Juane de Gallina フアネ・デ・ガジーナ

先月、ペルー貿易観光促進庁(Promperú)の記事をアップしてからというもの、自分で作りたくて仕方がなかったアマゾンのちまきJuane(フアネ)。ただ材料の入手が容易でなく、どうしたものかと考えていました。そんな矢先、ひょんなことからアマゾン食材専門店へ行く機会に恵まれ、フアネの材料をGet!さっそくフアネ作りにチャレンジしてみました。

¡新食材! 】アマゾンの食材について

まずはbijao(ビハオ/写真奥の筒状の葉っぱ)から。中南米の熱帯~亜熱帯に育つクズウコン科の植物で、日本の竹皮と同じく、アマゾンの先住民が狩りに行く際にはこの葉に食糧を包んで持ち運んだそう。成長すると葉の長さは1.5m近くにもなりますが、料理用に売られていたのは70~80cmでした。

皿の右上にあるカラフルなアヒは、Ají dulce(アヒ・ドゥルセ/甘いトウガラシの意。味はパプリカに似ていますが、果肉がピーマンのように薄いのでジューシーさはありません。これはフアネにではなく、別の料理に使う予定です。

左下の小さいのは、Ají Charapita(アヒ・チャラピータ)という激辛トウガラシ。ペルーアマゾンで最も消費されているアヒで、主にサルサに使用されます。小粒なのに汁気が多いので、潰した時にちゅっと汁が飛び出したらもう大変!目つぶしには最適の、とっても危険なアヒです。

左上はアマゾンの果物cocona(ココナ)。ナス科で大きさは10cm前後、大きさや手触りは、固く実が詰まった黄色いイタリアントマトといた感じです。酸味と独特の渋みがあって、これ単体では正直あまりおいしくありません。でもジュースにすると爽やかでとても美味しいんですよ!このココナジュースとアグアヒーナ(アグアヘのジュース)はアマゾンの2大ジュースとして大人気。今回はサルサ・デ・ココナに使いました。

セリ科のsacha culantro(サチャクラントロ/オオバコエンドロ)は、アメリカ大陸の熱帯エリアに自生するハーブ。一般のクラントロ(コリアンダー)より葉が大きくて硬く、また香りも強いのが特徴です。食欲を増進させ、消化器系の働きを整える効果があります。

今回は定番のgallina(ガジーナ/雌鶏)を使ったフアネの作り方をご紹介します。こんなことを言ったら怒られますが、大雑把なイメージのアマゾン料理なのにこんなに手が込んでいるなんて、私にとっては新鮮な驚きでした。

【材料】400~450gのフアネ3~4個分

  • 米 2カップ
  • 骨付きガジーナ 3~4切れ(美味しいカルド/ブイヨンを作りたいので、ガジーナがたくさんあるとGood) 
  • タマネギ、セロリ、ニンジン、ローレルなどの香味野菜 適量
  • ニンニクのすりおろし 大2
  • クルクマ(ターメリック)パウダー 大1.5~2
  • クミン 大1
  • オレガノ 大1
  • 塩 大1~適量
  • サチャ・クラントロ 5~6枚(5g前後)
  • サチャ・クラントロをミキサーにかける水 50ml
  • 生卵 2個
  • 茹で卵 フアネ1つあたり1個
  • ブラックオリーブ フアネ1つあたり1~2個
  • ヒバオの葉 フアネ1つにつき2枚
  • 麻ひも、またはビニールひも 適量
  • つけあわせ:サルサ・デ・ココナ(ココナ、アヒ・チャラピータ、タマネギ、サチャクラントロ、塩)

【作り方】

1、鍋にガジーナと香味野菜、それらが十分かぶるくらいの水を入れて40~50分茹でる。ガジーナが柔らかくなったら浮き出た余分な脂を取り除いてカルド(ブイヨン)を漉し、肉とカルドをわけておく(水があまり多いと味の薄いカルドになってしまうので注意して)。

