ペルーの国内移住先 Madre de DiosやTacnaが人気

ペルーで50年ほど前から起きている社会現象のひとつに、出生地以外への常態的な人口移動が挙げられる。州や地方を跨ぐ国内移住には地域差こそあるものの、国立情報統計庁(INEI)が実施した2007年と2017年の国勢調査を比較すると、その割合は10年間で7.4%から7.1%まで0.3ポイント減少している。

2017年度国勢調査のデータ(下表参照)によると、人口1000人当たりの移住者が最も多い州はマードレ・デ・ディオス(10.4人)で、過去の国勢調査(2007年度/17.9人、1993年度/18.7人)との比較では減少が見られる。また、タクナ(6.9人)やアレキパ(5.8人)も国内移住者にとって魅力的な地域となっている。

人口1000人当たりの州別国内移住者数(転入・転出)

州名国内移住者数(人口1000人当たり)
マードレ・デ・ディオス10.4
タクナ6.9
アレキパ5.8
リマ4.7
モケグア2.9
イカ2.7
ウカヤリ2.5
カリャオ特別州2.0
ラ・リベルタ0.1
トゥンベス0.0
サン・マルティン-1.0
ランバイエケ-1.9
クスコ-2.1
ピウラ-2.2
フニン-2.7
アヤクチョ-3.5
アプリマック-3.6
アンカシュ-4.2
ワヌコ-4.5
プーノ-4.8
アマソナス-5.6
パスコ-7.8
カハマルカ-8.8
ロレト-10.5
ワンカベリカ-14.4
INEI国勢調査2017/DAM*ベース統計による

過去の調査で転出超過地域とされていたイカ州(2007年度/-1.0人)は今回転入超過(2017年度/2.7人)に転じた。一方、サン・マルティン州は逆に転出超過(2017年度/-1.0人)へと変わった。

INEIの報告書では、移住者の割合が一定の傾向で変動する理由として、民間および公共投資、労働市場、特定の地域政策(特に植民地化計画、環境保護、先住民の救済に関連するもの)のような表面化しない要因が進行している可能性を挙げている。

地区間の移住

他にも2007年から2017年にかけ、地区(distoritos)間の移住者が11.8%から12%に微増していることが明らかになった。転出超過地区の数は2007年度が1833地区中1398地区(76.3%)、2017年は1874地区中1441地区(76.9%)で、この10年間で若干増加している。また、ほとんどの行政区においては、国内移住により男性の比率が高まる傾向にあることが分かった。

移住による高等教育層の増加

INEIによると、国内移住が25歳以上における高等教育修了者の比率増加につながっていることが検証されたという。「これは、今回の研究で最も印象的かつ示唆的な所見のひとつです。20世紀には社会経済的な後進地域が国内に存在し、そこから熟練した人材が他の地域に流出したため、移住による真逆の影響があったのです」

このように、かつてはアンデスやアマゾン地域で移住による高等教育層の相対的な低下が見られていたものの、2017年度の調査では複数の地域で同層が人口の3%を超えているとした。

(ソース: Gestión 25/05/22)

※DAM

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