パラバドミントン ペルー大会

先週リマで開催されたPeru Para-Badminton International 2017に、日本から26人の選手(とサポーター8人)が参加。なんと全選手で合計56個ものメダルを取得されました。おめでとうございます!

今年は世界10か国での開催が予定されているパラバドミントン(肢体障がいを持つ人によるバドミントン)の国際大会。その1つが先週のペルー大会でした。本大会には10か国約120名の選手が参加、各選手たちが素晴らしい試合を見せてくれました。

ところで皆さんは、パラバドミントンを見たことがありますか?私は今回が初めてでしたが、まず驚いたのはそのスピード感。車椅子があんなに機敏に動く様子を見たことがありませんでした。車椅子が後ろにひっくり返ることもあり、私なんか焦ってしまいましたが、そんなことは織り込み済み、試合はどんどん進みます。片手片足の人も低身長の人も、その障がいを感じさせません。まさにアスリート、その技術と力強さに圧倒されました。

2020年の東京パラリンピックで正式競技種目に選ばれたことから、日本のパラバトミントン界にもいい変化が起きているそうです。スポンサーがつき、活動資金が増えてきました。選手の多くが企業にアスリート雇用され、練習環境も整いつつあります。パラバドミントンには6つのカテゴリーがありますが、世界ランキング1位の鈴木亜弥子選手を始め、日本にはベスト10入りしている選手が大勢います。今回の好成績で、更にランキングアップする選手も出るでしょう。今、日本の選手団にいい波が訪れています。ぜひ頑張ってほしいですね!

しかし障がい者理解が不十分な日本で、パラリンピックを成功させるためには相当な努力が必要です。子供のころから健常者と障がい者を分断した社会で生きてきた日本人は、体の不自由な人を見ても自然に手が出せません。みんな悪気はないですよね、でもどう接していいか分からない。思わず目を背けたり、ひどい場合は邪魔者扱いする。残念なことです。人間は誰もが必ず年を取り、いつ障がいを持つか分かりません。足腰が弱くなったり、リュウマチで指が動かなくなったり、白内障や緑内障、聴力の衰え、なんでもありです。なのに自分だけは絶対大丈夫だなんて、なぜそう思えるのか。そんな状態で「おもてなし」など、おためごかしもいいところです。

今回参加された選手の中には、途中障がいの方が大勢いました。中には朝目を覚ましたら、下半身がまったく動かなかったという選手もいるそうです。昨日まで会社で仕事をし、家族と食事を共にし、自宅で胡坐をかいたり寝そべったりしていたのに、朝になったらまったく腰から下が動かなかった。そんな人生を誰が想像できるでしょう?

言葉に表しきれない過酷な状況を克服してきた選手たちの逞しさや前向きさに、強く惹かれます。「苦労したのね、可哀そうに」ではなく、「なんて強いんだろう、なんてすごいんだろう!」と感動せずにはいられません。多くの犠牲を払って今ここに立つ選手たち。彼らの生きざまからさまざまなことを学ぶ絶好のチャンスが、2020年の東京パラリンピックなのです。

今回は(一社)日本障がい者バドミントン連盟・理事長の平野一美さんと、東京都バドミントン協会・常務理事の福島美記子さんにお話を伺うことができました。貴重なお時間をありがとうございました。トップ写真は、平野さんから頂いた東京オリンピック・パラリンピックのオリジナルピンバッジ。わーい、ペルーで今持ってるのは、もしかして私だけじゃない?(「私は持ってる」という方、すみません!)

日本選手団は9月に東京・町田で開催される日本大会にも参加します。日本初の国際大会、皆さま、ぜひ応援してください!