クスコのレストラン コロナ禍で事業継続模索

地域経済を高い割合で観光業に依存するクスコ州では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うセクター経済活動再開の遅延から、未だ出口の見えないコロナ禍への適応を余儀なくされている。

レストラン・ホテル業界ではこの数か月、デリバリーサービスの促進に向けた同業者団体の設立に加え、企業経営のデジタル化を通じセクター競争力の強化を図るための教育訓練や講座、ウェブ会議などが行われてきたとクスコ商工会議所のファルファン会長は話す。

「レストラン業界は委員会組織のおかげで活動を続ける方法を見出すことができました。ホテル業を営む多くの企業同様、大半のレストランではオーダーの多いメニューのみに絞ることでコロナ禍に適応してきました。いずれのケースも、地域住民の需要に答えるリーズナブルな価格での商品提供へと焦点を変えています」

会長はまた、アルマス広場(写真)周辺に位置する有名レストランの中には、デリバリー営業にあたり現在の店舗を閉め、より賃貸料の安いエリアに移転するケースが複数見られると明かした。

ホテル業界については、大半が閉館し政府の救済プランによる保護を求めているとした上で、これらのホテルはいまだ倒産に至ってはいないものの、貸主との交渉が困難を極めており状況の改善が待たれると説明。

「経営問題についてわれわれを支援すべく、複数の大手ホテルチェーンによるコンタクトが始まっており、これに伴い業界団体も強化されつつあります。いくつかのチェーンでは業態を変更し、デリバリーサービスを伴うデジタルビジネスへの参入を開始しています」と会長は解説した。

地域経済活動の再開

地域の経済活動に関しては、2.5%に迫るCOVID-19の死亡率(かつては1%程度)と医療用酸素プラント不足が再開のネックと会長は訴える。

「われわれを含め、様々なセクターがウイルス封じ込めに際しあらゆる手を尽くしているにもかかわらず、これらの理由で不安が生じています。われわれはクスコを安全な街にしなくてはなりませんが、今はとても難しい状況です」

会長にとって、クスコ地域経済再生の大部分は、アントニオ・ロレーナ病院やチンチェーロ国際空港、クスコ市自動車専用道などの公共事業にかかっているようだ。

「地域経済の活性化に向け、中央政府および地方政府と共に進めているプロジェクトが3件あります。さらに、国内南部天然ガス普及事業の契約締結で大量の雇用が見込まれています。これらの事業はコロナ禍でクスコが生き抜くための中期的な支えとなるでしょう」

マチュピチュ村

マチュピチュ村(旧アグアス・カリエンテス)の現況につき会長は「見捨てられた村のようだ」と述べ、経済活動の98%が観光関連セクター頼みの同村には政府による緊急支援が必要との見方を示している。

一方、ベルモンド社南米部門営業部長のダニエラ・バヨナは、クスコ⇔マチュピチュ間の鉄道を運行するペルーレイルの事業再開計画に言及。第1段階のターゲットは南米を始めとする近隣国市場で、その後来年の第2四半期までに北米、欧州へと拡大する予定と伝えた。

なお、地域の観光振興目的から、ペルー人観光客にはすでに国内向けの料金と条件が適用されていると注釈した。

(ソース: Gestión 27/08/20)

ペルー国家緊急事態発令165日目

8月26日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 621997人(前日比+8619)
  • 死者数累計 28277人(+153)
  • 既検査数累計 3089459件(+33609)
  • 陽性率 20.13%↑
  • 死亡率 4.546%↓
  • 1日の検査数 33609人(+10503)
  • 1日の感染者数 3329人(-2667)※当該日以前の感染者5290人を除く
  • 1日の陽性率 25.64%↓( 9.91%↓)※カッコ内は当該日の感染者のみ
  • 入院患者数 12871人(-180)
  • 上記の内ICU患者数 1526人(+14)
  • 回復患者数 429662人(+7785)

過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 8月26日 8619人(153)
  • 8月26日 5996人(123)
  • 8月25日 6944人(188)
  • 8月24日 6112人(150)
  • 8月23日 9090人(210)
  • 8月22日 9169人(208)
  • 8月21日 9008人(211)
  • 直近7日間平均 7848.3人↓(177.6↓)
  • 直近7日間の陽性率 26.72%↓ ※累計比

(ソース: MINSA 8月26日)