外国人法改定 治安や公序良俗など遵守義務追加 

外国人の在留に関する立法政令第1350号を改定する法令第31689号および第31685号が15日、官報にて公布された。前者は市民の安全や公序良俗に関する在留外国人の義務、後者は立場の弱い子連れの女性移民に対する国外追放の制限を目的とするもの。

法令第31689号では、外国人が現行規準の枠組みにおいて遵守すべき義務につき、新たに公序良俗や国内秩序、国家の安全、市民の安全、および衛生・環境に関する規定が追加された。

同令ではまた、外国人と締結する不動産賃貸契約において、賃貸人による身元確認と報告を義務づけるとともに、ホテルなど宿泊サービスの提供者に対する新たな確認事項(身分証明書または旅券の番号)も加えられている。

他方、法令第31658号では、DVや人身売買の被害者など、立場の弱い子連れの女性移民に対し、当局による追放や国外退去命令の行使を制限する条項が追記された。両法令の概要は次のとおり。

法令第31689号 国民の安全保障の枠組みにおける、移民に関する立法政令第1350号第10条、第45条、第61条、第63条を改定する法令

第1条 法令の目的

当令は、国民の安全保障の枠組みにおいて、移民に関する立法政令第1350号の第10条、第45条、第61条、第63条を改定する目的を有す。

第2条 在留に関する立法政令第1350号第10条、第45条、第61条、第63条の改定

在留に関する立法政令第1350号の第10条、第45条、第61条、第63条を以下のように改定すること。

第10条 外国人の義務

10.6 特にペルー国家の歴史・文化遺産、公序良俗、国内秩序、国家の安全、市民の安全、および衛生・環境に関する規定について、現行規準の枠組みを遵守すること。

第45条 出入国管理に関する一般事項

45.3 国家安全保障、公衆衛生、国内秩序、公序良俗、および市民の安全のため、外国人の入国および通過については、比例原則ならびに主権の原則に従い制限されることがある。

第61条 宿泊サービスの義務

61.3 不動産の賃貸人は、その性質や目的に関わらず、賃貸契約を締結する外国人、および、同一の不動産に居住し賃借人グループ の一部を構成する他の外国人に対し、在留状況を証明する文書の提出を定期的に要請しなければならない。

さらに、当該賃貸契約の責任者たる賃貸人は、国家在留監督庁(MIGRACIONES)に対し、同庁のデジタルプラットフォームを通じて報告する義務を負う。

第63条 宿泊サービス所有者の違反行為と制裁

以下の行為は罰金を伴う制裁の対象となる。

b. 国籍、生年月日、フルネーム、身分証明書番号または旅券番号を記録することなく宿泊施設を提供すること。

c. 前号に述べる記録またはその情報を国家在留監督庁に提出しないこと。

末尾補足条項

行政府は、当令の定めに基づき、その公布日から起算し歴日30日を超えない期間において、立法政令第1350号「在留に関する立法政令」の運用細則を取り決めるものとする。

法令第31685号 弱い立場の移民を暴力から保護するため立法政令第1350号第11条に11.3項を追記する法令

第1条 法令の目的

当令は、家庭内暴力や性的暴力、人身売買、不法入国手引きの被害者である、立場の弱い子連れの女性移民の保護を確実なものとするため、立法政令第1350号「在留に関する立法政令」の第11条に、11.3項を追記する目的を有す。ただし、前述の状況が当人の責に帰すものでない場合に限る。

第2条 立法政令第1350号「在留に関する立法政令」第11条への11.3項の追記

立法政令第1350号「在留に関する立法政令」の第11条に、次の文言による11.3項を追記すること。

第11条 弱い立場にある外国人

国家在留監督庁および外務省は、家庭内暴力や性的暴力、人身売買、不法入国手引きの被害者である、立場の弱い子連れの女性に対し、自らの権限を行使してペルー領土から追放したり強制的に退去させてはならない。

末尾補足条項

行政府は、当令の定めに基づき、その公布日から起算し歴日30日を超えない期間において、立法政令第1350号「在留に関する立法政令」の運用細則を取り決めるものとする。

(ソース: El Peruano 15/02/23)

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