料理通信 JOURNAL 南米人の好みを熟知した製麺会社ナン・フーズが誕生

8月21日(月)Web料理通信・JOURNALに ラーメンからうどんまで 南米人の好みを熟知した製麺会社がペルーに誕生 が掲載されました。

リマ市ヘススマリア区にある「Nan Foods(ナン・フーズ)」は、小林健一さんと妻のパトリシアさんが経営する製麺会社。日本から輸入した製麺機を使い、ありとあらゆるタイプの麺を製造販売しています。

ペルー味の素社の即席麺Aji-mo-men(アジノメン)の商品開発に携わった小林さんは、生来のラーメン好き。ペルーでの任期が終了した後もずっと、美味しいラーメンの作り方を研究し続けてきました。2020年に長年勤めあげた味の素社を退職、2022年末リマにナン・フーズを立ち上げ、試行錯誤を繰り返します。

好奇心旺盛で研究熱心、口癖は「~を頑張れば、それだけ知見を得れますから」という超ポジティブシンキングな小林さん。味噌・塩・醤油などスープ別の麺を製造はもちろん、猫舌で熱いものを熱いうちに食べるという食習慣のないペルー人のために、通常より伸びにくい麺も開発しました。そもそも麺の扱いに慣れていない店も少なからずあったため、いかに麺を効率よく、美味しく茹でるかを指導したり、新規メニューのアドバイスや作り方マニュアルまで作成するなど、顧客の要望に合わせた商品を製造する“留め型B2Bサプライヤー”として、小回りの利くサービスを徹底しています。

品質と顧客に寄り添う姿勢が評判を呼び、今ではリマ市内の主だったニッケイ料理店のほとんどで注文を頂くほどの人気ぶり。2023年版「世界のベストレストラン50」6位のニッケイレストラン「マイド(MAIDO)」にもその味が認められ、特注の専用麺を納品するようになりました。リマ市内だけでなく、チンボテやマンコラなどペルー各地からもオーダーが入ってきているとか。まさにペルーの麺文化にパラダイムシフトが起こりつつあります。

「ナン・フーズの“ナン”は南米の“ナン”」という小林さん夫婦の戦いは始まったばかり。でもペルーを拠点に南米各地へ進出しようという2人の夢を託した社名がラテンアメリカに知れ渡る日は、そう遠くないかもしれません。

※近々リマのニッケイ食品店にて、家庭用ラーメンセットを販売する予定だそう。ツルツルしこしことした美味しい麺とお湯を注ぐだけですぐできるインスタントスープがセットになっています。これで本格的なラーメンを自宅で気軽に食べられるようになりますね。リマの皆様、どうぞお楽しみに!