Pollo al Maní ポヨ・アル・マニ

少なくともおよそ8000年前にはその栽培が始まっていたという、ペルー原産のmaní(マニ/ピーナッツ)。ペルー北部カハマルカのナンチョック遺跡からは当時からその地で原始的な農業が行われていたという証拠とともに、マニなどの野菜を栽培していた跡も見つかっています(現地で発見されたマニの種は、放射性炭素年代測定法によっておよそ6494年のものと計測されました)。

料理はもちろん、サルサの隠し味として、またレーズンなどと一緒にスナックとしても大活躍のマニは、ペルー料理における縁の下の力持ち存在。クルミほどのコクはないけれどその分くどくないので、色んな料理に取り入れやすいのが魅力です。

たとえば、以前ご紹介したロコト・レジェーノの詰め物にも炒って粗く砕いたマニを使っていますが、マニのコリッとした歯ごたえがフィリングの滑らかな食感にちょっとした変化を与えるとともに、食べ応えもアップしてくれるんですよね。マニのこういう使い方はほかの料理にも応用できるので、どんどん取り入れていきたいと思います。

あとマニといえば、ペルー人はmaní confitado(マニの砂糖衣かけ)が大好き。店舗はもとより、バスに乗り込んでくる物売りたちの人気商品トップ5には入っていました。マニやスナックを入れた小袋を棒にぶら下げ、「マニ、マニ、マニ、マニ~」と言いながら売り歩く。もうそんな風景も見られなくなってしまったんでしょうね・・・ちょっと寂しいなぁ。

【材料】2人分

  • 鶏もも肉(骨付きがベスト) 300~350g
  • タマネギのみじん切り 1/2個
  • ニンニクのすりおろし 大1/2
  • アヒ・アマリージョペースト 大1/2
  • アヒ・パンカペースト 大1
  • マニ(ピーナッツ) 60g
  • カルド・デ・ポヨ(チキンブイヨン) 150~200ml
  • 白ワイン 少々
  • ペレヒル(イタリアンパセリ) 少々
  • 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
  • 付け合わせ:ご飯、ジャガイモ

【作り方】

1、軽く炒ったマニをミキサーにかけ、粉状にしておく。

2、鍋か深めのフライパンに油を敷き、塩コショウとクミンを軽く振った鶏肉を皮目から焼いていく。骨付きの場合は、骨に沿って切り込みを入れておくと早く火が通るのでオススメ。両面を香ばしく焼いたら一度取り出しておく。

3、アデレソを作る。2の鍋に油を少し足し、タマネギのみじん切りとタマネギの水分を引き出すための塩ひとつまみを入れて炒める。タマネギが透き通ってきたらニンニクを加え、次にアヒ・アマリージョペーストとアヒ・パンカペーストを入れてよく炒め合わせる。軽く塩コショウとクミン、オレガノを加えて炒めたらアデレソのできあがり。

4、3のアデレソに2の鶏肉を入れて白ワインを振りかけ、さっと混ぜ合わせる。カルド・デ・ポヨを加えて蓋をして煮込む。カルドは鶏肉の1/2~2/3の高さもあれば十分。骨付きか骨なしかでカルドの量を調整して。

5、鶏肉に火が通ったら1のマニを加え、お好きな濃度に煮詰めていく。マニは焦げやすいので、鍋底からしっかりかき混ぜよう。塩コショウで味を調え、仕上げにペレヒルを散らしたらできあがり。ご飯と茹でたジャガイモを添えて頂こう。

【Keikoからのひとことアドバイス】

鶏肉とマニさえあればすぐ出来ちゃう、とっても簡単で美味しい一品。トロッとしたピーナッツソースが、鶏肉はもとよりジャガイモにもよく合います。お子さんがいる場合は、アヒ・アマリージョペーストを入れずに作ってみて下さいね。

マニはビタミンEとナイアシンが豊富。強い抗酸化作用を持つビタミンEは、若返りのビタミンとして知られています。不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸を多く含み、中性脂肪や悪玉コレステロールの値を下げ、動脈硬化や心臓病予防にも効果があると言われています。

マニの理想的な摂取量は1日あたり30g。この一皿でちょうど1日分を無理せず頂くことができます。若さと健康維持のためにも、ぜひ美味しいポヨ・アル・マニを作ってみてくださいね。

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