マルティン・チャンビの全作品 ペルー無形文化遺産に登録

20世紀のペルーを代表する写真家、Martín Jerónimo Chambi Jiménez(マルティン・ヘロニモ・チャンビ・ヒメネス)。彼が残した4万点あまりの作品が、生誕128周年を迎えた11月5日、ペルー無形文化遺産に登録されました。同月7日に行われた認定書授与式では、マルティン・チャンビ協会のメンバーを代表してマルティンの娘であるメリー・チャンビ氏に認定書が贈られ、同協会会長ロベルト・チャンビ氏からは心からの謝辞が述べられました。

マルティン・チャンビ協会(以下:協会)は、マルティン・チャンビの遺族たちによって運営される非営利団体です。クスコで保管されているネガの多くは保存状態が芳しくなく、その修復やデジタル化が急務だそう。協会では国内外からの支援を受けつつ、写真保存の専門家ととにも修復活動にあたっています。国の文化遺産に登録されるということは、海外への違法な持出しを未然に防ぐことが可能になるということ。また安易な売買にも多少の歯止めをかけることはできるでしょう。貴重な文化財の散逸を防ぐことは、修復に匹敵する重要案件のひとつです。

授与式の翌日、協会はペルー国立図書館とネガ修復・保存に関する協定を結びました。4万点を超えるネガをより良い形で保管していくため、今後は公的機関や民間企業と提携、研究者やアーティスト、一般の声に耳を傾けつつデジタル化やカタログ化を進めていくとのことでした。

協会の次なる目標はチャンビ作品の世界無形文化遺産への登録、そしてクスコにマルティン・チャンビと文化活動に特化した博物館をオープンさせることだそう。チャンビ作品のいちファンとして、次の朗報を心待ちにしています。

■マルティン・チャンビの作品はなぜペルー無形文化遺産に登録されたのか?■

•マルティン・チャンビの作品は普遍的であり、20世紀の最も重要な写真家の一人です。
•その多様性のため:彼の写真はペルーの本質、アイデンティティ、文化的多様性を反映しています。
•彼の作品は科学的、芸術的、文化的研究における貴重な遺産です。
•彼らの作品を保護することにより、私たちはペルーの集団的記憶の保護に貢献します。

por Óscar Chambi