真夏のリマの牛乳屋さん

「チリンチリンチリンチリン・・・モ~ モ~」軽やかな鈴の音に続いて、のほほんとした牛の鳴き声が聞こえてくる。最初はてっきり、乳幼児のためのオモチャの音かと思っていた。きっと「みんなの牧場」とかそんな名前の、一度ボタンを押したら停止させるまで延々と同じ音を垂れ流すオモチャなのだろうと。ところがさにあらず、その主はなんと牛乳の路上販売だった。

その牛乳屋は保冷ボックスを積んだミニバンやバイクではなく、この炎天下の中スーパーのカートを押しながらどこからともなくやってきた。例の「チリンチリン」の音源である黒いスピーカーを取り付けたカートには、白くて丸い大小のプラスチック容器が2つ。大きいほうには牛乳が、小さいほうにはチーズやマンハールブランコが収められているらしい。


牛乳は量り売りで、買いたい人は自宅にある空き瓶などに入れてもらうというエコシステムを導入していた。ただ注文の度にプラスチック容器の蓋を開け、中に計量カップを突っ込んで移し入れる様子はとても衛生的とは思えない。計量カップを素手で触らないよう手にビニール袋をかぶせてはいるが、作業後は計量カップもそのビニール袋も一緒にまとめてその辺にぽんっ。うーむ、その辺りの詰めの甘さがやはりペルーである。

それでもなかなか人気のようで、誰かが買っていると他のアパートからも声がかかる。うちの周辺だけでも2~3軒が購入していたし、「次回は〇〇チーズをお願い!」などという注文も入っていた。「うちの牛乳は国立ラ・モリーナ農業大学から仕入れてるんです。だからすっごくフレッシュですよ!」とはセニョールの言。しかし販売方法がな~。フレッシュとか言われてもサンサンと輝く太陽がな~。

スーパーのカートにスピーカーではまったく風情はないが、昔ながらの牛乳屋さんはきっとこんな感じだったんだろう。再ロックダウン真っ最中のリマで、インフォーマルに精を出す逞しきペルー人たち。本来なら緊張感満載のはずだが、どこまでものほほんとした夏の午後だった。

ペルーパンデミック328日目

ペルー保健省発表2月4日COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 1173045人(前日比+7993)
  • 死者数累計 41933人(+180)
  • 既検査数累計 6533783件(+42662)
  • 陽性率 17.95%↑
  • 死亡率 3.575%↓
  • 入院患者数 13493人(-8)
  • 上記の内ICU患者数 2010人(+57)
  • 回復患者数 1086643人(+17514)

直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 2月4日 7993人(180)
  • 2月3日 6715人(215)
  • 2月2日 8573人(184)
  • 2月1日 7048人(173)
  • 1月31日 4477人(155) 
  • 1月30日 5217人(169)
  • 1月29日 7147人(171)
  • 直近7日間平均 6738.6人↑(178.1↓)
  • 直近7日間の陽性率 16.64%↑ ※累計比
  • 直近7日間の感染者数合計 47170人↑(前日比1803↑)
  • 直近7日間の死者数合計 1247人↓(前日比-22↓)

(ソース: MINSA 2月5日)