ペルーのアニメーション輸出 在宅ワークが後押し

“Piratas en el Callao(カリャオの海賊/2005年)”からシーアのミュージックビデオ”Hey Boy(2021年)”まで、一歩一歩着実に前進してきたペルーのアニメーション産業。リマのグラフィックデザイン専門校トゥールーズ・ロートレックによると、コロナ禍でその歩みが加速したようだ。

トゥールーズ・ロートレックのデザイン・ビジネス・イノベーション部門アカデミックディレクター、クラウディオ・オルバレスは、パンデミック下のリモートワーク志向により、国内で海外向けのアニメーションコンテンツを制作するペルー人が増えたと話す。

また、今日では多くのペルー人アニメーターが内外のプロジェクトで働いていると前置きした上で、「これらのサービスの輸出は、オンラインコンテンツの普及でパンデミック以前よりも伸びています」と述べ、ペルー国内における今年度の業界売上高1000万米ドルのうち65%は輸出によるものと注釈した。

さらに、国内のアニメーション市場には大手のプロダクションが4~5社あり、国際的な企画を受注してペルーで制作を進めることが多いと説明。アニメーションコンテンツの主なターゲットは米国やカナダであり、「ペルーは域内でも多くのアニメーション映画を手掛けている国です」と語った。

Sia – Hey Boy feat. Burna Boy (Official Video)

広告業界やゲーム業界との連携

顕著な実績はあるものの、ペルーのアニメーション業界は近隣諸国に比べ国内市場の規模がまだ小さく、市場拡大には映画よりも広告の製作がメインになるとオルバレスは認識している。

また、国産アニメーションによるビデオゲーム業界の成長促進効果にも言及。「アニメーションや映画のプロダクションが実際にゲーム制作会社と連携し、共同でプロジェクトを手掛けるケースを始め、このような取り組みが進みつつあります」と強調した。

(ソース: Gestión 14/06/22)