コロナ時代の一時帰国 準備編 その1

一時帰国を決めたら、まずはフライトの予約だ。今回は価格の手ごろさと羽田便があること、変更手数料無料などの理由からユナイテッドを選んだ。ただしコロナ禍の今は運休・減便・時間変更などが頻繁に行われるし、実際我が家もキャンセルの憂き目にあってしまった。また出国に必要な検査や規制も変更される可能性があるため、あまり早期に予約するのはお勧めできない。

次は自主隔離の宿探しだ。私は自炊をしたかったのでホテルは却下。そこで一時帰国者を対象とした宿泊施設斡旋会社を検索し、何社かに問い合わせてみた。こうした業者のメリットは、コロナ禍での一時帰国者の扱いに慣れていることだ。フライトの欠便や空港での検査結果が陽性の場合はキャンセル料無料、空港から宿泊先までの送迎サービスが含まれているケースも多い。デメリットは物件数が限られていることや、自分で物件を自由に検索できないこと、人数に応じて追加料金が発生するため家族単位の場合は予想以上に費用がかかることなどだろう。

もうひとつ不親切だと思ったのは、多くの業者が「14日間滞在プラン」と題して料金を載せていること。隔離期間は入国日の翌日からの起算なので、実際には15泊16日となる。問い合わせの時点でわざわざ1泊分の追加料金を請求してくるくらいなら、最初から「15泊滞在プラン」と表記すべきでは?そもそも日本の省庁が「14日間」と表記するから、誤解を生むことになる。

そんなことから今回はAirbnbを利用した。時節がら価格は頻繁に変更されるようで、我が家はラッキーなことに通常宿泊料金の約半額でレンタルすることができた。また私が選んだ宿泊先は検査結果が陽性の場合、証明書を提出すれば全額返金してくれるという。オーナーによってキャンセルポリシーが違うと思うので、そのあたりは事前に確認しよう。

空港から宿までの移動は業者による送迎サービスを利用するほか、レンタカー、検疫所が用意する無料の周回バス、コロナ対策を施したハイヤーの中から選択する。できるだけ出費を抑えたいなら、周回バスの停留所から徒歩圏内の宿を予約するといい。ただしこの時代に大きなスーツケースを街中で引きずる勇気があれば、の話。イバラの道を数分歩いただけで羽田から23区内へのハイヤー代(約15000円)が浮くと思えば、チャレンジのし甲斐はある?

ハイヤーの料金表を見ると、東京を中心に東は福島県、北は長野県、西は愛知県の間に実家があるなら、わざわざ都内で隔離するより一気に帰宅したほうが安上がりのようだ。家族が温かく迎えてくれるなら、無理に単身で隔離する必要もない。ただ長時間のフライトで疲労がたまっている上に、さらに数時間もハイヤーに乗るのは辛いだろう。疲労がたまると防疫への意識もおろそかになる。せっかく必死の思いをして帰国しても日本到着後に感染しては元も子もないし、たとえ国内で罹患しても、一時帰国者の場合「海外から持ち込んだ」と言われるのがオチだ。それぞれの考え方や懐事情があるだろうが、すべてが必要経費だと思って無理のないスケジュールを組んで頂きたい。