ペルー査証スタンプ転記のデジタル申請方法

ペルー在留邦人なら誰もが持っているであろう日本のパスポート。普通は5年か10年で期限満了となるため、領事館での更新手続きが必要となります。さらに、外国人居住者であればパスポート上に在留資格(査証)が押印されているので、ペルーの在留監督庁まで赴いてこれを更新後のパスポートに転記してもらわなければなりません。

この手続きは「Traslado de Sello(査証スタンプ転記)」と言いますが、新型コロナウイルス感染症に伴う国家緊急事態の発令により、在留監督庁(Migraciones)では現在窓口での直接申請を受け付けていません。そこで同庁のデジタルプラットフォームを通じた申請が必要となります。今回だんなが行ったこの一連の作業を、備忘録としてメモしておきます。

Traslado de Sello(査証スタンプ転記)をやってみた

必要なもの

  1. インターネット回線接続済のPC(携帯アプリあり)
  2. 更新済のパスポート
  3. 旧パスポート(VOID済のもの)
  4. Formulario F-002(在留監督局のウェブサイトからダウンロード)
  5. Constancia de Pago de Tasas (Banco de la Naciónのデジタルプラットフォームpagalo.peに利用者登録し、Migracionesの項目からcode1792を選択してカード等で支払う。登録時のメアドにタイトルのPDFが送付される。手数料は本日現在でS/19.40)
  6. 現在有効な外国人登録証 (Carné de Extranjería vigente) 裏表両面のコピー
  7. プリンター
  8. スキャナー(PDF形式保存不可ならPC上での変換ツールが必要)

準備するもの

  1. 更新済パスポートのデータ頁(顔写真のある頁)をスキャンしPDF形式で保存
  2. 旧パスポートのデータ頁をスキャンしPDF形式で保存
  3. プリントアウトしたFormulario F-002に必要事項を記入、署名・拇印後スキャンしてPDF形式で保存
  4. 「必要なもの5」で送付されたConstancia de Pago de TasasのPDF
  5. 直近のペルー入国スタンプが押された旧パスポート頁をスキャンしてPDF形式で保存
  6. 「必要なもの6」でコピーしたカルネをPDF形式で保存

デジタル申請手続き

1.Migracionesのサイト(www.migraciones.gob.pe)にアクセスし、上部のタブから「NUEVA AGENCIA DIGITAL」を選択し、「ENTRAR」をクリック

2. 認証ページへ移行後、右上部タブから「Extranjero」を選択し、カルネの種類とカルネ番号、誕生日、現行カルネの発行日、国籍、直近の入国日、画面上の認証コードを入力して次のページへ進む(入力に時間制限があるので注意)

3. 左側に並んだ項目の下部にある「Mesa de partes」をクリックすると、メールアドレスと連絡先電話番号の入力を求められる。メアドを2回、電話番号(携帯でも可)を入力し、確認後次のページへ(申請後のすべての連絡はここで登録したメアド宛に送付されるので、誤入力等のないよう注意が必要)

4. ページが遷移したら、プルダウンで申請する手続き(この場合はTraslado de Sello)を選び、手続き内容を入力(例: Traslado de Sello por renovación de pasaporte)。「準備するもの」で用意した1~6のPDFファイルをアップロードし、添付枚数を入力して次ページへ進む(入力に時間制限があるので注意)

5. 遷移後の最終ページで氏名やカルネ番号、タイトルを確認し、問題がなければ「FINALIZAR」をクリック。登録したメアド宛に申請内容の写し(CARGO)が送付されたら申請手続きは終了。

申請完了後のプロセス

コロナ禍で在留監督庁の諸手続きが混雑し、処理の進行が遅れているようです。

申請内容に書類不備や誤記などの問題がなければ、登録したメアド宛に申請番号入りの承認書(constancia)が送られてきます。あせらず、とにかく気持ちを平静に保ってひたすら待ちましょう。だんなの場合、デジタル申請完了からメールの受信まで19日かかりました。また承認書が届いたからといって、これを片手にイミグレに押しかけても無駄です。実際のスタンプ転記については、在留監督庁が改めて日時を指定してくるのです。なので次のメールが届くまで、さらに待ち続けなければなりません。

