日曜終日外出禁止9月以降も継続の可能性

新型コロナウイルスの感染拡大傾向に伴う16日からの日曜終日外出禁止措置再適用を前に、ピラール・マセッティ保健相は13日、9月以降の延長可能性は今月中(3回実施予定)の結果次第と表明した。

「当措置が有効かそうでないか、感染者数が減るかどうか8月後半の結果を見極めたいと思います。効果が見られれば適用期間をさらに半月伸ばし、感染者の減少を図るべきでしょう。感染者数への影響を観測するつもりなら、1か月間は同じ措置を継続して行う必要があります。その後は数字が下がると思われます」と同相は説明。

さらに、疫学的分析を実施するのであれば、観測対象となる集団を数週間孤立状態に保ちその後数値の変化を見るという手法が求められるとした上で、「それには場所による効果の有無をピンポイントで観測しなければなりません」と注釈した。

日曜を終日外出禁止にする理由

終日外出禁止措置を日曜に適用する理由について同相は、外出日数自体を削減し、人の移動および他人同士やモノとの接触機会を減らすという意味があると解説。日曜には大多数の市民が仕事を休んで家にいるため、集団での外出や来訪者を家に招き入れる原因になるとし「日曜の選択が本当に正解なのかどうかは判断の分かれるところですが、この日に他人との接触機会が増えるのは事実です」とラジオ番組でコメントしている。

PCR検査

同相はまた、COVID-19への早期対応に向け戦略の変更が求められており、そのためにはPCR検査を可能な限り実施する必要があると主張。同検査キットの備蓄は現在80万単位、来週には100万単位まで増える予定であり、地方政府や地方自治体、国軍の協力を得て少しずつ検査数を増やすことができそうだと話した。

同相はさらに、感染検査の実施が簡易検査キット使用に特化されていたのではと批判する勢力に言及、「今私のいるこの場所(椅子)に座っておられたなら、どう対処されたのかお伺いしたい。PCR検査キットが手元になかったので、簡易検査キットを使わざるを得なかったのです。最良の選択とは言えないでしょうが、論理的に考えてみてください。何かがその国になければ、それをどのように補うか考えなくてはなりません」と語気を強めた。

子供の感染状況

全国一律のロックダウンが緩和された7月以降、子供の感染者数は上昇傾向にある模様で、同相は現在の感染者を2万3000人、うち惜しくも81人が死亡したと報告している。

サポーター騒動

リーガ1(ウノ)のサポーター騒動について同相は、日曜に再び終日外出禁止措置が適用されたので、サッカーの無観客試合はこの機会を利用して日曜日に行えばよいと指摘、行儀が悪いのは市民(サポーター)であり、ペルーサッカー連盟はなすべきことをしていると評価した。

医師追悼セレモニー

ビスカラ大統領はマセッティ保健相を伴い、新型コロナウイルスとの戦いで命を落とした医師125名を追悼する記念碑の除幕式に参列した。この式典はペルー医師会の企画によるもので、大統領は「政府の措置は窮屈で不快に映るかも知れないが、われわれは全力で取り組んでおり、ふたたび感染拡大を抑えて持続的な収束へとつなげたい」とメッセージを述べた。

専門家の見解

ペルー医師会のシロ・マギニャ副会長は日曜終日外出禁止の再適用に関し、有効な措置ではなく、地区レベルでスポット封鎖を実施する限定的な戦略をとるべきとTV番組で主張。地区を封鎖しその中でPCR検査を実施すべきで、一部の地方自治体ではすでにこの方法が採用されているものの、まだ全国には広がっていないとし、「効果的な方策としては防疫封鎖(スポット封鎖)が挙げられるでしょう。汚染地区で一軒一軒感染者を探し、PCR検査を行います。同様の手法をサンボルハ区やラ・モリーナ区で目にしていますが、適用を拡大していかなければ努力が無駄になってしまいます」と訴えた。

感染症医のフアン・ビジェーナもまた、終日外出禁止の再適用について、疫学的根拠を欠いていると捉えこれを”軽はずみ”だと批判する。ワルテル・マルトス首相の意見同様、COVID-19のウイルス潜伏期間が最大14日とされていることから、ビジェーナ医師も再適用の結果を3週間で評価するのは不可能だと考えている。「(再適用は)感染を防ぐことができないので、意味がありません。いままでの外出制限も緊張感に欠けており、(われわれペルー人は)一旦解除されればすべてを忘れてしまうんです」とネット上で発言している。

一方、ビクトル・サモラ前保健相は、社会と経済活動の再開措置が予想外の影響をもたらしたと認識するのはいいことだとした上で、「確かなのは、感染者数が増えそれを止めなければいけないということです。わが国の保健衛生機構は感染拡大をコントロールできませんから」とTV番組で話した。

感染症医のエドゥアルド・ゴトゥッソは、再適用は評判のいい措置ではないという話だが市民への警鐘にはなるとし、「もう決まったことなので、協力はしますよ」とGestión紙に回答した。さらに、このところ10日間の感染者増でリマ市内の病院は満床状態と明かし、「われわれには感染者を削減する責務があります。(医療スタッフは)何らかの症状があったとしてもCOVID-19と戦わなければなりません」とコメントしている。

見直し分の死者数3658人を追加計上

保健省のルイス・スアレス副相は13日午後、同省のワーキンググループによる直近数か月間の死亡者数見直し作業を通じ、COVID-19由来の死者として新たに3658人を計上(※当日分277人を除く)。これにより同日午後零時現在のCOVID-19国内累計死者数は2万5648人まで増加した。今回の算入は7月17日までの死亡者データによるもので、いまだ約1万5000例の見直し作業が残されており、遅くとも8月19日には次の修正死者数が公表される見込み。

なお、同日の累計感染者数は前日比で9441人増え、パンデミック宣言以来の一日当たり感染者数を更新。累計感染者数は50万人を超え、50万7996人に達している。

(ソース: Gestión 14/08/20)

ペルー国家緊急事態発令152日目

8月14日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 516296人(前日比+8300)
  • 死者数累計 25856人(+208)
  • 既検査数累計 2705122件(+28108)
  • 陽性率 19.09%↑
  • 死亡率 5.008%↓
  • 1日の検査数 28108人(-5442)
  • 1日の感染者数 4189人(-880)※当該日以前の感染者4111人を除く
  • 1日の陽性率 14.90%↓
  • 入院患者数 14175人(+188)
  • 上記の内ICU患者数 1553人(+28)
  • 回復患者数 354232人(+6226)

過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 8月14日 8300人(208)
  • 8月13日 9441人(3935)
  • 8月12日 8875人(212)
  • 8月11日 6547人(225)
  • 8月10日 5109人(204)
  • 8月9日 7012人(228)
  • 8月8日 7137人(195)
  • 直近7日間平均 7488.7人↓(743.9↓)
  • 直近7日間の陽性率 28.78%↑ ※累計比

(ソース: MINSA 8月14日)

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