at home TIME リマの高層アパート建築問題について

9月20日(水)アットホーム(株)の月刊誌「at home TIME」No.502号「World Report」に 「サステナブル建築」、住民が猛反対 が掲載されました。

久しぶりのアットホームさん。今回は最近リマ市内に増えてきた、高層アパート建築に関する問題を取り上げてみました。リマ市は区ごとに建物の高さ制限が設けられており、商業地と低層住宅地、その他の地域で建物の高さの上限が決められています。例えば私が暮らす地域は低層住宅地なので、ゆったりのびのびとした雰囲気の中で暮らすことができています。最新の高層アパートも魅力的ですが、やっぱり青空が見えたり、室内から街路樹の青々とした緑を眺められる程度の高さというのは落ち着くものです。

ところが最近、我が区に8階建てのアパートが増えてきました。不動産販売業者に尋ねてみると、「エコアパートだから大丈夫なのよ」との答え。いくつかの条件をクリアして区から「サステナブル建築物」と認められたら、8階までの建築許可が下りるのですが、これまで4~5階しかなかった地域に8階建てというのはインパクトがあり、住民は反対運動を起こしています。

また低所得者向けの“社会住宅”として建築許可を得ておきながら、実は高級アパートだったという問題も噴出中。安価な住まいを大量に供給するという目的から、社会住宅の場合は高さ制限が緩くなるという点を悪用したもので、低層住宅地なのに20~22階建ての高級アパートを建築しようとするデベロッパーが後を絶ちません。

ただでさえリマは上下水道や電力供給などの生活インフラが脆弱なのに、住人が急増したら大変なことになるでしょう。明らかに違法性が認められた場合は建設許可がはく奪されるでしょうが、すでに投資を始めたデベロッパーが大人しく引き下がるとも思えず、この問題は長期化しそうな予感です。