メトロ・カードに数回分のチャージをしてもらい、いざ改札へ。カードを読み取り機にかざして「ピッ」、で通過する←ひどい説明だな。無料乗車期間の時はひとつの改札で出入りできたはずなのに、今はそのほとんどが一方通行になっているようだった。
土曜日の、しかも下り列車とあって車内は比較的空いていた。隣に立っていた男性が、自分の目の前の座席が空いたにも関わらず「セニョリータ、どうぞ」と席を譲ってくれるところはやっぱりペルー。
新市街から南に行くにつれ、風景がどんどん殺伐としてくる。見ているだけで、気持ちがだんだんとささくれてくる様な気がする。砂山に張り付くように建てられた粗末な家々。地盤を固めたり補強しているようには見えず、今にも滑り落ちてきそうだ。
ちょっと大きな地震があったら、この辺りはどれほどの被害が出るだろう。日本国内の貧富の差は傍目には分かりにくいが、どうしようもない貧困が目の前に堂々と広がっているのがペルーだ。その迫力たるや凄まじい。自己主張する貧困。
さて、Villa El Salvador駅に到着。改札方面周辺には、これまた「なんで出れないんだー!」とたむろする人々が。うんうん、やってるね♪
ほらほら、あんたたちが騒いでいる間に、ちゃんと通過している人もいるでしょ。なんでかなー、どうしてかなー、よーく見てみようね、あと、すぐ怒るのもやめてね。それでも「なんでだー!」と騒いでいるので、なぜか私が教える羽目に。
いくつかのモトと交渉したら、他より0.5ソレス(約18円)安いのがいた。乗ろうとしたら、じーちゃんとばーちゃんが座席に座っていた。おぉ、モトも乗合ですか。
知らない町の知らない習慣を知るのは面白い。若造だったら絶対乗らないが、じじばばなのでかえって安心かと乗り込んだ。待ち合わせ場所で、取材先の人が待っていてくれた。