災い転じて福となす、騙されたけど得した話

ある日のこと。宿泊予約した宿から「1泊分(仮に)48ドルを次の口座に振り込んでください」とメールがきたので、私はその金額と口座番号だけをさっとメモし、銀行の窓口で振り込んでもらった。お釣りの1ドル札がヨレヨレだったので、替えてもらったりもして。窓口のお兄さんはとてもにこやかで、スマートな対応だった。

家に戻って振り込んだレシートの写真を撮り、メールに添付して宿に送った。しばらくすると宿から返事が。曰く「セニョリータ、48ソレスしか入っていません」と。え?でも私は48ドル払ったよ?!それにメールには48ドルって書いてあったはず・・・よくよく見ると「48ドル分のmoneda nacional(国の通貨=ソレス)」だった。なんでこんなややこしい表現にしたんだー!

速攻で銀行に戻り、業務案内係に先のメモとS/48と表示されたレシートを見せながら、「窓口で48ドル払ったのに48ソレスしか払われなかったのよ!」と鼻息荒くクレームした。ところがメモを一瞥した案内係に「これ、ソレスの口座番号ですけど」と冷たく言い放たれる始末。え?これ、ドル口座じゃないの?じゃあのお兄さんは最初からソレス口座と知っていて48ソレスを振り込み、差額を盗んだってことよね?

とは言え、私が48ドルを渡したという証拠はない。奴がいなかったらもう終わりだ・・・とドキドキしながら窓口を見ると、件のお兄さんはまだそこにいた。神様ありがとう!私が明るい声で「オラ!ねぇ、私のこと覚えてる?」と言ったら、お兄さんも「おや、セニョリータ、どうしました?」と爽やかに答えてきた。そこで眉間にしわを寄せた案内係が、「このお客様が48ドル払ったのに、振り込まれたのは48ソレスだったって言ってますが・・・」と。するとお兄さんは何事もなかったかのように「あ、はい、じゃあこちらで対応しますね~」そして「すみません、レシートを拝見できますか?」「ふむふむ、では48ドルをお返ししますね」「これはこちらで処分しておきます」と私の許可なくレシートを破り捨ててしまったのだ。なんてこった、証拠隠滅!

宿の口座には、奴が48ドルをくすねるために自腹を切った(と思われる)48ソレスが振り込まれたまま。ということで、私はその差額を払うことで済んでしまった。わーい、48ソレス得しちゃったー!じゃないって!

これは銀行職員による明らかな詐欺行為。気付くのが遅かったら、きっと知らぬ存ぜぬで逃げられただろう。思いのほかこっちの対応が早かったから、libro de reclamaciones(苦情書き込み帳)に書き込まれる前に片をつけようと思ったに違いない。外国人だから騙せると思ったのか。どこまで舐められてるんだ、私!

ことの顛末を旦那に話したら、「レシートを受け取った時に確認しないお前が悪い、そもそもちゃんとメールを読まなかったお前が悪い」と。はい、確かにその通り、反論のしようもありません。ペルーはいかにトラブルを回避するかが何よりも肝心。トラブルが起きた後に解決するのは、何十倍も体力を消耗する。とは言え今回は結果的に48ソレスを得したことになるわけだし・・・怪我の功名、雨降って地固まる、人生万事塞翁が馬!なんて思うからまたトラブルにあうんだね、私(笑)

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