鶏卵密輸摘発年初来55トン 週当たり380万個

国外からの鶏卵の密輸増加に伴い、市場での不正競争や外来侵入病害など、農牧セクターへの深刻な影響が懸念されている。国家農業検疫庁(SENASA)が報告した。

ペルー税関当局の発表によると、ペルー南部の国境を通じて違法に持ち込まれた鶏卵の押収量は、年初来計55.85トンにおよぶという。この状況につきSENASAは、鶏卵の違法な輸出入を防ぐための有効な衛生プロトコルが現在、ペルー側に存在しないことを理由のひとつに挙げている。

この問題に詳しいSENASAの専門家は、鶏卵の密輸により、鳥インフルエンザやニューカッスル病といった外来性の病害が侵入し、国内の養鶏業者に影響を及ぼしかねないとの懸念を示しており、国境における税関当局の輸出入検査にSENASAの専門家が常時参加し、農業衛生に関する技術協力を行うことが肝要としている。

同専門家はさらに、フルーツや野菜、種苗、卵、動物などの農牧産品の輸入にあたっては、積荷が衛生要件を満たしていることを保証するため、輸出元の衛生当局による防疫証明書が添付されるべきと指摘した。

国内養鶏業者への影響

鶏卵の密輸問題に関し、ペルー南部養禽協会(AVISUR)は、週当たりおよそ380万個の鶏卵が、ボリビアから国境を介してペルーに密輸されていると報告。養鶏農家など、直接・間接的に養鶏業に関わる国内の約110万世帯がすでにこの影響を受けており、昨今の生産コスト上昇傾向と相まって、特にアレキパやクスコ、プーノ、タクナではインパクトが強いと明かす。

AVISURのラウル・サラス会長は「パンデミックで深刻な打撃を受け続けている上に、鶏卵の生産コストは現在1kg当たり6.70ソレスになっており、すでに4割の損失が出ています。国の課すすべての規則を守って生産している私たちの鶏卵はタンパク質を豊富に含み、何物にも代えがたい商品です。私たちにとって、鶏卵の密輸は市場における不正な競争といえます」と強調した。

(ソース: Andina 07/10/22)

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