Concurso de Marinera Limeña/マリネラ・コンクール

ペルーを代表する踊り、Marinera (マリネラ)。マリネラにはいくつか種類があるが、華やかで大胆な「Marinera Norteña (マリネラ・ノルテーニャ)」は特に有名。私も初めて見た時は「ペルーにこれほど洗練された美しい踊りがあるとは!」と思ったもんだ。ペルーよ、すまぬっっっ

ペルーが生んだこの素晴らしい文化を、もっと知りたいなぁ、日本にも紹介していきたいなぁと思っていた矢先、ちょっとしたご縁から、先日ある日本人女性と知り合った。

それが、日本でマリネラを教えている、福田千文さん。彼女は1月21日からトルヒーヨで開催されるペルー最大のマリネラ・コンクールに出場するため来秘中とのこと。おぉ、日本代表選手!彼女を応援せずしてなんとしよう!!

でもトルヒーヨまではさすがに行けない・・・と思っていたところ、カヤオで行われる「Marinera Limeña (マリネラ・リメーニャ)」のコンクールにも出場すると聞き、1月13日(日)に行ってきた。

「ママー!痛いよぉ!」マリネラを習い始めて1年という女の子、エリカちゃん(8歳)と、「あはは!変なのー。濃すぎるよ」とはやし立てるセバスティアン君(9歳)。とっても可愛らしいカップル。

はい、準備完了!「写真を撮ってもいい?」と聞いたら、ちゃんとポーズを取ってくれた。うーん、様になってるなぁ。風格さえ感じる。

ペルー全土、そして世界各地にファンを持つマリネラ・ノルテーニャと違い、マリネラ・リメーニャはリマとその近郊でしか踊られていないらしい。でもセバスティアンのお母さん曰く、「ノルテーニャはそりゃ華やかだけど、リマッ子なら当然リメーニャでしょ」と。こういうこだわり、好きですなぁ。

様々な情報に溢れる今の時代、自分たちの文化を次世代に残すにはその文化への愛とこだわり、そして強い意志と誇りを持たねばいけません。ちなみに本格的にマリネラを踊る人は、そのほとんどが両方踊れるらしいけど。←千文さんも。

マリネラ・リメーニャとノルテーニャは似てまったく非なるもの。「リメーニャのほうがもっとエレガントで洗練されている!」というのが、先のお母さんの弁。ノルテーニャは見せる要素が強いが、リメーニャはより社交的な感じ。また詳しい説明は別の機会に。

コンクールは年齢別にクラス分けされている。一番小さなクラスはなんと3歳から!そんな幼い頃からペアで踊るんだから、そりゃ度胸も男女間のコミュニケーション力もつくってもんだ。見よ、この女の子の小悪魔的な微笑みを!ペアの男の子を虜にする気満々!

リメーニャのコンクールだったけど途中でノルテーニャのレイーナ(女王)による演技が披露された。”レイーナ”といってもチャンピオンではなく、そのコンクールにおける象徴的存在なのだとか。コンクールのポスターのモデルを務めたりデモンストレーションで踊ったり。審査員に贈り物もしなきゃいけないらしく、隣のオバちゃんが「レイーナに選ばれたら金が掛かるんだよ」と夢のないことを漏らしていた。

さて、この時点で午後3時。やっと子供の部が終わったばかりで、まだ青年やら大人の部も残っていた。

一体いつになったら千文さんの出番になるの?
会場でご本人にも会え、一緒におしゃべりさせてもらったんだけど、そこにいた彼女の先生さえも「いつかなぁ?」。しかも!レイーナの演技が終わった後、審査員たちがお揉むろに昼食を取り始めたのだ。えーっと、コンクール中なんですけど?しかもみんなが見てる前で、なんでビール飲んでるんでしょう?ってことで、当初は「12時開演、千文さんの出番は2時ごろの予定」と聞いていたのに「2時開演、途中審査員が30分も休憩、千文さんの出番は分からず」。私は夕方にはそこを出なくちゃいけなくて、結局彼女の踊りを見れずじまいというなんともお粗末な結果となってしまった。とほほ。

会場の前でポーズを決めて下さった福田千文さん。美しーい!顔ちっちゃーい!

後で聞いたら、出番は6時過ぎだったとか。さすがペルー。時間配分って言葉は存在せず。そんな中、千文さんは特別賞を受賞。おめでとうございます!立派なバンダ(顕彰)も授与されたとか。マリネラを愛する外国人への惜しみない称賛。いやー、実行委員会もなかなか粋な計らいをするではないか。(お昼ご飯を食べるのはどうかと思うけどさ)

トルヒーヨでのコンクールもいつか見に行きたいなぁ。でもこの時期トルヒーヨはもう宿は満室らしく、7日間行われる大会に関連する人出は少なくとも3万5000人と予想されている。もっと前から予約しなきゃダメなんだよね・・・。

日本にマリネラ教室はまだほんのわずかしかなく、その魅力はもとより、マリネラの存在自体まだほとんど知られていない。「ネットでマリネラって引くと、一番最初にパタリロの”マリネラ王国”が出てくるのよね・・・」と苦笑いしていた千文さん。それじゃいかんだろ!(パタリロも好きだけどさ)

ペルー文化を日本に紹介するという使命を勝手に任命・拝受するものとしてマリネラの紹介にも力を入れて行きたいと思う今日この頃。ということで皆さま、よろしくお願いします。

“Concurso de Marinera Limeña/マリネラ・コンクール” への4件の返信

  1. う…マリネラとググれば「パタリロ」!そうくるか~(爆笑)
    ダンスのマリネラはワタシも初耳でした。いちど観てみたいです。
    南米の踊りで有名なのはメキシカンとサンバ、アルゼンチンタンゴあたり?
    けれどそれ以外の国の踊りもそれぞれに素敵。
    おそらくはスペインのフラメンコがルーツにあるのだろうけど、フラメンコのジプシーやサラセンの嘆き・哀愁は影をひそめ、明るく(意外に)洗練され、しかも国によってスタイルが違う。(なんで知ってるかってと「ブラジルの熱海」フォス・ド・イグアスのシュラスコディナーショーで堪能させてもらいましたので)
    なんたって地球の向こう側のとて、日本人には馴染がない=十把一絡なんだろうけど、もっともっと知ってもらいたいですね。南米のこと。

  2. はは、そうなんよ。実際私も検索してみたら、堂々の1位はそれだった(でも千文さんのマリネラ教室は2番目だった♪)。マリネラはペルー生まれだけど、そのルーツは現地とスペイン+黒人の踊りが混じったもの。とっても優雅できれいな踊りだよ~!また紹介していくので、踊り好きのちちゃさんもぜひ機会があったらチャレンジしてみて♪

  3. 初めまして。トルヒーヨに住んでいます、前田航と申します。マリネラ本当に素敵ですよね!日本から参加される方がいると聞いてびっくりしました!日本代表頑張れ!
    コンクールを前に今日はショッピングモールで「マリネラチャンピオンと一緒に踊るカップルの数世界最高」のギネス記録を目指すイベントがあるみたいです。

  4. こちらこそはじめまして!トルヒーヨ、いいところですよね~(今はすごく暑いでしょうが)。マリネラ・コンクールをすぐ見に行ける距離にお住まいなのは、羨ましいです。見に行かれますか?ぜひ千文さんを応援して下さいね!ところでそのギネス狙いのイベント、結果はどうだったんでしょうか?気になります!ぜひ教えて下さい。

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