Escabeche de Pescado エスカベチェ・デ・ペスカード

エスカベチェとは、加熱した肉や魚介類をビネガー入りのマリネ液に漬け込んだいわゆる南蛮漬け。北アフリカからイベリア半島を通って地中海沿岸へ、そして中南米へと伝わったエスカベチェは、ペルーでもそれこそ「おばあちゃんの味」として親しまれる昔ながらの一品です。

ペルーのエスカベチェに欠かせないのが、“アヒ・エスカベチェ”の異名を持つアヒ・アマリージョ。マリネ液の材料としてだけでなく、マリネ液に漬け込む野菜にも使うんですよ。たくさん入れても加熱+酸味で辛さはほぼ中和されるので、怖がらずたっぷり入れちゃいましょう。

【材料】2~3人分

  • カツオやペリコ、ティラピアなどお好きな魚 人数分
  • アヒ・アマリージョペースト 大2
  • アヒ・パンカペースト 大2
  • ニンニクのすりおろし 大1/2
  • タマネギ 中2個
  • アヒ・アマリージョ(フレッシュ) 2本
  • 赤ワインビネガー 40~50ml
  • 魚の出汁、または水 150~200ml
  • 小麦粉、塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
  • 付け合わせ:茹で卵、茹でたカモーテ(サツマイモ)、ブラックオリーブ、レタス、ご飯など

【作り方】

1、お好きな魚を適当な大きさにカットし、軽く塩コショウをして小麦粉を薄くまぶし、カラッと揚げておく。耐熱容器かバットに並べておく。

2、タマネギを繊維に沿って1~1.5cm幅にカットしておく。種と白い筋を取り除いたアヒ・アマリージョを0.3~0.5cm幅にカットしておく。

3、フライパンに油(分量外)を入れ、ニンニクと2種類のアヒペーストを加えてよく炒める。塩コショウとクミン、オレガノを加えてさらに炒め、香りを引き出す。

3、3のフライパンにアヒ・アマリージョを入れ軽く炒める。アヒに7~8割ほど火が通ったらタマネギを入れて軽く炒める。そこにワインビネガーと魚の出汁を入れ、全体にとろみがつくまで煮詰める。タマネギのシャキシャキ感を残すよう、炒めすぎには注意して。魚の出汁は一度に全部入れず、様子を見ながら好みの濃度になるよう調整しよう。

4、1の魚の上に3をかけ、魚に調味液をなじませる。後はお好きなタイミングで召し上がれ。

【Keikoのひとことアドバイス】

簡単だし失敗もないし、魚だってその日その時期に一番お手頃なものを使えばいい、ある意味主婦のお助け料理です。日持ちもするので、お弁当のおかずなんかにもぴったりですね。魚の代わりに鶏肉や、さっと茹でたカリフラワーや豆類を漬け込んでも美味しいですよ(その場合は魚の出汁をチキンブイヨンやベジブロスに置き換えてください)

カリフラワーのエスカベチェ。コクを加えるため、私は食べる直前にオリーブオイルをひとたらししています。

ペルー人はエスカベチェのタマネギの食感にたいそうこだわりがあるようで、「タマネギを炒めずさっと湯に通し、赤ワインビネガーに漬け込んだものを和える」なんてレシピもありました。シャキシャキかクタクタかは個人の好みだと思いますが、参考までに記述しておきます。

ペルーでは前日に作って一晩漬け込み、翌日に頂くというパターンがほとんど。出来立てより酸味が和らいで味もまろやかになるので、砂糖なしでも問題ありません。ただ出来立て熱々をご飯と一緒に食べる場合はビネガーの量を減らすか、砂糖を少し加えたほうがいいかもしれませんね。

ペルー風エスカベチェは砂糖不使用で塩分控えめ 、日本で作られる一般的な南蛮漬けよりずっとヘルシーです。アヒ・アマリージョはビタミンCやカルシウム、鉄、レチノールといったミネラルのほか繊維質も豊富なので「魚や野菜をいっぱい食べられる南蛮漬けを作りたいけれど、塩分が気になる」なんて方にも、ぜひ召し上がっていただきたい一品です。