富裕層向け住宅供給過剰が不動産価格下落要因に

約2年前から始まった不動産価格の下落は富裕層向け物件にまで波及、この先数か月は同様の傾向が続くと見られている。

ペルー建設業協会幹部のギド・バルディビア氏は、「富裕層向けの住宅建設プロジェクトは中間層向けほど多くないが、販売戸数が多すぎると簡単に供給過剰に陥ってしまう。それが起きているのだ」と説明、供給過剰気味なこれらの物件を今年は値下げして投げ売りしなければならないとする。

同氏は、富裕層向け住宅の余剰割合を販売中の物件の約40%と見積る。これらの余剰物件が年内に完売され、来年度には販売価格が安定するよう期待していると話した。

富裕層向け物件価値の下落にもかかわらず、今年度の住宅平均価格はほとんど横ばい(1.33%上昇)。住宅建設上下水道省によると、それでも未だ2万5000戸近い余剰物件が存在するという。

一方、住宅建設用地不足と住宅需要の増大から不動産ブームと言われる中、たとえ少ない割合でも、建設業界では中期的に継続した不動産価格の上昇が期待されている。

建設業界第5回経済報告会のプレゼンテーション資料によると、建設業者が期待する今年の不動産販売伸張率は、10%以上(8.06%)、5%~10%(3.23%)、0%~5%(46.77%)、変化なし(22.58%)、マイナス5%~0%(19.35%)。

住宅販売は伸び悩んでいるものの、今年度下半期の景況回復期待と来年度の展望から、建設業者の71%が今年は投資を増やすとしている。

バルディビア氏は、「新規プロジェクトへの投資見込み額は販売額(売上)の倍以上になる。これは業界が中期的な不動産市況に未だある種の信頼を置いていることの現れだ」と述べた。

しかしながら、これらの期待にもかかわらず、今年度建設業界は赤字決算になりそうな雲行きだ。

(ソース: Gestión 11/09/15)