宅配ブームとバレンタイン

ペルーではバレンタインデーのことを、El día del Amor y de la Amistad(愛と友情の日)という。他の言い方もあるが、恋人に限定せず、家族や友達との愛情&友情も祝いましょうというこの表現はとても好きだ。

我がアパート内ワッツアップでは朝から「親愛なる隣人たちへ、友情の日おめでとう!」「おめでとう!よい一日を!」というやり取りが飛び交っていた。普段は極々表面的な付き合いしかしないのに、こういうメッセージに関してはとてもマメなペルー人たち。時々「白々しいなぁ」と思うけど、それでも言葉にするのは良いことだと思う。

昨日あるガソリンスタンドの横を通ったら、物凄い数のGlovo!バイクが並んでいた。Glovo! はヨーロッパと中南米で急成長中の宅配アプリ企業だ。リマの街ではすっかりお馴染みとなったこの黄色い箱だが、これだけの数が一堂に会す様子は見たことがない。いったいなんで?どうしたの?

写真を見てお気づきの方もいるだろう。そう、Glovo!のドライバーたちは花束の宅配のためにここに集まっていたのだ。リマでは敷地内にコンビニやファーストフード店をそろえたガソリンスタンドが増えている。恋人や愛する家族を訪ねる前に花束の一つでも買おうという人が多いのか、なぜか花屋が併設されているところも少なくない。時代は宅配アプリ、そして昨日はバレンタインデー。結果としてこういう光景になったわけだ。

ガソリンスタンドのお姉さんに「すごいね~」と言ったら、なぜかぷりぷり怒っていた。自分への花じゃないからかしら?なんて一瞬意地悪なことを思ったけれど、「バイクのせいでお客さんの車が入れないの。すごく邪魔よ!」と。しかも敷地を無理やり突っ切るドライバーもいて、結構危ない場面もあった。至極ごもっともなお怒りである。

大切な人から花を贈られた人たち、Felicitaciones! でももしかしたらその美しいバラの花束には、ガソリンスタンドのお姉さんの怒りもちょこっと添えられているかもしれないね(苦笑)

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