たかがキャップ、されどキャップ

Gloriaの牛乳パックの注ぎ口が変わった。以前はLaive(写真奥の青いパッケージ)と同じで、白いプラスチック蓋を開け、その下にあるビニールをはがすパターンだった。Laiveは作りがいい加減で、このビニールが上手くはがれず途中で千切れることが多かった。だからずっとGloriaを使っていた。

それが今は、丸いキャップを捻るだけになった。キャップの内側にギザギザがついており、捻ると同時に内側のビニールも切断する。たった一度の作業で開封できるようになったのだから、これは「パッケージデザインが進化した」と言えるだろう。でも言い切れないのがペルー製品たる所以である。

なぜか、それはキャップの径が小さいのだ。小さすぎて牛乳が満タンだと空気が中へ入らず、どんなにそ~っと注いでも、「ゴボッゴボッ」と飛び散る。朝のコーヒーを飲む前に、飛び散ったり容器に伝った牛乳をふき取るのは、どうしようもなく気が滅入る作業だ。仕方なくキャップと反対側の端っこを持ち上げて少し切り、空気穴を作っている。滅菌牛乳なのにこれじゃ意味がないと思うが、今のところこれ以外の解決方法が見当たらない。

ペルーは貧富の差が激しく、インテリ=大卒=金持ち=家事はメイド任せな人が多いせいか、とにかくプロダクトデザイン力が異常に低い。小さすぎて鍋が洗えない流しや、緑色の研磨面と本体があっという間にちぎれてしまうスポンジ、ゴミを集めていたらスポッと柄が抜ける塵取りなど、台所や掃除関係が特にお粗末なのもメイド文化の弊害だろう。

このキャップだって、径があともう少し大きければ問題ないはずだ。でも「これ以上大きくする余裕がないよ」「じゃ、いっか」で終わるのは、結局自分たちが料理や掃除をしないからに他ならない。まったく、家事を舐めんじゃないわよー!

うちにメイドがいないからと僻んでいる訳では決してない。ただもう少し消費者の立場に立ってよね、と言いたいだけである。「キャップ一つで大げさな」って?いやいや、手づくりヨーグルトの分も併せて週4箱消費する我が家には、結構大問題なんです。