トックリキワタとハチドリ

fbにアップされる日本の桜の写真に触発されて・・・ではないけれど、3月から4月にかけてリマの空をピンクに染める花があります。

それが「Palo borracho(パロ・ボラチョ/酔っぱらいの木)」、日本名「トックリキワタ」。季節感の薄いリマにあって、夏から秋への移ろいを教えてくれる数少ない花です。ただ桜と違って、咲き始める時期や期間に個体差があります。その辺りのラテン的な適当さが結構好き。

我が家からスーパーへの道を少し遠回りした先にある個体などは、まさに今が盛りです。

先日、バランコで見たトックリキワタと青空のコントラストが素晴らしくて見とれていたら、二羽のハチドリが熱心に花の蜜を吸っていました。この木はもう随分花が散り始めていたけれど、それでもハチドリにとってはもう一面のご馳走なんでしょうね♪

遠すぎてデジカメじゃうまく撮れないけれど、せっかくなのでチャレンジ。

目で追っていた時は二羽の動きがよく見えたのに、あとから写真を見ても小さすぎてどこにいるやら全然分からず(苦笑)。ウォーリーを探すより大変でしたが、季節ものということでその証拠画像をご堪能ください。

まさに食べ放題♪

夏の太陽をたっぷりと吸収した花の色は濃く力強いのに、青々とした芝に散るそれはなぜかとても淡く見えます。こうして見ている間にもはらはらと花びらが舞い落ちてきて、ラテンらしからぬ情緒的な風情を醸し出していました。

トックリキワタを見てそんなことを思うのは、やはり私が日本人だからなんでしょうね。もう長いこと満開のソメイヨシノを見ていませんが、瞼の裏に浮かぶその風景は、地球の裏にいても変わることはありません。

リマはもうすぐ真っ白な海霧に覆われ、辺り一面象牙色に染まります。スルコ区はまだ晴れの日も多いけれど、海沿いのエリアはもうそろそろ上着なしには過ごせないかも。

まだ夏の余韻を楽しんでいたい私は、もうしばらくの間少し回り道をして買い物に行こうと思います。