旦那の場合、それから一週間後に在留監督庁から手続きの日時と場所を指定したメールが送られてきました。指定日当日ブレーニャ区の本庁に赴き、入口で手続き内容と時間を告げ、窓口にパスポートを提出。申請から押印まで通算26日、晴れて新しいスタンプを押してもらうことができたのでした。監督庁での押印手続きに必要なものは次のとおりです。

  • 在留監督庁から送付された手続き日時指定メールのコピー
  • 更新済の新しいパスポート
  • 旧パスポート
  • Carné de Extranjería (vigente)

申請で気づいた点とアドバイス

システムが若干不安定

アクセスの集中(503エラーの頻発)や画面遷移上のバグなど、特に平日の日中はプラットフォームが不安定な動きをするケースがしばしば見受けられました(いずれは改善に向かうのでしょうが)。加えて入力時間制限のあるページが多い(日本の感覚で臨むとやられます)ため、出来れば比較的安定している夜間の申請をおすすめします。

必要書類は事前に準備しよう

デジタル申請にあたり、前記の「準備するもの」で示したPDFはすべて揃えておきましょう。一旦申請を始めたらサクサクと進めていかないと、入力時間制限の壁に阻まれ何度も振り出しに戻るハメになります。

電話がなかなかつながらない

コロナ禍による措置で窓口での対面受付が停止されているため、在留監督庁の電話は現在非常に混雑しています。平日日中は話し中の場合が多いので、質問などは夜間や週末を狙った方がいいかもしれません(24時間対応)。ちなみに、WhatsAppやMessengerで問い合わせても、ほとんどのケースで「代表に電話してね」というレスが返ってきます。

果報は寝て待て

デジタル申請が完了したら、申請したことを忘れるぐらい鷹揚に構えて吉報を待ちましょう。諸般の事情でお急ぎの方は、早めにパスポートの更新をされた方がいいかもです。

でも自分でやるとやっぱり安い

在留監督庁の手数料はわずかS/19.40、後に続くDuplicadoを合わせてもS/70以内で収まり(交通費は別)、Tramitadorに依頼するよりも格段に安くつきます。パンデミック下でパスポートを更新しなければならないのは不運ですが、これからトライされる方がいれば少しでもご参考になれば幸いです。

(※各データやプロセスは2020年11月18日現在のものであり、今後予告なく変更される場合があります。詳しくは国家在留監督庁にご確認ください)

11月22日追記: UIに変更があったようで、画面左側に専用の項目が設けらていました(下図参照)。これにより、画面上の申請プロセスも若干変更が加えられているようです。

ペルーパンデミック248日目

ペルー保健省発表11月16日COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 939931人(前日比+1663)
  • 死者数累計 35317人(+46)
  • 既検査数累計 4831147件(+15319)
  • 陽性率 19.46%↓
  • 死亡率 3.757%↓
  • 1日の検査数 15319人(+2082)
  • 1日の感染者数 702人(+257)※当該日以前の感染者961人を除く
  • 入院患者数 4842人(+7)
  • 上記の内ICU患者数 975人(-19)
  • 回復患者数 867306人(+1958)

直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 11月16日 1663人(46)
  • 11月15日 1257人(40)
  • 11月14日 2112人(54)
  • 11月13日 2249人(71)
  • 11月12日 2413人(39) 
  • 11月11日 2231人(36)
  • 11月10日 2575人(39)
  • 直近7日間平均 2071.4人↓(46.4↓)
  • 直近7日間の陽性率 11.1%↓ ※累計比

(ソース: MINSA 11月17日)

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