南米初の感染確認と、ペルー産マスク

昨日スーパーの衛生用品コーナーで、ペルー産マスクを見つけた。そりゃペルーにもマスクくらい売っているだろうが、医療関係者以外マスクをつける習慣がなく、しかも “公式には” 新型コロナウイルスの感染例がまだない国ではやはり身近でない。世界最大手のP&GをもじったようなR&Gという社名が、なんともペルーらしくて微笑ましい。

でもそのパッケージになぜか違和感が・・・なんとこのモデル、マスクの向きを間違えているではないか。サージカルマスクはひだの向きを下にせねば意味がない。しかも箱は封をされておらず、上蓋が簡単に開けられるようになっている。案の定、いくつかの箱には蓋を開けられた形跡があった。これじゃマスクをつける前に雑菌に感染しそうだ。やっぱり薬局で買うほうが安心かしら。いずれにせよ、ペルーはまだこんなのんびりした状況である。

その夜、リオのカーニバルで最高潮を迎えるブラジル(といってもサンパウロだが)で、イタリア・ロンバルティア帰りの61歳男性の新型肺炎感染が確認された。カーニバルに際しアジア人対策はしていたようだが、イタリアからなんてブラジル政府は想像だにしていなかっただろう。北米が中国人をブロックしていることもあって、これまで比較的守られてきた南米ももう逃げられないということだ。

日本ではまったくニュースにならないが、チリには感染疑いが260人もいる。エル・サルバドールはイタリアと韓国からの入国を禁止した。SNSには「アジア人だけじゃなく、外国人の入国をすべて禁止しろ!」という書き込みも増えてきている。この国の医療体制の脆弱さが身に染みているペルー人にしてみれば、それももっともな意見だろう。未だ呪術や祈祷に頼るような人も少なくないペルーが、この未知のウイルスと戦えるわけはない。

とりあえず手洗い・うがいで衛生を保ち、栄養と休息、睡眠を十分とって抵抗力を強化すべし。日々の行動に多少の制限は必要だろうが、精神的に縛られるのはよくない。お年寄りと既往症のある人は、慎重になるべきだけど・・・。年老いた義母が暮らす県にも感染者がでてしまったので、今はそっちのほうが心配である。