ペルーの主要なジャガイモとその特徴

“ジャガイモよりペルー人らしい”、これはペルー人が自らのルーツへの誇りを表すために使う不思議なフレーズです。ペルー人の食卓に欠かせないジャガイモは、ペルーグルメを代表する多くの料理に使われています。栄養や耐久力、エネルギー、そしてペルー人らしさの代名詞でもあるジャガイモを、ペルー貿易観光促進庁(Promperú)が次のように紹介しています。

ペルーはジャガイモ発祥の地として世界に知られています。国際ジャガイモセンター(CIP)によると、約8千年前にティティカカ湖の北部でこの塊茎類の栽培が始まったといわれています。

ペルー農業灌漑省は、およそ71万1000人のペルー人が、アンデス高地の33万8857ヘクタールにおよぶ畑でジャガイモの耕作に携わっていると報告しています。ペルー産ジャガイモの数多い品種のなかでも、カンチャン、ブランカ、ウニカ、アマリージャ、トゥンバイ、ワマンタンガ、ユンガイ、ペルアニータ、ネグラ・アンディーナ、トマサ、ペリチョリ、ワイロなどが最もよく知られています。

これらの他にも、栄養価が高く健康に良いことからペルーのスーパーフードと呼ばれている在来種のジャガイモが複数あります。古のペルー人たちの先祖代々の知恵により、これらのジャガイモは何千年も前からペルーで食用にされてきたのです。

ペルーの市場(いちば)やスーパーならどこでもおなじみのジャガイモですが、それらの見分け方はご存じですか?シチューやピューレにしたり、ロモ・サルタードに添えたりするのなら、どのジャガイモがいいのでしょう?それぞれのジャガイモを判別し、その風味やメリット、ポテンシャルをすべて活かすためのちょっとしたアドバイスを書いておきます。

PAPA CANCHÁN

ペルーの農村部ジャガイモコーディネート団体Corpapaによると、楕円形でピンク色をしたこのパパ(ジャガイモ)・カンチャンは、おそらく国内で最も知名度が高く、最も売れているジャガイモだといいます。主にパパ・レジェーナやパステル・デ・パパ、ロクロ・デ・パパスの素材として、またシチューや肉料理の付け合わせにも使われます。

PAPA AMARILLA

粉っぽい質感で黄色味の強いパパ・アマリージャ。その味と中身はカウサ・リメーニャやジャガイモのピューレ、フライドポテトに最適です。

PAPA PERUANITA

ペルー国旗の赤と白の模様にとてもよく似ていることからこの名が付いたに違いありません。その心地よい風味とクリーミーな食感から、パパ・ペルアニータは主にシチューやスープ、チップスなどに使われます。

PAPA NEGRA ANDINA

何世代も前から栽培されてきた先祖伝来の品種のひとつ。粉っぽい質感でほんのり甘いパパ・ネグラ・アンディーナは、パパ・レジェーナやピューレに向いています。また焼いたり、煮たり、揚げてもOKです。

PAPA HUAMANTANGA

黄色に赤い色素が混ざった細長いジャガイモ。パパ・アマリージャにとてもよく似た粉っぽい質感から、ソースやスープ、シチューのとろみ付けに使われます。また、ローストにしたり、オーブンで焼いてもバッチリです。

在来種のジャガイモたち

さらに、名が知られ流通している品種とは別に、在来種というカテゴリーがあります。これらはペルー原産のジャガイモで、その多くは数千年前から栽培されています。標高3500m以上の高地でのみ収穫が可能で、その時期は毎年5月下旬から8月末までとされています。

単純に茹でて、パパ・ア・ラ・ワンカイーナやオコパ、ワカタイを始め、ペルー料理に欠かせないソースと合わせるのが美味しくいただくコツ。その鮮やかで特異な色合いから、普通はチップスの形で食べられています。

またこれらのジャガイモは美味しいだけでなく、抗酸化作用があり、ビタミンCやB1、B3、B6、カリウム、リン、マグネシウム、鉄などのミネラルを含んでいます。その一部と主な特徴をここに紹介します。

PAPA SUMAQ SONCCO

とても見分けやすい赤色をしていますが、最大の特徴は断面のハート模様。この模様には、深紅から桜色までいろいろなバリエーションがあります。

PAPA QEQORANI

この品種の目印は、紫色または青色をした断面の中心部。クスコやアヤクチョ、ワンカベリカで栽培されています。

PAPA CACHO DE TORO

ジャガイモの中でも最もユニークなもののひとつで、曲がった角(つの)の形をしています。表面は赤みがあり、内部は紫色で、クリーム色の斑点があるものも。

PAPA YAWAR WAYKU

パパ・ヤワル・ワイクの「ヤワル」は、ケチュア語で血を意味します。このジャガイモの内部は強烈な赤い色で、割ると血の色に似ていると言われることからこの名が付けられました。

PAPA LEONA

表面は黒っぽく、黄色い斑点のある丸い形のジャガイモ。中身は濃い紫色で、白い斑点があるのが最大の特徴とされています。在来種のジャガイモの中でも、特にビタミンCが豊富に含まれる品種です。

(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú)

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