2、サチャクラントロを手で適当にちぎり、水を入れてミキサーにかけておく。米を洗ってザルにあげておく。

3、アデレソを作る。鍋に油を敷き、ニンニクをよく炒める。次にクルクマとクミン、オレガノを加え、クルクマの粉っぽさが無くなったら、2のサチャクラントロ液と塩を加えて味を調える。これでアデレソの出来上がり。

4、3のアデレソに1のガジーナとカルドをお玉2杯ほど入れてよく炒め、ガジーナにしっかり味をしみこませる。味が十分沁み込んだらガジーナをいったん取り出す。

5、4の鍋に洗った米と1のカルドを500~550mlほど加えて全体をしっかり混ぜ合わせ、強火で沸騰させる。沸騰したら蓋をして弱火で数分加熱し、ご飯を炊き上げる。4の時点で鍋にどれくらい水分が残っているかによるが、アデレソの濃度が濃いので、水分が少ないと底が焦げ付いてしまう。この料理はご飯をアルデンテに仕上げる必要はないので、迷ったらカルドを多めに入れよう。

6、炊きあがったご飯をバットに移し替えて冷ます。冷めたご飯に溶き卵を加えて混ぜ合わせる。しっとりしたフアネが好みなら、卵の量を増やしてもいい。

7、ビハオの下処理をする。まずはビハオの両面を良く洗い、水気を拭きとる。ご飯を包み込むときに破れたり折れたりしないよう、コンロの火でビハオの両面を炙る(海苔を炙る要領)。

8、火で炙ってしなやかになったビハオ2枚を交差させ、その上にご飯とガジーナ、茹で卵1つ(食べやすいよう2つにカット)、ブラックオリーブ1~2個を乗せて丸く包み、紐でしっかり口を閉じる。丸くボール状に包むのが一般的だが、奉書包みの要領で四角く包んでもいい。

9、鍋に湯を沸かし8のフアネを入れて30分茹でる、または蒸し器で蒸す。具材には火が通っているので、ご飯に混ぜた卵液がしっかり固まればそれで充分(私は圧力鍋の蒸し機能で沸騰後弱火で5分蒸しただけ)。サルサ・デ・ココナを添えてできあがり!

10、サルサ・デ・ココナの作り方:みじん切りにしたタマネギとアヒ・チャラピータ、サチャクラントロ、皮を剥いて種を取り果肉の部分だけみじん切りにしたココナを混ぜ、レモン汁と塩を加えて混ぜ合わせる。辛くて酸っぱいサルサなので、苦手なら水を少し加えてもいい。フアネとの相性は抜群なので、ココナが手に入ったらぜひ。

【Keikoからのひとことアドバイス】

cúrcuma(クルクマ/ターメリック)たっぷりのアマゾンのチマキ、いかがでしたか?クリオージャ料理と違い、タマネギとアヒを入れない点がとても興味深いです。

フアネはアマゾンエリアで毎年6月に行われるサン・フアンの祭りに欠かせない料理。この日は朝から家族そろってフアネの材料を買い出しに行き、大量に作って家族や親戚に配るそう。美味しいものをみんなで分け合って食べるって、良い習慣ですよね。

ビハオを大量買いする母と娘@プカルパ
右手にまだ生きているガジーナを、左にビハオをかかえて家路を急ぐセニョーラ@プカルパ。アマゾンの生命力と人々の逞しさを感じさせるお気に入りの一枚

今回はガジーナを1/4羽くらいしか使っていないので、カルドが薄かったかなというのが反省点。本来ならがつんと1羽丸ごと茹でるべきなんでしょうが、そこは少人数家族の弱点ですね。大量に作るからこそさらに美味しく作ることができる・・・ペルー料理のちょっと難しいところです。

また同じアマゾンエリアでも地域によって素材や作り方は異なります。ペルー北部アマソナス州レイメバンバに暮らす友達が、ユカ芋(キャッサバ)を使ったフアネを紹介していました。このフアネも美味しそう!またこのフアネにもチャレンジしてみたくなりました。

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一見複雑そうですが、クルクマご飯を使ったちまき、と考えれば日本でも再現できそうじゃないですか?またいつか、もっと簡単な鶏肉を使ったフアネの作り方もご紹介しますね!

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