リャマとアルパカってどこが違うの?

南米大陸に生息するラクダ科の動物は、リャマ、アルパカ、ビクーニャ、グアナコの4種類。体毛の色、重さ、体型など、それぞれが暮らす環境に基く特徴があります。これらの違いをラ・レプブリカ紙が次のように紹介しています。

リャマ(llama / lama glama)

リャマ
クエラップ遺跡のリャマ

リャマは南米のラクダ科動物のうちで最も大きく、そして最も丈夫な種類。面長で耳が大きく、体高は約1.8m、体重は平均で170kgにもなります。厚い毛皮が特徴のリャマ、アルパカに比べ獣毛の量は多いもののその質は劣ります。飼い慣らすことができ、45kgから60kg程度までの荷物に耐えられるので、荷運びに利用されます。また、肉は食用として取引されています。反抗的な性格で、人に唾を吐きかけたり蹴ったりすることもあります。鼻や口はアルパカよりも小さく、その張り出しも控えめです。

アルパカ(alpaca / vicugna pacos)

アルパカ
レイメバンバ博物館のアルパカ

体高は1.2mから1.5m、体重は48kgから84kg程度になるアルパカ。リャマよりも小柄で頭部も小さく、首もリャマほど長くはありません。飼いやすく、白や黒、茶色、グレーなど20色以上の長く柔らかい獣毛の持ち主です。細くて上質、厚みがあり耐久性にも優れたアルパカの獣毛は主に繊維分野で利用され、肉はダイエット食として注目されています。

ビクーニャ (vicuña / vicugna vicugna)

野生のビクーニャ
サリーナス・イ・アグアダ・ブランカ国立保護区のビクーニャ

ビクーニャは4種のうち一番小さくてスマートなラクダ科動物ですが、周囲の自然環境への耐性はどの近縁種よりも強く、最も「野性的な」種でもあります。およそ標高3000mから5500mの高地に生息し、毛皮は赤茶色。極細で非常に丈夫な獣毛と齧歯類のような歯の持ち主で、蹄は2つに割れています。ビクーニャは家畜化されておらず、密猟がもとで絶滅の危機に瀕しています。

グアナコ(guanaco / lama guanicoe)

グアナコ
トーレス・デル・パイネ国立公園のグアナコ

南米のラクダ科動物4種(アウケニア類の偶蹄目哺乳類)の中でも、グアナコは最も行動範囲の広い種として知られています。アンデスの山岳地帯や高地、パタゴニアやティエラ・デル・フエゴ(火の大地)の一部地域を中心に、アルゼンチン、ボリビア、チリ、パラグアイ、ペルーに生息し、絶滅の危機に瀕している動物でもあります。毛皮は茶色で腹部と脚の毛は白く顔は灰色、大きな茶色の目と直立した耳がグアナコの特徴で、通常は一頭のオスが数頭のメスを従えています。優れた跳躍力で行く手をはばむ障害物を飛び越えることができます。

(ソース: La Repùblica 02/02/22)