心のゆとりと車間距離

少し前のこと。次のアポに行くのに、最初はバスで移動しようと思っていた。が、時間が押してしまった上に道路は大渋滞。こりゃバスだと永遠にたどり着かないと思って、仕方なくタクシーを拾った。にこやかな運転手だった。

片道三車線の大通りだが、どこもかしこも車がぎっちり詰まっていてまったく前に進まない。少しでも前に進もうとどの車も意味のない車線変更を繰り返すから、更に渋滞は悪化する。一番端の斜線から、車体側面を後続車に思いっきり晒しながら車線変更をするバスや車たち。誰かピストルよこせー!的にしてやるー!なぜバスは右側車線を、左折予定車は左側車線を、直進車は中央車線を、とそれだけのことができないのだ。あともうすぐ赤になるのに交差点内に突っ込むなよ!本当にバカだ、バカすぎる。

とはいえ、私も急いでいた。急いでいたからタクシーに乗ったのだ。なのにこの運転手は、中央車線からまったく動こうとしない。実直に、ただひたすら真ん中を走る。左右からバカ車両が割り込む度に、ブレーキを踏んで譲るはめになる。私が乗ろうと思って諦めたバスにすら先を越されてしまった。イライライラ、はよ進まんかいっ!

文句を言おうと身を乗り出したら、カーラジオの辺りに何やら日本語を発見。「ありますか、心のゆとりと車間距離」…そんなもん、あるかーっっ!!

運転手に訊ねたら、この中古車(NISSAN)を買った時から貼ってあるもので、もちろん意味は分からないと言う。でもなんとなく気に入って、そのままにしてあるのだそうだ。意味を教えると「ああ、いいですね!そうです、車間距離が大切ですよ。急いだってどうせ渋滞だし、危ないしね。私はぶつけられることはあるけど、自分で事故ったことはないですよ」…ぶつけられたんか。

最初から随分tranquiloな運転手だなぁと思っていたが、まさにこの車に相応しい人だったわけだ。急がせようとした自分がちょっと恥ずかしい。どうせもうすでに遅れてるんだし、ま、いっかと諦めました(←先方に電話はしましたよ!)

最近心のゆとりがない私。そんな私に相応しい写真だわと、本日のブログにしてみました。ペルーで運転するのに車間距離なんて空けたら、それこそ割り込まれてばかりで心のゆとりなんて吹っ飛んでしまいそうだけどね。あの運転手さんがぶつけられないことを祈ります。

あわせてお読みください