choritos a la chalaca チョリートス・ア・ラ・チャラカ

刻んだタマネギとトマト、チョクロ、アヒ、クラントロをレモンと塩で和えただけのシンプルなソース、salsa chalaca(サルサ・チャラカ)。リマに隣接する港町カヤオ生まれのサルサということで、カヤオの愛称である“チャラカ”の名が与えられています。

ただこれとよく似たサルサは、ラテン各地に存在するんですよね。たとえばエクアドルからメキシコかけてはpico de gallo(ピコ・デ・ガジョ:雄鶏のくちばし)、チリではpebre(ペブレ:アヒやパプリカなど広義の意味でのトウガラシ)、ブラジルではvinagrete(ヴィナグレッテ:ビネガー・酸っぱいもの)の名で親しまれています。クラントロではなく緑のパプリカを使ったり、ニンニクやオリーブオイルを入れたりと国ごとに多少の違いはあるものの、ほぼ同じものといえるでしょう。ただ肉やタコスに合わせる国が多い中で、ペルーではもっぱら貝料理にのみ使用されるところが大きく異なります。

ペルーでこのサルサ・チャラカを独占するのが、ムール貝の仲間であるchoro(チョロ)。最近はconchas de abanico(コンチャ・デ・アバニコ:ホタテに似たイタヤガイ科の貝)バージョンも見かけますが、圧倒的にチョロ貝が使われています。美味しい上にパクッと一口で食べられるその手軽さが、食いしん坊のペルー人にとってはなんとも愛おしいんでしょうね。だからこそ、この料理に限っては必ずchorito(チョリート:チョロ貝ちゃん)と呼ばれています(choritosは複数形)。

今回はサルサ・チャラカにアヒ・アマリージョとロコトを加えたバージョンもご紹介しました。でもやっぱりシンプルなサルサ・チャラカが一番美味しいかな~。良く冷やしたサルサ・チャラカをチョロ貝にたっぷりのせてパクッ!もう白ワインが止まりません。

【材料】基本のチョリートス・ア・ラ・チャラカ

  • チョロ貝 5~6個(お好きな量で)
  • タマネギ 1/4~1/2個
  • トマト 1/4~1/2個
  • チョクロ(トウモロコシ)の粒 少々
  • アヒ・リモ 少々 ※アヒ・リモについてはこちらもご覧ください。
  • クラントロ 少々
  • レモン果汁 大2~3
  • 塩コショウ 適量
  • オプション:チョロ貝の茹で汁、E.V.オリーブオイル

【作り方】

1、生きたチョロ貝の表面の汚れや付着物をナイフなどでこそげ落とし、よく洗う。

2、沸騰した湯にローリエ1枚とチョロ貝を入れて茹で、貝が開いたらすぐ取り出して冷ましておく。貝が固くならないよう茹で過ぎには注意して。また茹で汁はあとでカルド(ブイヨン)として使うので、水の量はチョロ貝が浸かるくらいで十分。

3、チョロ貝が冷めたら貝殻を開け、貝柱を切り離すようにしてチョロの身を取り出し、足糸(そくし:岩場に張り付くため貝が分泌する繊維状のもの)を取り除く。あとで器として使うため、貝殻の片側を取っておく(貝殻の向きを揃えると、盛り付けがきれいに)。

4、サルサ・チャラカを作る。みじん切りにしたタマネギを水で洗って辛味を取り除き、ザルにあげて水気を切っておく。トマトは種を取り除いて果肉部分をみじん切りに、アヒ・リモはさらに細かめのみじん切りにする。クラントロの葉を刻み、チョクロを茹でて粒を取っておく。レモンを絞っておく。

5、ボウルに4の材料をすべて入れ、塩コショウをしながら味を調えたらサルサ・チャラカのできあがり。酸味を見ながらレモン汁を加えるが、もし入れすぎて酸っぱすぎると感じた場合は、1の茹で汁(カルド)を少し足すといいだろう。

6、5に取り出しておいたチョロ貝の身を入れてさっと混ぜ合わせ、貝殻にひとつずつ乗せてできあがり。お好みでE.V.オリーブオイルをかけても美味しい。

【材料】チョリートス・ア・ラ・チャラカ アヒ・アマリージョバージョン

  • チョロ貝 5~6個(お好きな量で)
  • タマネギ 1/4~1/2個
  • トマト 1/4~1/2個
  • チョクロ(トウモロコシ)の粒 少々
  • アヒ・アマリージョペースト 大1
  • セロリ 5g
  • アヒ・リモ、またはロコト 少々
  • イタリアンパセリ 少々
  • レモン果汁 大2~3
  • チョロ貝のカルド 大1
  • 塩コショウ 適量
  • オプション:E.V.オリーブオイル、ガーリックパウダー、ショウガの絞り汁

【作り方】

1、チョロ貝の準備をする(上記を参照)

2、ミキサーにアヒ・アマリージョペーストとセロリ、レモン果汁の一部(大1ほど)、チョロ貝の茹で汁を入れてかくはんし、味をみながら塩コショウで整える。

3、基本のサルサ・チャラカを作る。ただし後で酸味を調整したいので、レモン汁は加えずに。

4、3に2を加え、全体の味を調整する。酸味が足りなければレモン果汁を足したり、アヒ・リモを加えるなど、お好みの味に仕上げて。さらに個性を追求したい場合は、E.V.オリーブオイルやガーリックパウダー、ショウガの絞り汁を加えてもいいだろう。

5、4のボウルに準備しておいたチョロ貝を加えてさっと混ぜ合わせ、貝殻に盛り付けてできあがり。

【Keikoからのひとことアドバイス】

日本語でムール貝のレシピを検索すると、ほとんどの場合“蒸す”という調理法が採られていますよね。一方、ペルーでは“茹でる”が主流です。それはペルー料理において、caldo(カルド:ブイヨンまたはスープの意)の存在が大きいから。「茹でたら素材の旨みが抜けるじゃないか」という意見はごもっともですが、美味しいカルドを作りたいのだから、茹でなきゃしょうがないんです。

ペルー料理では鶏肉の料理なら必ずcaldo de pollo(カルド・デ・ポヨ/チキンブイヨン)を、牛肉料理ならcaldo de res(カルド・デ・レス/ビーフブイヨン)、魚料理ならcaldo de pescado(カルド・デ・ペスカード/フィッシュブイヨン)を合わせます。今回登場したチョロ貝の茹で汁は、caldo de choro(カルド・デ・チョロ/チョロ貝のブイヨン)と呼ばれます。鶏や魚を丸ごと買ってきて時間をかけてカルドを取るなんて、手間もかかるし贅沢な話ではないですか。こういう一面を知るたびに、ペルー料理のスローフード的魅力を再認識します。

とはいえ毎回自家製カルドを作るのはさすがに無理だし、大さじ1杯のカルドのために骨付き肉や魚のアラを一から茹でるなんてできませんよね。そんな人の強い味方が、顆粒や固形のインスタントカルド。我が家はAjinomoto del PerúさんのDoña Gusta® Gallinaシリーズにお世話になっています。これ、日本でも販売してくれないかなぁ。

シンプルかつ飽きのこない前菜として愛されるチョリートス・ア・ラ・チャラカ。すでにボイルしたものを使えばもっと簡単だし、その割に見た目が華やかなのでおもてなしにもぴったり。ムール貝のワイン蒸しやパスタに飽きたら、ぜひ作ってみてください。