Mondonguito a la Italiana モンドンギート・ア・ラ・イタリアーナ

ペルーのハチノス料理における東の横綱がカウカウ・デ・モンドンゴなら、西の横綱はこのmondonguito a la italiana(モンドンギート・ア・ラ・イタリアーナ)。「イタリア風」の名が示す通り、イタリアで愛されるトリッパ由来の料理です。

モンドンギート・ア・ラ・イタリアーナ(以下:モンドンギート)の魅力は、手早くささっと作れるところ。本場のトリッパはトマトソースで何時間も煮込むそうですが、ペルーのそれは、フライドポテトさえ準備してしまえはあとは基本混ぜるだけ。カウカウ同様、リマにはすでに下処理済み&細長くカットされたモンドンギート用のモンドンゴが売られているので、家での下茹でも1度で十分です。消臭効果の高いイエルバブエナ(スペアミント)がいい仕事をしてくれます。

SNSに「カウカウとモンドンギート、どっちが好き?」なんていう投稿があると、「僕はカウカウ!」「私は両方~」などと盛り上がるほど、地味に人気の一品。華やかな料理もいいけれど、こういう何気ない家庭料理をどんどんご紹介してきたいですね。ちなみに私はトマトベースのモンドンギートのほうが好み・・・かな?でもカウカウも好きだし、ああ、やっぱり決められません(苦笑)

【材料】2人分

  • モンドンゴ(ハチノス) 200g
  • タマネギ 1/2個
  • ニンニクのすりおろし 大1/2
  • アヒ・パンカペースト 大2
  • トマト 1個
  • トマトペースト 大1
  • ニンジン 1/3本
  • イエルバブエナ(スペアミント)2~3枝
  • カルド・デ・モンドンゴ、または水 200ml
  • 白ワイン 大2~3
  • オンゴス・セコス(乾燥キノコ)2~3かけ
  • ローレル 1枚
  • グリーンピース 1/4カップ
  • 塩コショウ、クミン、オレガノ、ペレヒル(イタリアンパセリ) 適量
  • オプション:パルメザンチーズ 少々

【作り方】

1、鍋に湯を沸かし、よく洗って余分な脂や粘膜を取り除いたモンドンゴとイエルバブエナを入れ茹でる。モンドンゴが柔らかくなったらカルド・デ・モンドンゴ(茹で汁)と別けて取っておく(イエルバブエナは破棄する)。塊のモンドンゴの場合は、長さ4~5cm、幅1cmにカットしておく。

2、ジャガイモの皮を剥いて拍子切りにし、水にさらす。水気をよく拭いて油で揚げ、フライドポテトを作っておく。

3、タマネギをくし切りに、トマトは種を取ってタマネギと同じ大きさのくし切りにする。ニンジンは5mm幅の細切りにしておく。

4、アデレソを作る。鍋に油を敷き、ニンニクとアヒ・パンカペーストを入れて炒める。そこにトマトピューレを入れ、塩コショウ、クミン、オレガノを加えたらアデレソのできあがり。

5、アデレソに1のモンドンゴと白ワインを入れ、アルコールを飛ばすようにさっと混ぜ合わせる。そこに3のタマネギとニンジン、カルド・デ・モンドンゴ、オンゴス・セコス、ローレル、グリーンピースを入れ、蓋をして煮込む(ニンジンが太い場合は、先に下茹でしておいたほうがいいかも)

6、5のニンジンに火が通ったらくし切りのトマトとフライドポテトを加え、全体を混ぜ合わせる。ローリエを取り除き、塩コショウで味を調え、仕上げに刻んだペレヒルを加えてできあがり。皿に盛り付け、パルメザンチーズを振って頂こう。

【keikoからのひとことアドバイス】

モンドンゴはトマトとの相性抜群。トマト風味をより強調したい方は、トマトやトマトペーストの量をもう少し増やしてもいいかもしれません。ただフレッシュトマトを多くするとどうしても酸味が強くなるので、砂糖を少し加えるなどして調整してください。

それにしてもペルーのモンドンギートって、ロモ・サルタードに似ていませんか?もしかしたらイタリア移民が伝えた当初は “トリッパのトマト煮” だったけれど、ロモ・サルタード人気やその美味しさに感動したペルー人が、「牛肉は高いから、モンドンゴに置き換えたらいいんじゃね?」とアレンジしちゃったのかも。だってトリッパとトマトの “シンプルな” 煮込み料理って、どう考えても “足し算の料理” が大好きなペルー人の好みではないですから。

あくまでも私見であり何の根拠もないのですが、ペルー料理を作れば作るほど出てくる疑問についてあれこれ考えをめぐらすのは、私にとって料理をするのと同じくらい楽しい作業。勝手に考えて勝手に納得して、ひとりでムフフと楽しんでおります。