ペルーに「パンの首都」誕生

ペルー政府は6日、クスコ州キスピカンチ郡のオロペサ地区をペルーにおける「パンの首都」と定める法令第31389号を官報にて公布した。

同令では、オロペサの伝統的なパン作りに文化的価値を見出すことを「パンの首都」制定の目的と位置づけ、教育省やクスコ地方政府、同自治体と連携の下、文化省がペルー建国200周年の枠組みにおいて啓蒙活動を行うとしている。

オロペサのパンとは?

オロペサに先祖代替伝わる製法で作られる、クスコ州近辺では誰もが知るパン。大きな丸い形をしたパン「チュタ(トップ写真)」が特に有名で、土産として購入していく旅行者も多い。

オロペサでは、全人口の85%に相当する3000人以上の住人が何らかの形でパン作りに従事しているとされ、大型のチュタ(chuta)を始め、レヒージャス(rejillas)やモジェーテス(molletes)、ウローネス(hurones)などの手作りパンで知られている。

地元のパン職人によると、霊峰パチャトゥサン由来の天然水を使い、ひとつひとつのパンに聖女カルメン(la Virgen del Carmen)とパン屋の幼子※(el Niño Panadero)の祝福を込めているのがその味の秘訣だとか。

オロペサではまた、古くからの習わしに従い、村で死者の出た日にはパンを作らないそうだ。これは、死者の魂がパン生地の発酵を妨げるからだと言われている。

オロペサってどこにあるの?

オロペサはクスコ市街から南東22kmに位置する標高3320mの村。バロック様式の尖塔や内部の宗教画が美しい石造りのサン・サルバドル教会でも有名。インカの聖なる水の遺跡「ティポン」はオロペサから北へ約7km。

(ソース: Andina 06/01/22)

※パン屋の幼子(オロペサの伝説上の人物)

村で働くパン職人たちのパン作りや販売を手伝う一人の男の子がいた。ある時、一緒に遊んでいた村の子供たちに売り物のパンをタダで分け与えてしまう。職人たちにパンの売上を問いただされた男の子は、事情を説明。彼らが男の子を𠮟ろうとすると、奇跡のごとくその場に無いはずの売上金が現れたという。不思議なことに村人は誰もその男の子の素性を知らず、男の子は村から姿を消してまう。村人たちは後日、聖女カルメン(聖母マリアと同義)の祭典が行われた際、聖女の像に抱かれた幼子(おさなご)イエスの顔が、パン売りの男の子そのものであることに気付くのであった。