書や関連ファイルの最適な保管、および適切なサービスの提供を可能にする最低限の物理的インフラを備えていること。

i) 所属する公証人協会との相互連絡、国内外の商取引、および安全な電子政府に関する公証サービスの提供をを容易にする情報化、これらを可能にする最低限の技術インフラを備えていること。

j) 職務上も個人的にも、真実性、誠実性、客観性、公平性、迅速性、人権尊重、憲法および諸法令に関する原則に基づいた行動を心がけること。

k) 公証人協会の他の会員、公証人協会理事会、 ペルー公証人評議会、ラテンアメリカ公証人国際連盟との口頭または書面によるやり取りにおいて節度を保つこと。

l) 公証人協会および公証人評議会から依頼されたデータや情報を、テレマティクスや電磁的な方法を優先し、最新かつ恒久的な形で提供すること。同様に、法令で禁じられて限り、様々な国家権力が求め得る情報を提供すること。

m) 職務の遂行において、国内外の 投資に対し法で許されるすべての便宜を与えること。

n) 組織の役員に就いた場合は、その職務を全うすること。

ñ) 公証人協会、名誉裁判所、公証人評議会が指示する視察につき、対応する公証人事務所で受け入れ、便宜を図ること。

o) 公証人協会、名誉裁判所、公証人評議会、または金融情報局が指示する視察につき、対応する公証人事務所で受け入れ、便宜を図ること。

p) 関連する法令に従い、資金洗浄、テロ資金調達の防止に関するすべての規則を遵守すること。

第54条 – 序文の内容

序文には以下の事項が明記されるものとする。

a) 公正証書の発行地および発行日。

b) 公証人の氏名。

c) 依頼人の氏名、国籍、配偶者の有無、住所、職業に続き、依頼人が自己の権利で手続きを行う旨の記述。

d) 国民身分登録証(DNI)、関連する法令に従い外国人がペルー領土ににおいてその身分を証明するための特定の身分証明書または渡航書類、ならびに当該外国人に対し契約行為を許可する有効な在留資格とその種類の証明。

e) 他の者に代わり公証を仲介する者がいる場合は、その仲介者に権限を付与する文書の表記を伴うこと。

f) 依頼人の一人が公正証書作成に使用される言語を知らない場合は、通訳者を介在させる状況の表記。

g) 拇印とは別に、依頼人が非識字者か、署名の方法を知らないか、署名ができないか、盲目または能力が疑われるようなその他の障害を有す場合は、その依頼人が指定する者が仲介する状況の表記。証人が介在する場合は、当該仲介者に対し本法令に記す血縁関係による阻止は適用されない。

h) その公正証書が議事録を伴い作成されるか否かの表記。

i) 法令により必要とされるか、依頼人が要求するか、または公証人の判断により必要とされるあらゆる情報の表記。

附則 – 規範の廃止

廃止された規範

本規範の発効に伴い、外国人法を制定する立法政令第703号、外国人法を改定する立法政令第1043号、在留に関する立法政令第1236号、および本立法政令に対立するすべての規範は廃止されるものとする。

よって、ここに本立法政令を公布し、履行し、共和国議会に通知することを命ず。

2017年1月6日、リマの大統領宮殿にて

ペドロ・パブロ・クチンスキ・ゴダルド
ペルー共和国大統領

フェルナンド・サバラ・ロンバルディ
内閣首相

カルロス・バソンブリオ・イグレシアス
内務大臣

(ソース: El Peruano – Normas Legales 2017年1月7日公布)

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