ペルー中央銀行 新デザインのS/20とS/50紙幣を発行

ペルー中央準備銀行(BCRP)は20日、新デザインの20ソレス札と50ソレス札を発行した。新たな紙幣の肖像は、文学者ホセ・マリア・アルゲダスと歴史家のマリア・ロストワロフスキー。

今回の両紙幣のデザインは、中央準備銀行が世界の主要な紙幣印刷企業からコンクールを通じて選んだ英国のDe La Rue Int’l Ltd.が手掛けたもので、透かしに加え、見る角度によって色彩や色調が変化する光沢糸やインクを使用し、偽造対策にも努めている。発行は2022年7月20日から、市場では現行紙幣と並行して流通する。

新20ソレス札(S/20)

新20ソレス札表面の肖像はJosé María Arguedas(ホセ・マリア・アルゲダス)のもの。20世紀半ばにおけるペルー先住民文学の根幹をなす人物であり、彼の文学作品には、幼少期の自分を受け入れてくれた先住民に対する大きな愛情と洞察力、感謝の意が表れている。

真実や社会正義、変わりゆく世代の探求により、その作品を通じてアンデスの芸術と風習を世に広めた彼の努力、およびアルゲダス本人に敬意を表して彼の肖像がデザインに採用された。

裏面には、彼の作品の中で最も有名なYawar Fiesta(ヤワル・フィエスタ)を想起させるペルーの宝「コンドル」と共に、彼の出身地アプリマックを始めとするアンデス地域に咲くインカの聖なる花で、国花にも指定されている「カントゥータ」が描かれている。

新50ソレス札(S/50)

50ソレス紙幣のデザインは、20世紀を代表する歴史家の一人であり、独学で古代ペルーの研究に傾注し、豊かな想像力で歴史の真実を塗り替えたアンデス世界の著名な研究者、María Rostworowski(マリア・ロストワロフスキー)に捧げられたもの。

アンデス世界とそこに暮らす人々に没入した彼女の研究は、ペルー史に関する知見や見識において計り知れない功績を残した。

裏面には、アンデス世界観ではおなじみの神格化された動物で、ロストワロフスキーも研究対象にしていたジャガーのほか、Antonio Raimondi(アントニオ・ライモンディ)がアンカシュ州のチャビン・デ・ワンタル付近で発見した植物、プーヤ・ライモンディが描かれている。

(ソース: ペルー中央準備銀行)

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