ペルーの野生動物密売取締、昨年度1万398点押収

野生動物違法取引の取締りを強化しているペルーでは、2017年に生体や剥製、体の一部(頭蓋骨や表皮)など合計で1万398点を押収した。国家森林・野生動物機関(SERFOR)のジェシカ・ガルベス=ドュランドが伝えた。

政府は昨年1081件の取締りを実施、うち715件は農業灌漑省が管轄するSERFORの地方支局、森林・野生動物専門機構(ATFFS)が、366件は地方政府の森林・野生動物管掌部門が対応し、モケグア、タクナ、プーノ、リマ、サンマルティン各州を中心にそれぞれ9088点と1310点を押収した。

国内で生体の違法取引が多い動物は、フニン州の湖に生息するマーブルド・ウォーターフロッグや、ティティカカ湖のティティカカ・ウォーターフロッグなどの両生類、羽が黄色く嘴の鋭いBrotogeris versicolurusSicalis flaveolaなどの鳥類、タリカヤガメ(和名: モンキヨコクビガメ)モテロガメ(和名: キアシガメ)などの爬虫類、フライレザル(トップ写真)マチンザルなどの哺乳類。

これらの野生動物は、普通は単体か木材に紛れて、また時には麻薬と一緒に同じ密売人が運んでいるとガルベス=ドュランド氏は明かした。さらには動物たちの価格表も作成されつつあり、一例としてピグミーマーモセットには最高で5000㌦の値が付けられていると指摘した。

同氏はまた、環境特捜部(FEMA)や国家税務監督庁(SUNAT)、沿岸警備局(DICAPI)、国家警察(PNP)などの各機関を通じて昨年確認された新たな違法取引ルートにつき次のように報告。

陸路ではランバイエケ、ラ・リベルタ、ピウラ、トゥンベス各州を結ぶ北部パンアメリカン自動車道、アンカシュ、ワヌコ、フニン、タルマ、ラ・オロヤを通る中央山間縦貫道、クスコ、アヤクチョ、イカ各州を繋ぐ南部山間縦貫道、アレキパ、モケグア、タクナ各州に延びる南部パンアメリカン自動車道など。

水路は主にティグレ―パスタサ、マラニョン―アマソナス、マードレデディオス―ウカヤリの各河川ルート、空路ではマイナス⇒イキトス(ロレト州)、プルス・セパウア・アタラヤ⇒プカルパ(ウカヤリ州)、タワマヌ・タンボパタ⇒プエルトマルドナード(マードレデディオス州)など。

違法取引による野生動物はペルーから先ずスペインやドイツ、フランス、オランダなど欧州を始めとする国々に送られ、その多くは欧州を中継地点として中国、日本、タイ、シンガポールなどのアジア諸国へと運ばれる。相手国リストにはこの他にも米国、メキシコ、カナダ、エクアドル、コロンビア、ボリビアなどが含まれ、多くの国では密輸された動物が合法下で取引されていると同氏は話す。

世界における野生動物の違法取引は金額にして年間500億~1500億㌦と見積もられ、武器、人身売買、麻薬に次ぐ第4の市場とされている。同種の取引につき、ペルー国内法では初犯の場合最大10UIT(約140万円)の罰金が課される。

(ソース: Andina 13/06/18)

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