キャプテン・フリオよ、永遠に

先日、たまたまミラフローレスの警察署の前を通った。「何かのネタに使えるかもしれない」と警察署をパチリ。その時目に入ったのが、壁に貼られた「2018年あけましておめでとう」というポスターだ。

おめでとうたって、あんた、もう4月ですぜ?と思ったが、そこに犬の銅像があったのですぐ合点がいった。今年は戌年。きっとこの銅像のわんこに対するhomenaje(敬意)に違いない。

キャプテン・フリオと呼ばれたこの警察犬は、忠実でとても優秀な犬だったらしい。犯罪捜査はもちろん、警察のイベントや独立記念日のパレードにも参加していた。2014年の暮れにその生涯を閉じたが、その死は多くのリマ市民に惜しまれた。

もともとは野良犬だったが、町を徘徊していたところ偶然リンセ区警察署の上官に拾われ、厳しい訓練を乗り越え警察犬として活躍。2012年にはついに“キャプテン”の称号まで獲得したキャプテン・フリオ。そういう思いっきりラテン的なシンデレラストーリーの主役であったことも、彼が愛された理由なんだろう。

とはいえ「いくら戌年だからってなんかやらせっぽくて嫌だなぁ」と思って調べてみたら、2015年末にも似たようなポスターが貼られたらしい。ただその時は「Feliz Navidad y próspero 2016(クリスマスと2016年おめでとう)」だった。それが本来あるべきメッセージだよね?クリスマスを祝わない年末年始の祝辞なんて、カトリックの国ペルーとしてはやはりどこか間が抜けている。中華資本はペルー警察にまで伸びている?やっぱり何か意図的なものを感じるわ。

何はともあれ、リマの治安を守ってくれたわんこの思い出を大切にするのは悪いことではない。残念なくらい顔が似てないけど、そこもペルー的ご愛敬。キャプテン・フリオ、天国で安らかに。これからもリマ市民を見守ってね。