アレキパ旅行 アンデスの露天風呂

食堂の主人に教えられた道を通って温泉へ。コルカ川を右手に眺めながら、砂埃の舞う坂道をゆるりと下っていく。1kmほど歩いただろうか、川の対岸に露天風呂が見えてきた。タンボ温泉だ。大きな岩に押し潰されそうな小屋も見える。なんとも秘境っぽいではないか。

タンボのすぐ鼻先に、チャカピの看板も見つけた。とりあえず主人のオススメであるチャカピから攻める。

チャカピはヤンケ村営の公共温泉だ。階段を降りると屋根付き、屋根なしのプール状の温泉+子供用温泉があった。更衣室、シャワー室、ロッカーもあり、思いのほかきちんとしている。

さてさて、お湯加減はいかがかな。ちゃぽ~ん… 気持ちいい~!35度前後と聞いたが、それほどぬるくは感じない。お湯の湧き出し口からはもう少し熱い湯が出ていて、ジャグジーのようでとても快適。お湯は無色無臭でカルシウム、マグネシウム、硫黄、塩素が含まれているそうだ。夕方のせいかお客さんもまばらで、ほぼ貸し切り状態。くぅ~、贅沢なり。

思いのほか気持ちよくて去りがたかったが、山の夕暮れは早い。暗くなる前にタンボへ。コルカ渓谷(渓谷と言っても、この辺りは大した標高差はない)を下り、吊り橋へ向かった。

橋の手前には「温泉15ソレス、吊り橋・景色を楽しむ(代金)5ソレス」という看板があった。橋から景色を楽しむだけで金を取るのかと思ったが、この橋を架ける苦労を思うとまあ仕方がない。「2人づつ渡れ」という言葉に、一瞬不安になる。こんなところで落ちたらしゃれにならん。

いざ渡ろうとしたところ、前方からコルカの伝統衣装を着たおばちゃんが、悠々とした足取りでこちらに向かって歩いてきた。彼女はこの温泉の女主人。崖を下りてくる観光客を見つけるとすぐさまやって来て、橋を渡る前に料金を徴収する。なんともしっかりしたオバチャンだ。

実を言うと、今夜の宿はこのオバチャンが経営するオスタルだった。「温泉がある」と言うから選んだのだが、こんなに遠いとは思わなかった。これなら違う宿でよかったなぁというのが正直な感想だが、選んでしまったものはしかたがない。

3000mを超すアンデスで濡れた水着を着るのは拷問に近いが、湯煙り漂う露天風呂を前に、うだうだしてられない。心臓が止まりそうな冷たさを堪えつつ、一気に温泉へ…最高!!

源泉かけ流しの贅沢温泉。お湯も熱いし景色も最高。気のいいオジチャン(オバチャンのオット)との湯船越しの会話も楽しい。気持ちよすぎて、明日も来ることに決定。帰りはスペイン人グループのバスに乗せてもらい、楽々と宿まで戻ることができた。は~、極楽極楽。温泉の写真はまた明日。日本人なら絶対入りたくなるはず!

モバイルバージョンを終了