本日の栄えある第一号に

スーパーWongのサービスの1つに、毎朝の開店時にスタッフがお客様を拍手で迎えるというのがある。こんなこっぱずかしいサービスを誰が考えたのかと思うが、ペルー人には好評のようだ。しかもその日の入店第一号には、ちょっとしたお菓子をプレゼントするという徹底ぶり。市内全店でこれを毎日やるのだから、ほんと凄い。

こうしたサービスがあると、必ず出てくるのが「この栄えある第一号にどうしてもなりたい」という人だ。ある日私が目撃したセニョーラもそのクチで、8時半のオープン直前にほかのお客さんを押しのけ、シャッターの前に割り込んでしまった。慣れた手つきで赤いロープをほどき、お菓子をゲット。スタッフの笑顔と拍手に囲まれながら意気揚々と入店する様は堂に入っており、彼女のこれまでの歴戦ぶりを彷彿とさせる。

また別の日の朝にWongへ行った。この日シャッター前にいたのはセニョールだ。ほかのお客さんとにこやかに会話しつつ、「私はもう15分も待っているんです」と“自分が一番”をアピール。あのセニョーラのように他人の不意をつくのではなく、周囲を静かに威圧するタイプらしい。

Wong

8時半になり、そろそろとシャッターが上がり始めた。セニョールはシャッターをのぞき込みながら中のスタッフに声をかけ、ここでも“自分が一番”をアピール。これで前後をしっかり押さえ込んだという訳だ。あとは件のセニョーラと同じ。慣れた手つきでロープをほどき、お菓子を受け取って、勝利の余韻に浸りながら店内に消えていった。

セニョールの背中を生暖かい目で見送った後、ほかのお客さんたちと一緒に私も入店。両側に立つスタッフの笑顔。「おはようございます!」という明るい声と温かな拍手。恥ずかしいけれど、悪くはない。

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