ペルーの農産品 収穫後の食品ロス約35%

貧困の拡大や肥料不足によりペルーの国民はますます食糧難のリスクにさらされているが、その一方で、市場供給向け主用農産品のおよそ35%が途中で失われているという。

この数値は、農業灌漑省(Midagri)農業政策局のリゴベルト ・コイコ局長により、食品の損失および廃棄の削減と防止を推進する法令 (第30988号) の適用にあたり、その進捗状況につき理解を深める目的で招集された、国会飢餓撲滅委員会の会議で発表されたもの。

同法令では食品ロス(pérdida de alimentos)について、サプライチェーン全体、特に生産、ポストハーベスト、貯蔵、輸送の各段階で食用農産品の量が減少すること、と定義している。

食品ロスの研究

コイコ局長は、ジャガイモ、トマト、豆類、黄色トウモロコシ、バナナなどの生産チェーンにおける食品ロスの定量化について、国連食糧農業機関(FAO)の支援を受け、すでに国内で研究が行われていると説明。収穫から最終消費者の手に至るまで、食用農作物の食品ロスは生産チェーン全体で約35%におよぶと指摘する。

食品ロスの原因

ペルーのFAOプロジェクトコーディネーター、フェルナンド・カストロは、食品のロスや廃棄には様々な要因があげられるが、そのひとつは化学物質の過剰使用のような耕作地における悪習に由来すると説明した。

同氏は、化学物質を使いすぎると(一度収穫した)食べ物が通常よりも早く劣化してしまうと話す。また、インフォーマルな輸送業者により多くの農産品がむき出しのまま運ばれるなど、物流チェーンの悪い慣習も原因の一つと注釈した。

さらに同氏は、大量の農産品ロスは同じ市場内で(他の農産品への)汚染を引き起こし、そのことが消費者に対する食品の品質低下や供給量の減損につながっていると述べた。

このような状況にもかかわらず、「食品の損失および廃棄の削減と防止を推進する法令」の運用細則施行(2020年を想定)に関与すべき政府の各部門により、この課題の進捗状況が未だ報告されていないことを、農業灌漑省の複数官僚が国会飢餓撲滅委員会の席上で認めている。

(ソース: Gestión 14/09/22)