116歳のフィロメナさん 長寿の秘訣

ペルー中部ワンカベリカ州アコリア地区のポクト村で平穏な日々を送るフィロメナ・タイペ・メンドーサさんは、おそらく村で最も愛されている人物だ。一人暮らしで齢116になるフィロメナさんは、杖さえあれば歩ける。彼女のもとには絶えず隣人が訪れる。

「100年以上長生きしている秘密は自然な食生活ね。ジャガイモ類、ヤギやヒツジの肉、ヤギの乳、ヤギのチーズや豆をいつも食べてたわ。料理に使うのは全部チャクラ(農場)で採れたもの。缶詰や紙パックのものなんて一度も食べたことないわ。炭酸飲料もよ」と、驚くほどしっかりした言葉で話すフィロメナさん。薪をくべたカマドで麦を炒りながら、近所の学校に通う子供たちとおしゃべりをする彼女を見かけることは多い。

フィロメナさんの身分証には1897年12月20日生まれと記されている。9人もうけた子供たちも今ではたった3人になってしまった。質素な自宅の軒先に置かれたベンチで隣人たちと会話するのが彼女の日課だ。「独りきりだったことなんてなかったと思うわ。いつも誰かがそばにいてくれるし」と彼女は語る。

国家保険局のルイス・アギラール・エセナロ氏は、フィロメナさんの食生活が健康な人生を送るための好例だと考えている。「ヤギ肉はタンパク質を供給し、ジャガイモ類は活力源になる。フルーツや野菜も食べるだろうし、砂糖や塩、添加物の多い加工食品は避けている。街で売られているものでなく、本来の自然食品を彼女は恒常的に摂取してきた」と、アギラール氏はエル・コメルシオ紙の取材に答える。

ペルー応用科学大学の栄養学と食餌療法学の権威で、アギラール氏の同僚でもあるサンドラ・クシラモス氏は、フィロメナさんの長寿の秘訣は、アンデス産の良質の食品摂取に加え田舎の生活で自らの身体を動かすこと、この二つの組み合わせだという。

「天然のジャガイモはビタミンCとAを豊富に含んでおり、皮がついたまま調理することでアミノ酸の損失が防げます。オカ(アンデス産のジャガイモの一種)も皮とともに食べるので便秘の予防になります。また、繊維質やデンプン質、糖質、呼吸器系の障害を予防するビタミンAを含んでいます。ヤギの乳からはカルシウムを、肉からはタンパク質や身体の抵抗力を高める亜鉛が摂取できます」と、クシラモス氏は説明する。

サンマルティン・デ・ポーレス大学老化研究センターのホセ・パロディ氏は、「フィロメナさんは例外です。彼女同様に丈夫な人々-丈夫な身体で生まれ、国家の医療設備など皆無に等しく、かつ都市部に比べ生活水準が極めて低いであろう山間部の田舎でなおその頑丈さを保っている人々-の中から自然と選ばれた特に頑丈な方で、語り継がれるべき長寿といえるのではないでしょうか」と述べる。

ペルー社会開発・包摂省の貧困層向け年金「ペンシオン65」受給者のうち、100才を超える加入者は全国におよそ400人いるが、フィロメナさんはその中でも最も長く生きている。

(ソース: エル・コメルシオ)

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