Pollo al Sillao ポヨ・アル・シジャオ

Sillao(シジャオ)とは醤油のこと。ロモ・サルタードタジャリン・サルタードにも欠かせない定番調味料のひとつであるシジャオをペルーに伝えたのは、19世紀半ばにやってきた中国人労働者たちでした。

『チーファの歴史は、1849年10月にクーリー(苦力)として連れてこられた中国人労働者70人に端を発します。黒人奴隷の代替労働力として、アンデス鉄道の敷設やグアノ採取など過酷な労働を強いられました。1874年にはクーリーの数は90000人にも上りました。

ペルー・中国間の協定により1874年から労働条件が緩和されると、中国人移民たちは食料品店や洗濯屋、靴屋、旅館などさまざまなビジネスを立ち上げ、旅館では中華料理を提供しました。低レベルなものとみなされた中華料理は中~上流階級の間では評価されませんでしたが、安価で美味しかったため貧しい人々の間に広がりました』(ペルー華人協会サイトより)。

こうして全国各地に誕生したのがペルー風中華料理店Chifa(チーファ)であり、中秘フュージョン料理のチーファです。今ではスーパーに国産醤油が並び、一般的な醤油(sillao claro/シジャオ・クラロ:色の薄い醤油)とsillao oscuro(シジャオ・オスクーロ/黒醤油:中国しょうゆ)を使い分ける人もいるほど。今回は、そんなシジャオを使った料理のご紹介です。

【材料】2人分

  • 鶏もも肉 250~300g(できれば骨付きで)
  • 細ネギ 1~2本
  • パプリカ 1/2個
  • ブロッコリー 数房
  • ジャガイモ 2個
  • すりおろしニンニク 大1/2
  • すりおろしショウガ 大1/2
  • 醤油 大2
  • オイスターソース 小1
  • ゴマ油 小1
  • カルド・デ・ポヨ 200ml
  • 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
  • 水溶き片栗粉 適量
  • オプション:ゴマ、カネラ・チナまたは五香粉、もやし、さやいんげんなど

【作り方】

1、鶏もも肉を食べやすい大きさにカットし、醤油大1とごま油、ニンニクとショウガと塩コショウ、クミン、オレガノ、あれば五香粉を混ぜ合わせ、よく揉みこむ。時間があれば一晩マリネしておくとよい。

2、ジャガイモを茹でるかレンジ加熱して、皮を剥いて2つにカットしておく。ブロッコリーは小房に分け、青ネギは3~4cmの長さにカット。パプリカも細長くカットしておく。

3、深めのフライパンに油を敷き、1の鶏肉を皮目から香ばしく焼いていく。

4、3にカルドと残りの醤油とオイスターソース入れ、蓋をして鶏肉に火を通す。マリネした醤油液が残っていたらそれも入れる。もし味が薄いと思ったら、醤油をほんの少し追加して。

5、鶏肉におおかた火が通ったら、ブロッコリーと青ネギの白い部分、時間差でパプリカも入れて蓋をして1~2分加熱る。塩コショウで味を調え、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける(この時点でカルドが煮詰まって水分が少なければ、水溶き片栗粉は不要)。最後に青ネギの青い部分を加えてさっと混ぜ合わせ、ジャガイモの上に盛り付けたらできあがり。ゴマを振ると更に良し。

【keikoからひとこと】

Canela china(カネラ・チナ/シナニッケイまたはカシア)の学名はCinnamomum cassia。クスノキ科ニッケイ属の一種で、お菓子や紅茶に使われるセイロンニッケイ(学名Cinnamomum verum、いわゆる“シナモン”)よりスパイシーでワイルドな香りが特徴です。

粉状では少々見分けにくいですが、スティックならその違いは一目瞭然。セイロンニッケイの樹皮は薄く繊細ですが、カネラ・チナは分厚くまさに“木の皮”。でも料理には香りの強いカネラ・チナのほうがいいのだとか。リマのスーパーには両方売られているので、用途に合わせて選んでください。

日本の家庭で作る和風の鶏もも肉ソテーとほぼ同じですが、クミンやオレガノを加え、ジャガイモを添えるだけでぐっとペルーのチーファらしくなります。青ネギとパプリカ以外にも、彩りを考慮しながらお好きな野菜を加えてくださいね。

モバイルバージョンを終了