地方クラフトビール市場 国内観光客が後押し

拡大し続けるペルーのクラフトビール市場。首都リマのみならず、国内の地方都市でも地ビールを扱うバーの数が増え始めているという。

「国内観光がクラフトビールの成長を支えています。以前ワラスのバーは私たちだけでしたが、今では6軒になりました」クラフトビールブルワリー、シエラ・アンディーナ(トップ写真)の創業者兼支配人のテッド・アレキサンダーは話す。

ペルー人観光客は外国人旅行者よりも忠実(※流行に左右されにくい)なので、この傾向はクラフトビールのビジネスにとって好ましいとテッドは説明する。「競争は激しくなっていると思いますが、クラフトビールに対する見識も広まっています。以前はそれほど注目されていませんでしたが、レストランが地ビールをメニューに加えようとする動きもあります」

クラフトビールブームの盛り上がりは大都市だけにとどまらず、シエラ・アンディーナでは地方部にも賃貸倉庫を構えることにしたという。同社は今年、アレキパとクスコに新店舗をオープンしている。クスコの店舗については、アグアスカリエンテスの観光地化が進んでいることが開業の決め手となった。「さらに、商品配達も内製化しました」とテッドは明かす。

計画と課題

「燃料費や原材料の高騰に為替変動も加わり、シナリオは複雑です」とテットは言う。このような状況だが、コスト上昇と同じペースで値上げを行うとビールの消費量が減ってしまうのだと打ち明けた。「販売プロセスの効率化 を追求しなければなりません」

シエラ・アンディーナは今年、アレキパへの新店舗オープンを含め合計5店舗になった。戦略の一環として同社は、商品配達のアウトソーシングを中止し、販売担当者に社内の人員を割いて、価格やサービス、顧客情報をより上手くコントロールするようにしている。

現在同社は売上の30%をスーパーなどの近代販路に頼っているものの、容器代が嵩み利益率は低くなっているという。「バーを始め、自社経営の飲食提供チャネルが私たちにとって最も重要になります」とテッドは付け加えた。

(ソース: Gestión 05/09/22)