新型コロナ ペルーでブラジル変異株を確認

ピラール・マセッティ保健相は4日の国会で、新型コロナウイルスの英国変異株に続き、国内3地域でブラジル変異株が確認されたと報告した。

「複数の検体に変異がすでに発生していることを国立衛生研究所(INS)に確認しました。ロレト州とワヌコ州、およびリマ州の一部でブラジル変異株が見つかっています。したがい、国内には現在英国とブラジルの2種類の変異株が存在します」

数々の研究報告により、これらのウイルスは通常より高い感染力を持つと示唆されている。14日前、ロレト州病院感染症科の責任者フアン・カルロス・セリスは、すでにアマゾン地方にもこの変異株が侵入しているのではないかと報告していた。

ロックダウン地域拡大の可能性

この4週間で感染状況がパンデミック当初2か月間の水準に達しつつあり、ICU病床使用率は94.67%になったと保健相は指摘。「このところ、家族のひとりが罹患すると残りの家族にもすぐに感染が広がっています」

この状況に関しベルムデス首相は、現行の防疫措置を変更する可能性に言及。「見ての通り、感染ヒートマップではアプリマック州を始めとする国内中部に感染リスクが集中しています。数日中に再ロックダウン適用地域が拡大されるかもしれません」

ワクチンの確保

政府の報告ではこれまでに8520万単位の新型コロナウイルスワクチンの購入手続きが済んでいるものの、今のところひとつも到着していないことが問題となっており、ベルムデス首相と保健相は、エリザベス・アステテ外相と共にペルーへのワクチン到着遅延とCOVID-19第二波対策について国会での説明を求められていた。

国会で首相らの到着を待つ間、フランシスコ・サガスティ大統領は国民に向けメッセージを発信。米国の製薬企業ファイザーから2000万単位のワクチンを購入したことを明らかにし、うち25万単位はこの3月に、30万単位は4月中に到着予定とした上で「6月までに少なくとも505万単位のファイザー社製ワクチンを確保する」と注釈した。

大統領はさらに、ファイザー社製ワクチンに加え、今年第1四半期中にGAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)による新型コロナウイルスワクチン分配スキームCOVAX Facilityから11万7000単位を、3月には英アストラゼネカ社から40万単位を入手すると述べた。

中国製ワクチンのペルー到着遅延

当初2月9日とされていた中国企業シノファーム社製ワクチン初回ロット100万単位の国内到着日については、13日に延期されたと大統領は報告。その後、到着は14日になるだろうと外相が改めて伝えた。

シノファーム社製ワクチンの遅延は、3日に予定されていた貨物便の空輸が中止されたことによるもの。在秘オランダ大使館は4日午前、当事者であるKLM航空によるワクチンの輸送につきTwitterで公式声明を発信したが、ペルー政府はこの内容を問題視していた。

同声明には「搭乗地(輸出元)での準備が整い次第、より安全かつ信頼できる方法により、KLMはリマに新型コロナワクチンをお届けします」と記されている。当件を含め、今年第1四半期中には合計で206万7000単位のワクチンがペルーに到着する予定。

(ソース: Gestión 05/02/21)

ペルーパンデミック327日目

ペルー保健省発表2月3日COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 1165052人(前日比+6715)
  • 死者数累計 41753人(+215)
  • 既検査数累計 6491121件(+50557)
  • 陽性率 17.95%↓
  • 死亡率 3.584%↓
  • 入院患者数 13501人(+307)
  • 上記の内ICU患者数 1953人(-8)
  • 回復患者数 1069129人(+0)

直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 2月3日 6715人(215)
  • 2月2日 8573人(184)
  • 2月1日 7048人(173)
  • 1月31日 4477人(155)
  • 1月30日 5217人(169) 
  • 1月29日 7147人(171)
  • 1月28日 6190人(202)
  • 直近7日間平均 6481人↑(181.3↑)
  • 直近7日間の陽性率 16.32%↓ ※累計比
  • 直近7日間の感染者数合計 45367人↑(前日比1000↑)
  • 直近7日間の死者数合計 1269人↑(前日比3↑)

(ソース: MINSA 2月4日)