Causa Rellena カウサ・レジェーナ

「ペルーのポテトサラダ」として知られるCausa Rellena(カウサ・レジェーナ)。『おうちでペルー料理』にお付き合い下さっている方なら、レジェーナが “詰まった(rellenar=いっぱいにする、満たすの形容詞・女性形)” であることはすでにご存知のはず。では質問。Causaはいったいどういう意味?

カウサとはスペイン語で “理由・原因・大儀” といった意味。ただのポテトサラダなのに、なんとも大層な名前です。

そのネーミングについて最も有力な説は、まさにスペインから独立せんとする1820年頃の話。兵士として従軍する男たちを支えるため、女たちは料理を作っては路上で売り、兵士たちの医薬品や衣類、食糧を買うための資金に充てました。いろんな料理があったでしょうが、安価で美味しいジャガイモが多く使われたであろうことは想像に難くありません。女たちは茹でて潰したジャガイモに塩とアヒ・アマリージョを混ぜ合わせ、「Por la causa!/(独立を勝ち取るという我々の)大義のために!」「Por la causa limeña!/リマ市民としての忠義のために!」と声をかけながら道行く人に協力を仰ぎました。だからカウサ、なんですね。

それから200年の時が過ぎ、カウサはクリオージャ料理を代表する料理のひとつとなりました。美しくデコレーションされたカウサは、自らの手で独立を勝ち取った勝利の証。魅惑の具材をたっぷり挟んで、美しく滑らかに仕上げましょう。

【材料】直径9cmのセルクル 2つ分

  • パパ・アマリージャ、またはホクホク系ジャガイモ 3個(300~350g)
  • アヒ・アマリージョペースト 大1
  • レモン汁 大2/3~大1
  • オリーブオイル 大2~3
  • 塩コショウ 適量

フィリング:鶏むね肉、パルタ(アボカド)、マヨネーズ、レモン汁、茹で卵、ブラックオリーブ、アヒ・アマリージョ、塩コショウなどお好みで

¡新食材! 】papa amarilla(パパ・アマリージャ)について

“黄色いジャガイモ” の名の通り、鮮やかな色合いが特徴。小ぶりででんぷん質が多く、加熱するとほろほろと崩れるほど粉っぽい仕上がりになります。キメが細かくカウサやプレ(ピューレ)にもってこい。またフライにするとホクホクで最高!

火の通りが早くすぐ煮崩れてしまうため煮込み料理には向きませんが、スープに濃度をつけたい時はかえって便利。日本の “インカのめざめ” は、このパパ・アマリージャを含むsolanum phurejaという品種とアメリカ産品種を掛け合わせたものとのことなので、より本場らしくという方はインカのめざめで作ってみてくださいね。

【作り方】

1、ジャガイモを柔らかくなるまで茹で、温かいうちに皮を剥き丁寧にマッシュする。

2、1に塩コショウとアヒ・アマリージョペースト、レモン汁、オリーブオイルを加え、よく混ぜ合わせる。使用するジャガイモや残っている水分によってレモン汁やオリーブオイルの量を調整して。とにかく滑らかに、軽く丸めた時にひび割れするようなら更にオイルを追加しよう。

3、フィリングを準備する。鶏むね肉を茹でて細かく裂き、マヨネーズと塩コショウで和えて味を調える。パルタを薄くスライスし、変色防止のためレモン汁をかけておく。茹で卵をスライスするか、白身の部分を細かくおろす。アヒ・アマリージョを小さく刻む。ブラックオリーブをスライスしておく。

4、お手持ちの型(今回は直径9cmのセルクル使用)の内側に軽くオイルを塗り、型の1/3の高さまでカウサの生地を詰める。スプーンで隅まで丁寧に押し込み、上部を平にする。

5、4にスライスしたパルタとマヨネーズで和えた鶏肉を詰め、その上にカウサの生地をかぶせる。スプーンを使って上部を平にしてから具材を乗せると、美しく仕上がる。

6、セルクルをそっと抜き取り、上にパルタや茹で卵などでデコレーションしたらできあがり。

【ロコトバージョン】

1、マッシュしたジャガイモに、茹でるかレンジ加熱してミキサーにかけたロコトとレモン汁、オリーブオイルを加えてよく混ぜる。ロコトは一度に入れず、辛さを調節しながら少しずつ加えて。赤味を出したいけれど辛いのは嫌という人は、アヒ・パンカペーストに置き換えてもいい。

2、内側にオイルを塗ったセルクルにロコト入りのカウサ生地を詰め、スライスしたパルタと茹でてオーロラソースで和えたエビを乗せ、その上にもう一度カウサの生地を丁寧に詰めたら出来上がり。こちらもお好きなデコレーションで楽しもう。

【Keikoからのひとことアドバイス】

カウサは舌触りの滑らかさが命。滑らかに仕上げるコツは、ジャガイモを丁寧にマッシュすることと、オイルを躊躇せず加えること!カウサを作る時はカロリーのことは忘れて、ただひたすら滑らかさを追求しましょう(大さじなんか使わず、ボトルからドボドボとオイルを加えるのがペルー流)。

カウサの具材で人気なのは、茹でて裂いた鶏肉、ツナ缶、茹でたエビやカニ肉など。セビーチェを乗せたCausa Acevichada(カウサ・アセビチャーダ)なども人気です。ベジタリアンにはエンサラーダ・ルサのような茹で野菜のマヨネーズ和えを挟んで。いずれにせよパルタ(アボカド)は絶対お忘れなく!

またカウサの生地に茹でたビーツの色素やホウレンソウ、クラントロ(コリアンダー)などを混ぜ込んでカラフルに仕上げても楽しいです。みんなで切り分けられるようロールケーキ状に仕上げたり、一口大のボール状に丸めてピンチョスにしたり。ペルーのポテトサラダを自由に楽しんでくださいね。

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