「砂漠の一滴」 Deux Marchésコンサート

先日4月16日(火)に日秘文化会館大ホールにて行われたチャリティーコンサート、「De Corazón 2013 (心から)」に行ってきました。企画運営は、ペルーの極貧街に暮らす子供たちへの食糧支援を目的に活動する「砂漠の一滴」会。

後援は日系人協会、日系婦人会、カリャオ司教区、そして民芸品ギャラリーポコ・ア・ポコ。今回の見事な舞台装飾は、ポコ・ア・ポコのオーナー早内香苗さんによるものです。

バイオリンの牧千恵子さんとアコーディオンのMiyackさんによるユニット、「Deux Marchés (ドゥ・マルシェ)」。「Deux Marchés」とは、フランス語で「2つの市場」という意味です。

「音楽」という名の新鮮な果実がずらりと並ぶ市場。その魅惑的な香りに誘われて、道行く人が思わず足を止める。 「これはなんだ?」「こいつは珍しいな」 人が人を呼び、その輪はどんどん広がっていく。その瑞々しい果物を口にした人たちから、次々と歓声があがった。「うん、こいつは美味い!ブラボー!」 活気あふれる音のマルシェは、今日も人々の笑顔が満ち溢れている・・・そんな光景が目に浮かぶユニット名。

千恵子さんとMiyackさんが初めてペルーを訪れたのは1999年。以来、音楽を通してさまざまな場所で活動してきました。2004年、バイオリンとアコーディオンによるユニット「Deux Marchés」を結成、2005年10月に「砂漠の一滴」会を立ち上げ、現在に至ります。

バイオリンの牧千恵子さん。今回は突然の依頼にも関わらず、インタビューに快く答えてくれました。1999年に初めてペルーの貧困を目の当たりにした時、「自分に何ができるだろう」と強く心を打たれたのだとか。「音楽は平和産業と言われます。音楽を通して、子供たちに少しでも生きる喜びや楽しさを知ってもらいたいですね」 その言葉に、彼女の優しさとペルーへの熱い想いが滲み出ていました。

ちなみに、後ろにいるのはカホン奏者のJuan M. Cotito。彼のカホンは凄かったです。魔法の手の持ち主。

アコーディオン奏者のMiyack(ミヤック)さん。千恵子さんの一番の理解者であり、砂漠の一滴会の一番の支援者でもあります。「自分の親戚のようなおじいちゃん、おばあちゃんが、日本からこんなに離れたところで頑張って暮らしている。そして今の日系人社会を築いてきた。それって凄いことだと思います。日本から音楽を持ってくることでその人たちが喜んでくれたら、私もすごく嬉しいなと。日本語を忘れたくないと思う人たちに、日本の空気を音楽を通して伝えたいなと。私にとってここに何度も来ることは、いわば里帰りみたいなものですね」 こういう話を聞く度に、日系社会の懐の深さを改めて思い知ります。

第一部はDeux Marchésを中心にCotitoと学生のWilly(ケーナ)が参加。第二部はフォルクローレ・グループのLos Cholosも加わるという、とても贅沢な構成。ウィリーは8年前、小学生の時にDeux Marchésと出会って音楽の楽しさを知り、そして大学生になった今、彼女たちと一緒にセッションをするまでに成長したんだそうです。音楽の力って本当に凄いですね。

今回のコンサートでは、Deux Marchésのオリジナル曲「Mar y Desierto (海と砂漠)」や「Agua en Ventanilla (ベンタニージャの水)」を始め、日本の懐かしい童謡や民謡、マリネラ・プネーニャやアンデスの山岳音楽であるワイノ、サマクエッカなどさまざまなジャンルの音楽が演奏されました。一粒で何度もおいしい、そんな贅沢なコンサートでした。

最後は「El Condor Pasa(コンドルは飛んでいく)」で。今年は、この曲が作られてからちょうど100年目にあたるそうですよ。

一流の音楽が楽しめて、その上貧しい子供たちにパンが届けられるなんて、なんて素敵なことでしょう!会場は満員御礼、立ち見が出るほどの盛況ぶりでしたが、それも当然だと思います。

Deux Marchésの次のペルー公演は、2014年5月30日。すでに日秘文化会館大ホールを抑えているそうですよ。来年もこの素敵な音の市場で、新鮮な果実を口いっぱい頬張れることを願っています。千恵子さん、Miyackさん、素敵なコンサートをありがとうございました。

“「砂漠の一滴」 Deux Marchésコンサート” への2件の返信

  1. おあいできてよかったです。ブログに載せていただいてありがとうございます。帰国してから諸事情ありお返事も書かずしつれいいたしました。ブログ感謝します。
    限りない好奇心と確かな目、素敵です!またお会いするのをたのしみにしています。

  2. 千恵子さん、お忙しい中コメントありがとうございます。こちらこそ突然の依頼であったにもかかわらず、快くお時間を割いて下さり恐縮でした(しかもコーヒーまで・・・ご馳走様でした!) ブログじゃなく、もっと大きな場所にお二人の活動をご紹介していければいいんですけど力不足ですみません。また次回お会いできる日を楽しみにしています。どうぞこれからもよろしくお願いします。

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