第6回 ペルー・カホン国際フェスティバル

4月13日(土) 快晴。
この日、世界遺産でもあるリマ歴史地区の中心・アルマス広場は、ペルー生まれの打楽器「カホン」を愛する人々に埋め尽くされた。「VI Festival Internacional del Cajón Peruano/第6回 ペルー・カホン国際フェスティバル」、その一環として行われたのが、この「Cajoneada/カホネアーダ」だ。

VI Gran Cajoneada

秋とはいえ、日中の日差しはまだまだ厳しいリマ。そこに人々の熱気が相まって、体感温度はさらに上昇!老若男女を問わず、みんな体の奥から湧き上がるリズムを楽しんでいる。そして「ねぇ、あなた。どうしてカメラなんて抱えてるの?ここではカホンを叩かなきゃ!こんなに楽しいことを一緒にしないなんて、なんて勿体ない!」みたいな視線もビシビシ(苦笑) 確かにね。同じアホなら踊らにゃ損。

カホン奏者の大御所の一人Alfredo Valiente(右)、オジサマ、しぶい!かっこいい!あー、彼の演奏を聴きに行きたいなぁ。

同じ「叩く」でも、その場所や叩き方、手の部位などによって音が全く違ってくる。簡単そうで実は難しい楽器なのだ。しかしその単純な動作は、子供たちを瞬時に魅了するらしい。子供の参加者が多いのには驚いた。子供用カホンに跨って、大人顔負けのリズム感で演奏する坊や。ペルーの文化を受け継ぐ次世代層は、本当に厚い。

素敵な笑顔を見せてくれる人は大勢いたが、私はなぜか、この最前列にいた彼女に強く惹かれてしまった。その確かな技術だけでなく、何かこう、オーラが出ていたのだ。いろんな人を撮りたくて会場内をうろうろしたけど、やっぱり彼女が気になって、また正面に戻ってしまった。僅かな休憩のときに思い切って声をかけてみたら、その穏やかな声の持ち主はなんと、「リズムの女王」とも、「マリネラの女王」とも呼ばれるAlejandra Ambukkaだったのだ。ああ、道理で瞳の輝きが違うはずだ。カホンを叩く彼女の指先から、力強い音が弾けるように飛び出してくる。アフリカの血が生んだこの楽器は、彼女にとってはすでに身体の一部なのだろう。

今回のCajoneadaはギネス記録更新を目指していた。数日前からfacebookやテレビでその参加を呼び掛けていた。そして結果は…参加者1524人、ギネス更新!!これだけ大勢の人が心を合わせて同じリズムを叩くなんて、なんかすごいじゃない?そばにいるだけで、お腹の奥にまでカホンのリズムがずんずんと響いてくる。人々のパワーがびしびしと伝わってくる。

秋晴れのリマ、まさに文化の秋のリマ。ギネス更新も嬉しいけれど、それより、これだけ大勢の人が一緒に音楽を楽しんだというステキな事実に、盛大な拍手を送りたい。

“第6回 ペルー・カホン国際フェスティバル” への4件の返信

  1. !!!ペルー発祥の楽器だったとは!
    フラメンコのドキュメンタリー映画の中の演奏者の中にカホンがいたから、てっきりスペインのものだと思ってた(この前観たフラメンコのライブでもカホン使ってたし)
    調べたら、フラメンコでカホンを使うようになったのは、70年代に入ってからでした。おかげでひとつ賢くなったわ~ありがとう!
    素朴な外見なんだけど、なんていうか本能に訴えかけるビートを叩きだす楽器ですね。タップ(ダンス)しかりだけど、大勢の刻むリズムがシンクロする瞬間って気持ち良くてぞくっときますね♪

  2. そうだよ~ん♪カホンの歴史とかをもう少し勉強したら、またお知らせします(今はまだざっくりとなので)。それにしてもカホンって魅力ある楽器だと思うよ。以前コンサートを聴きに行ったことがあるけど、なんていうかこう、引き込まれるんだよね。それも頭で考えない、直接魂に来る音というかリズムというか。本当にびりびりっとしびれる感じ。

  3. 行ったんですね。行くよね〜。
    私もすごーく行きたかったです。
    今のリマはおもしろそうな、楽しそうなイベントが目白押し。
    ペルーに行きたい!

  4. はい、行きましたよ~♪青空の下で1500人以上もの人たちが一緒にカホンを叩くって、すごいイベントですよね。日本で「和太鼓フェスティバル」ったって、誰も自分の太鼓なんて持ってないですしね(苦笑) こういう文化が庶民にまで根付いているところが、ペルーの良さだと思います。

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